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令和五年四月十八日受領
答弁第四九号

  内閣衆質二一一第四九号
  令和五年四月十八日
内閣総理大臣 岸田文雄

       衆議院議長 細田博之 殿

衆議院議員原口一博君提出有明海等の再生対策における海域環境の調査等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員原口一博君提出有明海等の再生対策における海域環境の調査等に関する質問に対する答弁書


一について

 お尋ねの「発言に至った根拠(水産資源の種類ごとに漁獲高の推移、事実の確認など)」については、令和四年十二月七日付けの佐賀県有明海漁業協同組合、福岡有明海漁業協同組合連合会、熊本県漁業協同組合連合会及び長崎県漁業協同組合連合会で構成される有明海再生会議から農林水産大臣宛ての「有明海・八代海の再生事業にかかる要望書」において「一部の漁場ではアサリ、タイラギ等の二枚貝類に復活の兆しが見え」るとされるなど、有明海の一部の漁場において、アサリ、タイラギ等の二枚貝類に回復の兆しが見られる旨の漁業者からの声を踏まえたものである。
 具体的には、例えば、アサリについては、農林水産省が有明海沿岸各県に委託して実施した調査の結果によれば、令和四年度秋季の浮遊幼生は、対前年度比で二倍以上の約六万六千個体となり、平成二十七年度から令和三年度までの平均より多く出現したと承知しているところである。また、タイラギについては、九州農政局が公表している「有明海再生の取組(令和四年六月)」において、「令和三年度は、・・・前年度の約二・六倍となる約二十二万五千個体の着底稚貝を生産」したとしているところである。
 また、お尋ねの「発言を行った趣旨・理由」については、「有明海の再生を願う皆様へ」(令和五年三月二日農林水産大臣談話。以下「談話」という。)において、「道半ばにある回復の兆しを持続へと発展させ、一刻も早く、国民的資産である有明海を豊かな海として再生させるとともに、未来の成長へとつなげるため、全力を挙げ」るとの考えを示しており、この「回復の兆し」の例示として先に述べた漁業者からの声を踏まえて、有明海の水産資源についての農林水産省の認識を述べたものである。

二について

 御指摘の「当該調査の必要性」については、有明海の再生の早期の実現に寄与するため、多様な関係者の参画を得て、最新の科学的知見を集約しつつ調査を進める必要があると考えたものである。現在その具体的な内容等について政府内で調整中であり、その余のお尋ねにお答えすることは困難である。

三について

 お尋ねの「開門調査の検討及び実施の必要性」については、諫早湾干拓事業に関する平成二十二年十二月六日の福岡高等裁判所の判決が確定し、国が潮受堤防の排水門を開放すべき義務を負うこととなった後、国は、職員による三百回以上の戸別訪問により関係者の理解と協力を得られるよう努めるとともに、三回にわたり開門するために必要となる事前対策に係る工事に着手するよう試みるなど、当該義務の履行に向けて最大限の努力を重ねてきたものの、地元関係者の理解と協力が得られず、御指摘の「開門調査」を実施することは事実上不可能な状況にあり、また、その後、積み重ねられた司法判断は、開門しないことを是認するものであり、これらの状況を踏まえて対応していく必要があると考えている。
 有明海等の再生については、重要な政策課題であると認識しており、これまでも農林水産省及び有明海沿岸各県が協調し海域環境の調査を行うとともに、魚介類等の増養殖や漁場改善を推進してきたところである。引き続き、これらの取組を進めるとともに、談話において述べているとおり、「開門を求める方々が、裁判ではなく、話し合いにより有明海再生を図っていく・・・方向性に賛同していただけるのであれば、・・・関係者が、有明海再生の加速化を図るため合意し、協働して実施する各種方策を後押しするため、可能な範囲で、関係者の御意見を踏まえつつ、必要な支援を講じて」まいりたい。

四について

 談話において述べているとおり、「有明海の再生は、開門、開門反対の立場にかかわらず、早期の実現を願う思いは同じ」と考えており、お尋ねの「政府の今後の具体的な対応策等」については、関係者の声を聞きながら、引き続き検討してまいりたい。

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