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答弁本文情報

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平成三十年十一月十六日受領
答弁第三三号

  内閣衆質一九七第三三号
  平成三十年十一月十六日
内閣総理大臣臨時代理
国務大臣 麻生太郎

       衆議院議長 大島理森 殿

衆議院議員階猛君提出法曹養成制度改革に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員階猛君提出法曹養成制度改革に関する質問に対する答弁書



一の1について

 御指摘の「法曹養成制度改革推進会議決定」(以下「推進会議決定」という。)においては、「今後の法曹人口の在り方」について、「新たに養成し、輩出される法曹の規模は、司法試験合格者数でいえば、質・量ともに豊かな法曹を養成するために導入された現行の法曹養成制度の下でこれまで直近でも千八百人程度の有為な人材が輩出されてきた現状を踏まえ、当面、これより規模が縮小するとしても、千五百人程度は輩出されるよう、必要な取組を進め、更にはこれにとどまることなく、関係者各々が最善を尽くし、社会の法的需要に応えるために、今後もより多くの質の高い法曹が輩出され、活躍する状況になることを目指すべきである。」などとしているところ、現時点で、直ちに、新たに養成し、輩出される法曹の規模に関するこの指針と異なる新たな指針を設定する状況にはないと認識している。

一の2について

 お尋ねについては、推進会議決定において、「司法制度改革において、質・量ともに豊かな法曹を養成するため、法科大学院を中核とするプロセスとしての法曹養成制度が創設されたが、約十年が経過した今、法科大学院全体としての司法試験合格率や、弁護士を含む法曹有資格者の活動の場の拡がりなどが、制度創設当初に期待されていた状況と異なるものとなり、法曹志望者の減少を招来する事態に陥っている。」としているところであり、このような認識に変更はない。

一の3について

 政府としては、新たに養成し、輩出される法曹の質の確保を考慮しつつ、より多くの質の高い法曹が社会の様々な分野で活躍する状況になることを目指す観点から、推進会議決定に基づき、関係省庁のほか関係機関・団体が参加する「法曹養成制度改革連絡協議会」等を通じて、法曹人口の在り方に関する必要なデータの集積を継続して行い、高い質を有し、かつ、国民の法的需要に十分応えることのできる法曹の輩出規模について、輩出される法曹の質の点も含め、検証を行っているところである。

一の4について

 政府としては、法曹志望者数を回復させ、新たな時代に対応した質の高い法曹を多数輩出していくため、推進会議決定に基づき、法曹有資格者の活動領域の拡大に向けた環境整備、法曹の輩出規模についての検証、法科大学院における教育の質の向上その他の法科大学院改革に向けた取組、司法試験制度の在り方に関する検討、司法修習生に対する経済的支援策の整備等を進めてきているところである。

一の5について

 法曹志望者数の減少については、一の2についてで述べた推進会議決定で挙げた要因とともに、学生の進路の動向、法曹養成課程における経済的・時間的負担等様々な要因が影響しているものと考えられる。

二の1について

 平成二十六年度から平成二十九年度までの各年度に法科大学院課程を修了した者であって司法試験法(昭和二十四年法律第百四十号)第四条第一項第一号に規定する法科大学院課程の修了の受験資格に基づき司法試験を受験したもののうち合格した者の割合が、平成三十年の同試験が終了した時点で七割以上となっている法科大学院の数を、当該受験者が当該法科大学院課程を修了した年度ごとにお示しすると、次のとおりである。なお、同号において、法科大学院課程を修了した者は、その修了の日後の最初の四月一日から五年を経過するまでの期間において司法試験を受験することができることとされているため、平成三十年度に法科大学院課程を修了する者については、法科大学院課程の修了の受験資格に基づいて平成三十年に同試験を受験することが認められていない。
 平成二十六年度 七校
 平成二十七年度 七校
 平成二十八年度 五校
 平成二十九年度 二校

二の2について

 司法試験合格者は、司法試験委員会において、法曹となるべき能力の有無を判定するという観点から決定されるものであることから、平成三十年度に法科大学院課程を修了する者であって法科大学院課程の修了の受験資格に基づき司法試験を受験するもののうち合格する者の割合に関しては、一概にお答えすることは困難である。

二の3について

 推進会議決定においては、「法科大学院改革に関する基本的な考え方」として、「法科大学院の抜本的な組織見直し及び教育の質の向上を図ることにより、各法科大学院において修了者のうち相当程度が司法試験に合格できるよう充実した教育が行われることを目指す。」としている。政府としては、これを踏まえ、各法科大学院に対する公的支援の見直しや司法試験合格率等の客観的指標を活用した認証評価の厳格化、法科大学院が共通して客観的かつ厳格に進級判定等を行う仕組みである共通到達度確認試験の試行等に取り組んできているところである。

三について

 政府としては、司法試験合格率のみを問題とするのではなく、質・量ともに豊かな法曹を養成するという司法制度改革の目的を踏まえ、法曹養成制度改革の更なる推進に向けて、必要な取組を進めてまいりたい。



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