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令和二年十一月十三日受領
答弁第六号

  内閣衆質二〇三第六号
  令和二年十一月十三日
内閣総理大臣 菅 義偉

       衆議院議長 大島理森 殿

衆議院議員丸山穂高君提出地方自治体におけるLINEによる住民票の写し等の交付に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員丸山穂高君提出地方自治体におけるLINEによる住民票の写し等の交付に関する質問に対する答弁書


一の1について

 住民基本台帳法(昭和四十二年法律第八十一号)の規定により都道府県又は市町村が処理する事務については、同法第三十一条第一項の規定に基づき、国は都道府県及び市町村に対し、必要な指導を行うものとされており、また、同条第二項の規定に基づき、主務大臣は都道府県知事又は市町村長に対し、当該事務に関し必要があると認めるときは、報告を求め、又は助言若しくは勧告をすることができるとされているところであり、お尋ねのような場合には、これらの規定に基づき、適切に対応するものと考えている。
 なお、お尋ねの「不利益な取扱い」の意味するところが必ずしも明らかでないが、いずれにしても法令の規定に基づき適切に対応することとなる。

一の2について

 オンラインによる住民票の写しの交付請求を受け付ける場合には、請求を行う者において入力する事項についての情報に電子署名を行い、当該電子署名を行った者を確認するために必要な事項を証する電子証明書と併せてこれを送信する方法(以下単に「電子署名」という。)により、厳格な本人確認を行う必要があることから、令和二年四月三日に、その旨を総務省から各都道府県に対して通知し、各市区町村に周知したところである。
 また、渋谷区に対しては、御指摘の「LINEによる住民票請求」の提供を開始する前後において、同趣旨について直接説明を行い、理解を求めてきたところである。
 当該通知は地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百四十五条の四第一項に基づく技術的助言であり、渋谷区においては、法律上これに従うべき義務を負うものではないが、住民基本台帳法第三条第一項及び第十二条第三項並びに総務省関係法令に係る情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律施行規則(平成十五年総務省令第四十八号。以下「主務省令」という。)第四条第二項の規定に基づいた適正な事務を行う必要があるものと考えている。

一の3について

 お尋ねについては、仮定の質問であり、お答えすることは差し控えたい。

二について

 地方自治法第二百四十五条の四第一項に規定する技術的助言は、各大臣又は都道府県知事その他の都道府県の執行機関が、普通地方公共団体に対し、普通地方公共団体の事務の運営その他の事項について適切と認める客観的に妥当性のある行為又は措置を実施するように促したり、又はそれを実施するために必要な事項を示したりするものであり、これを受けた普通地方公共団体が、法律上これに従うべき義務を負うものではない。
 御指摘の通知は、同項に基づく技術的助言であることから、市区町村においては、法律上これに従うべき義務を負うものではないが、住民基本台帳法第三条第一項及び第十二条第三項並びに主務省令第四条第二項の規定に基づいた適正な事務を行う必要があるものと考えている。

三及び四の3について

 お尋ねの「LINEによる住民票請求」については、個別の民間事業者が提供するサービスによるものであり、御指摘のように住民票の写しの「送付先は住民票記載の住所に限られ」ていることをもって、その個人情報の漏えいの可能性の有無について、政府としてお答えすることは困難である。
 なお、御指摘の解釈は、オンラインによる住民票の写しの交付請求を受け付ける場合には、なりすまし等不当な手段による交付請求が行われることを防止する観点から、電子署名により、厳格な本人確認を行う必要がある旨を示したものである。

四の1について

 お尋ねの郵送による交付請求における「個人情報が漏えいした事例」及び「取得類型別の詳細件数」については、いずれも、政府として網羅的に把握しておらず、お答えすることは困難である。

四の2について

 お尋ねの「LINEによる住民票請求」については、個別の民間事業者が提供するサービスによるものであるため、郵送による場合と比べた「改ざん、なりすましの可能性」についてお答えすることは差し控えたいが、いずれにしても、オンラインによる住民票の写しの交付請求については、電子署名により、厳格な本人確認を行っているところであり、電子署名によらずに、御指摘の「本人確認書類の顔写真との照合を行う」ことで十分な本人確認がなされたとはいえないと考えている。

五の1について

 お尋ねの「eKYC」が具体的に何を指すのか必ずしも明らかではないが、「未来投資戦略二〇一七」(平成二十九年六月九日閣議決定)において「FinTechに対応した効率的な本人確認の方法について検討を進める」こととされたことから、平成三十年十一月に犯罪による収益の移転防止に関する法律施行規則(平成二十年内閣府、総務省、法務省、財務省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省令第一号)を改正し、顧客等の容貌の画像情報等を活用したオンラインで完結する本人特定事項の確認方法を新設したところである。

五の2について

 個別の民間事業者が提供するサービスについて、政府として見解を述べることは差し控えたいが、住民基本台帳法に基づく住民票の写しの交付請求については、何人でも住民票の写し等の交付を請求できるという従前の交付制度を見直し、個人情報保護に十分留意した制度として再構築することとして、平成十九年に同法を改正しており、改正後の同法第十二条第三項の規定により、住民票の写し等の交付を請求する場合においては、当該請求の任に当たっている者が本人であることを明らかにしなければならないこととされているものである。
 また、オンラインによる住民票の写しの交付請求を受け付ける場合には、電子署名により、厳格な本人確認を行う必要があるものである。

五の3について

 各種制度における本人確認の在り方については、当該制度の趣旨、運用等を踏まえて判断されるものと考えている。

六の1について

 御指摘の通知は、オンラインによる住民票の写しの交付請求の取扱いについて、市町村からの問合せがなされたこと等を踏まえ、住民基本台帳法及び主務省令の規定に基づきオンラインによる住民票の写しの交付請求を受け付ける場合には、画像の改ざんやなりすましの防止といった観点から電子署名により厳格な本人確認を行う必要があること等について、各都道府県に対して通知し、各市区町村に周知することとしたものである。

六の2について

 御指摘の本人確認については、地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第二十条の十において「地方団体の徴収金の納付又は納入すべき額その他地方団体の徴収金に関する事項・・・についての証明書の交付を請求する者があるときは、その者に関するものに限り、これを交付しなければならない」と規定されており、同条に基づき、各地方団体において適切に対応すべきものと考えている。

六の3について

 各種制度における交付請求の際の本人確認の在り方については、当該制度の趣旨、運用等を踏まえて判断されるものと考えている。

七について

 オンラインによる住民票の写しの交付請求については、令和二年四月三日に総務省から各都道府県に対して通知した内容に沿ったものであれば法律上の問題は生じないものと考えているが、お尋ねについては、御指摘の「発表」及び「想定」について具体的な内容が判然としないため、政府としてお答えすることは差し控えたい。

八の1について

 お尋ねの「何らかの対応」の意味するところが必ずしも明らかではないが、政府においては、平成三十一年二月に、オンラインでの本人確認に対する考え方及び手法をまとめた「行政手続におけるオンラインによる本人確認の手法に関するガイドライン」(平成三十一年二月二十五日各府省情報化統括責任者(CIO)連絡会議決定)を定めており、関係者への周知等を図っているところである。

八の2について

 御指摘の「市川市におけるLINEによる住民票請求」については、市川市からは電子署名によらずにオンラインにより住民票の写しを交付請求する手法であると聞いていることから、総務省において、渋谷区と同様に、従前より理解を求めてきたところである。

九について

 渋谷区のオンラインによる住民票の写しの交付請求を受け付ける手法は、住民基本台帳法及び主務省令上、求められている本人確認を行ったものとはいえないことから問題があると考えており、同法第三十一条第一項の規定に基づく必要な指導は、御指摘の「国による地方への過剰な介入」には当たらないものと考えている。

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