答弁本文情報
平成二十三年五月二十四日受領答弁第一七三号
内閣衆質一七七第一七三号
平成二十三年五月二十四日
衆議院議長 横路孝弘 殿
衆議院議員木村太郎君提出菅内閣の原子力エネルギー政策に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員木村太郎君提出菅内閣の原子力エネルギー政策に関する質問に対する答弁書
一について
経済産業省においては、東北電力株式会社東通原子力発電所第一号機における緊急安全対策の実施状況について、立入検査や訓練の立会いにより確認及び評価をし、東京電力株式会社福島第一原子力発電所(以下「福島第一原子力発電所」という。)での事故の原因となった十五メートル程度の津波により、全交流電源喪失に至ったとしても、注水による冷却を行うことにより、炉心及び使用済燃料の損傷を防止し、多量の放射性物質の放出といった事態を避けることができることを確認している。
したがって、現在定期検査中の東北電力株式会社東通原子力発電所第一号機が、所要の検査を経た上で、運転を再開することは安全上問題がないと考えている。
平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震によって福島第一原子力発電所で発生した事象についての全体像の把握、分析及び評価を通じて得られる知見が、現在建設中の東京電力株式会社東通原子力発電所第一号機及び電源開発株式会社大間原子力発電所並びに計画中の東北電力株式会社東通原子力発電所第二号機及び東京電力株式会社東通原子力発電所第二号機に適切に反映されていくことが、重要であると考えている。
経済産業省においては、平成二十三年五月一日、日本原燃株式会社等に対して、津波その他の事象により交流電源を供給する全ての機能、再処理施設の放射性物質の崩壊熱を除去する機能及び水素の発生のおそれがある設備においてその滞留を防止する機能を喪失した場合に、それらを回復することを可能とするための緊急安全対策を講じるよう求めたところであり、まずは、これを同社が着実に実施していくことが重要であると考えている。
現在最も重要なことは、福島第一原子力発電所の事故をいかに収束させるかということであり、政府として、事態の収束に最善を尽くしているところである。その上で、事故の原因について徹底的な検証を行いつつ、原子力政策を含む今後のエネルギー政策の在り方について、国民各層の御意見を踏まえて検討を進めてまいりたい。