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答弁本文情報

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平成三十一年二月十五日受領
答弁第二一号

  内閣衆質一九八第二一号
  平成三十一年二月十五日
内閣総理大臣 安倍晋三

       衆議院議長 大島理森 殿

衆議院議員川内博史君提出ネオニコチノイド系農薬等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員川内博史君提出ネオニコチノイド系農薬等に関する質問に対する答弁書



一及び六のAについて

 食品衛生法(昭和二十二年法律第二百三十三号)第十一条第一項の規定に基づく食品、添加物等の規格基準(昭和三十四年厚生省告示第三百七十号)において定められている食品中の農薬の残留基準については、食品安全委員会の食品健康影響評価、国際連合食糧農業機関・世界保健機関合同食品規格計画の実施機関であるコーデックス委員会における食品に関する国際基準等を踏まえ、食品の摂取に伴う農薬の一日摂取許容量(一生涯にわたって毎日摂取し続けても、健康への悪影響がないと推定される一日当たりの体重一キログラム当たりの摂取量をいう。)及び急性参照用量(二十四時間又はそれより短時間の経口摂取で健康に悪影響を示さないと推定される体重一キログラム当たりの摂取量をいう。)を超えないように設定しているものであることから、食品の安全性確保の観点から適切なものと考えており、現時点では見直すことは考えていない。

二の@について

 御指摘の「ハチを含む生態系への影響」の意味するところが必ずしも明らかではないが、蜜蜂の減少については、農薬のほか、ダニ等の寄生虫や害虫、病気、栄養不足等の様々な要因が複合的に影響して生じているものと考えており、また、平成二十五年度から平成二十七年度にかけて農林水産省が行った「蜜蜂被害事例調査」においても、欧米におけるものと同様の蜜蜂の大量死の事例は報告されていないことから、政府として、ネオニコチノイド系農薬の使用と蜜蜂の大量死等との因果関係が科学的に確認されているとまでは認識していない。

二のAについて

 ネオニコチノイド系農薬を含む全ての農薬については、農薬取締法(昭和二十三年法律第八十二号。以下「法」という。)に基づき、蜜蜂に対するものを含め、水産動植物及び家畜に対する影響を科学的に評価した上で法第三条第一項の登録(以下単に「登録」という。)を行っており、今後、法第八条第一項の規定による再評価(以下単に「再評価」という。)を行うに当たっては、蜜蜂への影響評価を含めて評価項目の充実を図った上で、最新の科学的知見に基づき農薬の安全性その他の品質に関する審査を行うこととしている。なお、当該再評価の結果に基づき、必要な場合には、当該再評価を行った農薬の登録の内容の変更や取消し等の措置を講ずることとなる。

二のBについて

 欧州連合においては、欧州連合規則に基づき、発達神経毒性が示唆される農薬について、発達神経毒性に関する試験成績等の提出を要求できるとされていること、また、ネオニコチノイド系農薬のうちに、当該試験成績等が提出されているものがあることについては承知している。

二のCについて

 お尋ねの「ヒトの健康について、予防原則の考え方を導入する」の意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難である。

三について

 御指摘の「ドローン」(以下単に「ドローン」という。)を用いて散布する農薬であるか否かにかかわらず、農薬の登録に当たっては、科学的知見に基づく評価の結果、安全性その他の品質に問題がないものに限って登録をすることとしており、御指摘のように「経済を優先して安全を犠牲にする」ということはない。

四について

 農薬のドローンによる散布については、政府としては、「規制改革推進に関する第四次答申」(平成三十年十一月十九日規制改革推進会議答申)の「地方創生の強化のための規制・制度改革」の「ドローンの活用を阻む規制の見直し」の「航空法に基づく規制」、「農薬取締法に基づく規制」及び「電波法に基づく規制」の各項目において掲げられた「基本的考え方」において指摘されたような課題があるものと認識しており、これらの項目の「実施事項」で示された方向で必要な措置を講じていく考えである。なお、農薬をドローンを用いて高濃度かつ少量で散布する場合であっても、単位面積当たりの農薬の有効成分の使用量が同じであれば農作物への残留は同程度となるため、作物残留試験の追加実施を省略しても安全性への影響はないものと考えており、御指摘のように「数千万円のコストのために、安全性を確認するための農薬の作物残留試験を不要とする」というものではない。

五について

 ネオニコチノイド系農薬を含めた農薬のドローンによる散布については、「空中散布における無人航空機利用技術指導指針」(平成二十七年十二月三日付け二七消安第四五四五号農林水産省消費・安全局長通知)により、防除実施者に対して、ドローンの飛行高度を農作物から二メートル以下に保持するよう求めてきたところであり、当該飛行高度の保持については引き続き求めていく考えであるが、これに従って散布した場合の農薬の飛散の程度は、通常の地上散布の場合と同程度であると考えられることから、御指摘のように「禁止すべきもの」であるとは考えていない。

六の@及びBについて

 御指摘の「国際レベルに通用する」の意味するところが必ずしも明らかではないが、政府としては、農薬の再評価において、最新の科学的知見に基づき、農薬の安全性その他の品質に関する審査を行うことを通じて、登録を受けた全ての農薬について定期的に評価を行い、継続的に農薬の安全性の向上を図ることとしているところである。また、当該科学的知見については、再評価を含む登録に関する規定の円滑な実施を図るため、法第十五条において、農林水産大臣は、農薬の安全性その他の品質に関する科学的知見の収集、整理及び分析を行うように努めるものとされているところである。なお、御指摘の「残留農薬の再評価」については、その意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難である。

七について

 二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会(以下「大会」という。)に参加する選手団への飲食提供は、公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(以下「組織委員会」という。)が実施するものであるところ、「有機農産物を求める海外選手団のニーズ」に係るお尋ねについては、政府としてお答えする立場にないが、組織委員会が平成三十一年一月十五日に改定した「東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会 持続可能性に配慮した調達コード(第三版)」においては、「持続可能性に配慮した農産物の調達基準」(以下「調達基準」という。)として、「有機農業により生産された農産物が推奨される」としているものと承知している。
 政府としては、従前から、有機農業の推進に関する法律(平成十八年法律第百十二号)第六条第一項の規定に基づき定められた「有機農業の推進に関する基本的な方針」(平成二十六年四月二十五日農林水産大臣決定)に即して有機農業の推進に関する各種の施策を講じているところであり、調達基準を踏まえつつ、大会で提供される食事において有機農産物を含む国産食材が積極的に活用されるよう、引き続き、有機農業に取り組む生産者に対して必要な支援を行ってまいりたい。

八及び九について

 農薬の登録申請時又は再評価時に提出すべき試験成績に発達神経毒性に関する試験成績を追加することについては、御指摘の参議院議員川田龍平君提出改正農薬取締法の運用に関する質問に対する答弁書(平成三十年七月二十七日内閣参質一九六第一八一号)五についてでお答えしたとおり、現在、関係府省が連携して検討を進めているところである。
 また、内分泌かく乱に関する試験成績を追加すべきかどうかについては、同答弁書五についてでお答えしたとおり、今後、関係府省が連携し、これらに関する科学的知見及び国際的動向を踏まえて、検討することとしているところである。

十について

 御指摘の「単語を検索できる文字コードを含むPDF版」の意味するところが必ずしも明らかではないが、お尋ねのうち農薬評価書については、食品安全委員会における食品健康影響評価についての調査審議の終了後速やかに公開することとしており、同委員会のホームページにおいては、原則として単語を検索することが可能なファイル形式により公開することとしている。
 また、お尋ねのうち農薬抄録については、当該農薬について必要な基準値が設定された後速やかに公開することとしているが、国内外において当該農薬の模造が可能となる等、農薬の登録を受けた者の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるため、一部を不開示としているとともに、そのような必要性から、独立行政法人農林水産消費安全技術センターのホームページにおいては、単語を検索できないファイル形式により公開することとしている。

十一について

 「化学物質の人へのばく露量モニタリング調査」については、環境省において、平成二十九年度以降も引き続き実施しており、御指摘のように「二〇一六年で一旦休止となった」との事実はない。



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