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平成二十七年六月三十日受領
答弁第二八七号

  内閣衆質一八九第二八七号
  平成二十七年六月三十日
内閣総理大臣 安倍晋三

       衆議院議長 大島理森 殿

衆議院議員阿部知子君提出高レベル放射性廃棄物の最終処分に係る地方自治体向け非公開説明会に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員阿部知子君提出高レベル放射性廃棄物の最終処分に係る地方自治体向け非公開説明会に関する質問に対する答弁書



一から三までについて

 平成二十七年五月以降に都道府県単位で開催している高レベル放射性廃棄物の最終処分に関する地方公共団体向け説明会は、都道府県及び市区町村の担当者に参加いただき、「特定放射性廃棄物の最終処分に関する基本方針」(平成二十七年五月二十二日閣議決定。以下「基本方針」という。)等について情報提供を行うとともに、質問及び意見を伺うことを目的に開催している。この開催自体は、最終処分関係閣僚会議においてあらかじめ報告がなされ、国民にも明確に示された上で、順次開催しているものである。他方、基本方針において、「国は、地方公共団体に対し、最終処分に関する政策等に関する情報提供を緊密に行うとともに、積極的に意見を聴き、丁寧な対話を重ねていく」としたところ、当日の説明会を仮に公開の下で行えば、高レベル放射性廃棄物の最終処分に関する地方公共団体の関心の有無等について様々な誤解を招くおそれがあり、それを理由に地方公共団体が説明会への参加や説明会の中での発言を控えることが見込まれたため、非公開で行うこととした。
 御指摘の「自治体向け説明会における配布資料」については、地方公共団体向け説明会において高レベル放射性廃棄物の最終処分について説明するための配布資料として、経済産業省、原子力発電環境整備機構等が連携して運営しているホームページにおいて公表している資料を使用している。また、御指摘の「議事内容」、「開催日程」及び「開催実績」については、今後、適切に公表していく予定である。御指摘の「出席自治体数、出席率及び自治体名」については、地域ごとの関心の有無等について様々な誤解を招き、その結果、地方公共団体に対し最終処分に関する政策等に関する情報提供を緊密に行うとともに、積極的に意見を聴き、丁寧な対話を重ねていくことができなくなるおそれがあることから、公表することは考えていない。

四について

 基本方針においては、「発電用原子炉設置者等は、事業活動に伴って生じた特定放射性廃棄物が、最終処分施設の立地及び建設、操業等を通じて安全に処分されるまで、発生者としての基本的な責任を有する」及び「国、機構、発電用原子炉設置者等及び関係研究機関は、最終処分に関する知識を普及し、国民の関心を深めるため、積極的な情報公開に努め、相互に連携しつつ、エネルギー、原子力、放射性廃棄物に関する広聴や広報、教育、学習の機会を増やすものとする」と規定している。こうした考え方に基づき、平成二十七年五月から六月にかけて経済産業省が主催した地方公共団体向け説明会においては、発電用原子炉設置者である電力会社が説明会の運営に協力した。こうした協力について、「説明会等への電力会社社員の動員は強い批判を招いてきたところ、なぜ再びこのようなことが行われたのか」との御指摘は当たらないと考えている。

五について

 御指摘の「自治体向け説明会の開催」は、まず、平成二十六年十一月に開催された全国都道府県知事会議において、経済産業省職員が各都道府県を訪問し、高レベル放射性廃棄物の最終処分に向けた政府の新たな方針や今後の進め方について説明していく意向であることを説明するとともに、それに対する理解と協力を求めた。次に、平成二十七年三月に、総務省の協力を得て、全国の市区町村に対し、今後の情報提供に関する担当部署の登録を依頼した。その上で、同年五月より、都道府県ごとに地方公共団体向け説明会の日程等を連絡した上で、順次開催している。
 一連の連絡等を行う中で、各都道府県及び市区町村には、適切に対応いただいているものと受け止めている。

六について

 お尋ねの「利益を還元」とは、最終処分事業の実現が社会全体の利益であるとの認識に基づき、その実現に貢献する地域に対し、社会として適切に利益を還元していくことを意味しているものであり、具体的には、基本方針にあるとおり「文献調査段階から、電源三法(電源開発促進税法、特別会計に関する法律、発電用施設周辺地域整備法)に基づく交付金を交付するほか、地域の関心や意向を踏まえた上で、処分地選定調査の進展に応じ、当該地域の持続的発展に資する総合的な支援措置を関係地方公共団体と協力して検討し講じていく」ことである。
 なお、平成二十七年五月以降に開催している地方公共団体向け説明会を非公開とすることについては一から三までについてで述べたとおりである。今後とも、地方公共団体に対し、最終処分に関する政策等に関する情報提供を緊密に行うとともに、積極的に意見を聴き、丁寧な対話を重ねていく方針であり、その時々の状況を踏まえて、適切な形で進めていきたい。



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