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平成二十九年六月十三日受領
答弁第三六二号

  内閣衆質一九三第三六二号
  平成二十九年六月十三日
内閣総理大臣 安倍晋三

       衆議院議長 大島理森 殿

衆議院議員宮崎岳志君提出国鉄の分割・民営化三十年に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員宮崎岳志君提出国鉄の分割・民営化三十年に関する質問に対する答弁書



一について

 北海道旅客鉄道株式会社、東日本旅客鉄道株式会社、東海旅客鉄道株式会社、西日本旅客鉄道株式会社、四国旅客鉄道株式会社、九州旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社(以下「JR各社」という。)においては、日本国有鉄道(以下「国鉄」という。)の分割民営化によって、効率的で責任のある経営ができる体制が整えられた結果、全体としてサービスの信頼性や快適性が格段に向上し、経営面でも、東日本旅客鉄道株式会社、西日本旅客鉄道株式会社及び東海旅客鉄道株式会社に続いて九州旅客鉄道株式会社も完全民営化されるなど、国鉄改革の所期の目的を果たしつつあると考えている。
 引き続き、国鉄改革の趣旨を踏まえ、北海道旅客鉄道株式会社、四国旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社の完全民営化に向けた取組を進めるとともに、かつて一つの組織であったJR各社間の連携及び協力が確保されるよう取り組んでいくこととしている。

二について

 国鉄の分割民営化に際しては、全国一元的な経営形態を改め、適切な経営管理や、地域の実情に即した運営をできるようにするとともに、旅客の流動実態に適合し、地域的に自然な形の分割となるよう、旅客流動の地域内完結度に配慮して、旅客部門は六社に分割された。また、貨物部門については、貨物部門独自の確固とした収支管理を前提に、経営責任を明確化するとともに、旅客部門が六つの事業体に分割される状況の下で、輸送距離が長く、往路と復路とが不均衡になりやすい貨物輸送を円滑に行っていくため、旅客部門から分離して全国一社とされた。
 このような中で、北海道旅客鉄道株式会社、四国旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社は、いまだ上場が可能となるような安定的な利益を計上できる段階には至っていないため、政府としても、これまで経営安定基金の運用益の下支え、経営安定基金の実質的な積み増し、設備投資に対する助成や無利子貸付け等、累次にわたって支援を行ってきているところである。
 引き続き、国鉄改革の趣旨を踏まえ、北海道旅客鉄道株式会社、四国旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社の完全民営化に向けた取組を進めていくこととしている。

三について

 昭和六十二年四月に行われた国鉄の分割民営化に際しては、国鉄長期債務の総額三十七・一兆円のうち、二十五・五兆円の債務を日本国有鉄道清算事業団(以下「清算事業団」という。)が承継することとされ、国鉄から承継した土地の処分やJR各社の株式の売却による収入等によって可能な限り処理することとされたが、清算事業団の発足後に発生した地価高騰問題に対処するため、土地の売却が見合わせられ、その後、バブル経済の崩壊に伴う土地需要の低迷により、土地売却が順調に進まず、かつ地価の下落により土地売却収入が減少したことや、株式市況の低迷等によりJR各社の株式の売却が順調に進まなかったこと等から、平成十年十月の段階では、清算事業団の債務は二十八・三兆円に増加することとなった。このため、同月に、国鉄長期債務の最終的な処理が行われ、清算事業団の二十八・三兆円の債務のうち、二十四・二兆円については国の一般会計が負担することとされ、その残高は平成二十七年度末時点で十七・八兆円になっているものと認識している。

四について

 経営安定基金については、元本を北海道旅客鉄道株式会社及び四国旅客鉄道株式会社に渡した後は、基本的には、北海道旅客鉄道株式会社及び四国旅客鉄道株式会社において自主運用されるものであり、これは、国鉄が分割民営化された当初から想定されていた仕組みである。

五について

 北海道旅客鉄道株式会社及び四国旅客鉄道株式会社において、まず、鉄道の利用促進策等による増収の取組や、経費節減に向けた事業運営の効率化等による鉄道事業の収支改善を進めるとともに、更に経営基盤の強化を図るため、不動産賃貸業等の関連事業による営業利益の更なる拡大に努めていくことが必要であると考えている。



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