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答弁本文情報

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平成三十一年四月二日受領
答弁第一〇七号

  内閣衆質一九八第一〇七号
  平成三十一年四月二日
内閣総理大臣 安倍晋三

       衆議院議長 大島理森 殿

衆議院議員長島昭久君提出イージス・アショアに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員長島昭久君提出イージス・アショアに関する質問に対する答弁書



一について

 我が国に配備する予定の陸上配備型イージス・システム(以下「本件イージス・システム」という。)については、できる限り早期にその運用を開始することができるよう、平成三十一年度から約五年間でその本体やこれに搭載するレーダーであるLMSSRを製造した後、これらの性能の確認や設置等の作業をできる限り速やかに行う予定であるが、具体的な運用開始時期については、米国との調整の状況等にもよるものであるため、その見込みも含め、現時点においてお答えすることは困難である。

二の(1)について

 御指摘の「米軍の兵器調達プロセスにおいて・・・認定事業(program of record)には至っていない」ことについての「リスク」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、本件イージス・システムに搭載するレーダーの選定に当たっては、公正性及び公平性を担保しつつ、性能、費用等を踏まえて最適なレーダーを選ぶ観点から、米国国防省ミサイル防衛庁及びロッキード・マーティン社から提案のあったLMSSRと同庁から提案のあったSPY−6について、それぞれ「基本性能」、「後方支援」、「経費」及び「納期」の四つの要素で分析した上で評価を実施し、その結果、総合的な評価がより高かったLMSSRを選定するに至ったものである。
 なお、本件イージス・システムの本体については、米国の有償援助により調達することとしているが、他方で、これに搭載するLMSSRについては、一般輸入により調達することとしている。

二の(2)について

 本件イージス・システムに搭載するレーダーとしてのLMSSRの選定については、二の(1)についてで述べたとおり、「納期」も含めて分析した上で評価を実施した結果を踏まえたものであり、前段のお尋ねのように、「敢えて開発途上のものを選定すること」としたものではない。
 また、中段及び後段のお尋ねについては、開発の遅れ等の仮定を前提としたものであるため、お答えすることは差し控えたい。

二の(3)について

 現時点において、陸上配備型イージス・システムに搭載するレーダーとしてLMSSRを採用する旨を公式に発表している国は、我が国以外にないものと承知している。
 なお、LMSSRは、米国が二千二十年にアラスカ州に配備する予定のレーダーであるLRDRと同様の技術を用いて製造されるものと承知している。

二の(4)及び三の(2)について

 御指摘の「量産体制に移行する」の意味するところが明らかではなく、「どの程度の費用が必要になると見積もっているのか」とのお尋ねにお答えすることは困難である。
 また、本件イージス・システムの性能を確認するための方法については、現在、御指摘の「実射試験」及び「迎撃試験」の実施の要否も含めて米国と協議しているところであり、現時点においてこれらの実施を前提としたお尋ねについて確たることをお答えする段階にはない。
 なお、他国に配備される米軍の陸上配備型イージス・システムについては、御指摘の「迎撃試験」の「経過及び成果」も含め、政府として評価する立場にない。

三の(1)について

 御指摘の「ベースライン9」については、LMSSRと併せて米国国防省ミサイル防衛庁及びロッキード・マーティン社から提案のあったものであり、LMSSRの選定に当たっては、当該「ベースライン9」の採用も含めて「基本性能」等の評価を行ったところである。他方で、御指摘の「ベースライン10」については、いまだ開発中のものであると承知している。
 防衛省においては、こうした評価の結果も踏まえ、当該「ベースライン9」を用いることでLMSSRについて十分な性能を発揮させることが可能であると見込んでいるところであり、現時点において当該「ベースライン10」を用いる必要があるとは考えていない。



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