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答弁本文情報

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平成二十三年七月二十六日受領
答弁第三一九号

  内閣衆質一七七第三一九号
  平成二十三年七月二十六日
内閣総理大臣 菅 直人

       衆議院議長 横路孝弘 殿

衆議院議員木村太郎君提出我が国からの農林水産物・食品における輸入規制に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員木村太郎君提出我が国からの農林水産物・食品における輸入規制に関する質問に対する答弁書



一について

 平成二十三年六月二十二日及び同月二十三日に開催されたG20農業大臣会合において、篠原農林水産副大臣から各国及び地域に対し、我が国の農林水産物・食品に対する輸入規制につき科学的根拠に基づく対応を要請し、各国及び地域から理解が示されたところである。また、同月二十二日に行われたロッシ・ブラジル農務大臣等との会談においても篠原農林水産副大臣から同様の要請等を行い、ロッシ・ブラジル農務大臣からは対応を検討する旨の発言があった。

二について

 平成二十二年度以降の我が国の農林水産物・食品の輸出の環境整備に関しては、植物検疫協議について、同年度に、タイ向けに輸出できるうんしゅうみかんの生産地域が拡大されたところであり、動物検疫協議について、同年度に香港、マカオ、アラブ首長国連邦及びシンガポール向け、平成二十三年度にタイ向けの牛肉の輸出が解禁されたところである。
 また、お尋ねの「検査証明書」の意味するところが必ずしも明らかではないが、輸出先の国及び地域から東日本大震災後に要求されている放射性物質の検査証明書(以下「検査証明書」という。)及び産地を証明する書類(以下「産地証明書」という。)については、欧州連合、シンガポール、韓国等向けの発行体制の整備を行ったところである。
 さらに、お尋ねの「輸出証明書」の意味するところが必ずしも明らかではないが、輸出先の国及び地域から要求されている食品衛生上の要件を記載した証明書に関しては、食肉については、平成二十二年度にベトナム向け、水産物については、同年度にベトナム向け、平成二十三年度に韓国向けの発行体制の整備を行ったところである。
 HACCP手法については、特に水産物の輸出施設に関して、その導入を衛生基準として求める輸出先の国及び地域があることを踏まえ、輸出先の国及び地域の基準への適合を図ろうとする水産加工場等に対し技術指導を実施するなどの支援を行っているところである。

三について

 東日本大震災後に検査証明書の要求等の我が国の農林水産物・食品に対する輸入規制を行っている国及び地域に対して、迅速かつ正確な情報提供等を粘り強く行うことが重要と考えている。このため、農林水産物・食品から一定水準を超える量の放射性物質が検出された地域で生産される農林水産物・食品の出荷を制限するなどの我が国のとった措置や、農林水産物・食品から検出される放射性物質の検査の結果等について、在外公館等を通じた説明を引き続き行っていく考えである。

四について

 平成二十三年五月二十二日に行われた日中首脳会談において、温家宝国務院総理から、中国が講じている我が国の農林水産物・食品に対する輸入規制について一部緩和する旨の発言があった。その後、日本側より当該緩和措置の早期実施を求めていたところ、同年六月十七日、中国国家質量監督検験検疫総局により、その具体的な実施が公表され、現時点では、水産物については、検査証明書及び産地証明書を添付することにより中国への輸出が再開されている。その他の産品については、検査証明書及び産地証明書の様式について協議中である。

五及び六について

 農林水産省においては、輸出を目指す農林漁業者等に対する海外における支援に関し、平成二十二年度には、在外公館等において、オピニオンリーダー等に対し日本食材を用いた日本食等を提供することにより日本食及び日本食材を普及する事業を十件実施した。また、国際見本市を活用した海外展示・商談活動に関する委託事業について、独立行政法人日本貿易振興機構(以下「機構」という。)に対し、三件の委託を行った。
 さらに、海外のレストランにおける日本食の普及を通じて我が国の農林水産物・食品の輸出の促進を図るため、同年度には、海外の日本食レストラン関係者の拠点となる現地組織を新たに二か所設立し合計二十か所とし、食材に関する講習会、メニュー提案商談会、国際シンポジウム等を開催したところである。
 これらの支援策のうち、海外展示・商談活動に関する委託事業や海外の日本食レストラン関係者の拠点となる現地組織を設立する取組等については、平成二十三年度も引き続き実施することとしているが、東日本大震災後に我が国の農林水産物・食品に対する輸入規制が行われていることから、まず、在外公館等を通じ相手国政府等に対して、科学的根拠に基づく対応の要請、迅速かつ正確な情報提供等を行うとともに、在外公館及び機構の在外事務所の共催により、現地の事業者等に向けた我が国の農林水産物・食品の安全性に関する説明会を、各国及び地域の主要都市において実施してきているところである。
 これらの取組の実施の際には、在外公館を活用しつつ、観光の観点も含めた情報交換を機構の在外事務所と行うなど、国土交通省を含む関係機関と適切に連携を図っている。

七について

 我が国の農林水産物・食品の輸出の促進等に関する平成二十三年度予算については、第一次補正予算及び第二次補正予算を含め、農林水産省において約十八億八千六百万円を計上し、輸出を目指す農林漁業者や食品産業事業者による取組に対する支援事業等を実施している。
 また、厚生労働省において約千二百万円を計上し、輸出先の国及び地域との食品衛生に関する定期的な協議等を実施している。

八について

 御指摘の「平成二十五年までに農水産物の輸出を一兆円規模に増やすとする目標の達成時期を二年程度先送りする方針を固めた」という事実はない。
 我が国の農林水産物・食品の輸出については、「新成長戦略」(平成二十二年六月十八日閣議決定)において、平成二十九年までに一兆円水準とする目標を掲げているが、目標の達成時期の取扱いについては、平成二十三年六月二十四日開催の新成長戦略実現会議において、東京電力株式会社福島第一原子力発電所の事故やその風評被害の状況を踏まえつつ、検討を行うこととされたところである。



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