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答弁本文情報

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令和五年五月十二日受領
答弁第五七号

  内閣衆質二一一第五七号
  令和五年五月十二日
内閣総理大臣 岸田文雄

       衆議院議長 細田博之 殿

衆議院議員早稲田ゆき君提出国民の利便性の向上のための行政サービスのDXに関する再質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員早稲田ゆき君提出国民の利便性の向上のための行政サービスのDXに関する再質問に対する答弁書


一の1について

 御指摘の「eMAFF及びeMLITがe−Govと同じシステムである」の意味するところが必ずしも明らかではないが、農林水産省共通申請サービス(以下「eMAFF」という。)及び国土交通省手続業務一貫処理システム(以下「eMLIT」という。)については、デジタル庁による統括・監理の下、e−Govとの関係も含め、システムの特性を踏まえて必要な機能の整理等を行っており、eMAFFについては、農業者等が行う申請に農地に関係したものが多いという特徴を踏まえ、農地の地番と正確に対応した位置情報、面積、所有者等の情報を搭載した農地の地図等、農林水産省が所管する行政手続に係る事業者や行政職員等の負担を大幅に軽減するために必要な情報を常に参照することができるようにしておく等の必要があると認められること、eMLITについては、国土交通省が所管する行政手続の特性を踏まえ、例えば、申請時に地図情報を参照することができるようにすることにより、当該地図情報上において、容易に当該申請の対象となる施設等や当該申請を受け付ける地方支分部局を指定することができるようにしておく等の必要があると認められることから、e−Govとは別に、それぞれ整備することとしているものである。また、eMAFF及びeMLITについては、「デジタル社会の実現に向けた重点計画」(令和四年六月七日閣議決定。以下「重点計画」という。)等を踏まえ、予算要求及び予算執行の段階におけるレビューを行い、当該レビューのプロセスを通じて必要な検討や対応を行った上で、予算要求等を行っているものであり、「不明瞭な状況で・・・予算を要求して決定している」との御指摘は当たらず、先の答弁書(令和五年四月七日内閣衆質二一一第四一号。以下「前回答弁書」という。)の内容が「事実と異なる」とは考えていない。

一の2について

 一の1についてでお答えしたとおり、eMAFF及びeMLITについては、デジタル庁による統括・監理の下、必要な機能の整理等を行っており、e−Govとは別に、それぞれ整備することとしているものであり、また、予算要求等の段階におけるレビューのプロセスを通じて必要な検討や対応を行った上で、予算要求等を行っているものであることから、「eMAFF及びeMLITが惰性的に整備されている」との御指摘は当たらない。
 なお、御指摘の「一般的に、システムの整備は億単位の税金がかかることから、デジタル庁でシステムを整備して、かつ一元化すべき」について、「デジタル・ガバメント実行計画」(令和二年十二月二十五日閣議決定)は、「デジタル社会の形成に関する重点計画・情報システム整備計画・官民データ活用推進基本計画について」(令和三年十二月二十四日閣議決定)により廃止されているところであるが、いずれにしても、政府としては、重点計画等を踏まえ、同庁は各府省が共通で利用するシステム等を整備し、それ以外のシステムについては各府省において整備を行うことを基本としている。

二の1について

 行政機関の保有する情報の公開に関する法律(平成十一年法律第四十二号)に基づく行政文書の開示請求(以下「開示請求」という。)のオンライン化については、重点計画も踏まえ、e−Govの活用も含めて検討しているところであるが、オンライン化を円滑に実施するためには、開示請求に係る一連の業務を処理する各行政機関において、当該業務のプロセス全体の効率化にも留意しつつ、当該業務の実情等も踏まえ、オンライン化の実施時期及び実施方法について検討していく必要があると考えており、現時点では、お尋ねについてお答えすることは困難である。

二の2について

 前回答弁書二については、開示請求のオンライン化について、直近の政府の方針を定めた「規制改革実施計画」(令和四年六月七日閣議決定)等を踏まえて検討している旨を述べたものであるが、その際、令和五年三月に「e−Gov審査支援サービス」の運用を開始したことも踏まえているところである。

三の前段について

 e−Gov及びマイナポータルについては、前回答弁書三についてでお答えしたとおり、令和四年度から令和五年度にかけて両システムの機能の調査及び分析を行うこととしており、当該調査及び分析の結果も踏まえつつ、両システムの間で重複する機能について適切な在り方を検討する考えであり、現時点では、両システムの今後の在り方については決まっておらず、お尋ねについてお答えすることは困難である。

三の後段について

 eMAFF及びeMLITについては、一の1についてでお答えしたとおり、デジタル庁による統括・監理の下、e−Govとの関係も含め、システムの特性を踏まえて必要な機能の整理等を行っており、e−Govとは別に、それぞれ整備することとしているものであることから、現時点では、eMAFF及びeMLITをe−Govに統合することは考えていない。

四の1について

 eMAFFについては、農林水産省が所管する行政手続のオンライン化を推進し、当該行政手続に係る事業者や行政職員等の負担を大幅に軽減するとともに、同省の政策を迅速かつ効率的に実施すること等を目的に、申請時及び審査時に農地の地図等を参照することができるよう設計する等により、農林水産行政に対応したシステムとして、整備することとしているものであり、整備等に要する費用について、御指摘の「一人当たり」の金額により、機能が異なる他のシステムと単純な比較を行うことは適当ではないと考えている。

四の2について

 eMAFFについては、デジタル庁による統括・監理の下、e−Govとの関係も含め、システムの特性を踏まえて必要な機能の整理等を行っており、農林水産省が所管する行政手続のオンライン化を推進し、当該行政手続に係る事業者や行政職員等の負担を大幅に軽減するとともに、同省の政策を迅速かつ効率的に実施すること等を目的に、申請時及び審査時に農地の地図等を参照することができるよう設計する等により、農林水産行政に対応したシステムとして、e−Govとは別に、整備することとしているものであり、また、重点計画等を踏まえ、予算要求及び予算執行の段階におけるレビューを行い、当該レビューのプロセスを通じて必要な検討や対応を行った上で、予算要求等を行っているものであり、整備等に要する費用について、御指摘のように「税金の無駄」とは考えておらず、現時点では、e−Govに一元化することも考えていない。

四の3について

 お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、政府情報システムの整備に当たっては、法制度等の内容を踏まえて必要なシステム要件を整理した上で、システムの機能の整理を行うとともに、共通機能の活用の徹底を図ることにより、機能の重複の排除を進めているところ、eMAFFについては、農業者等が行う申請に農地に関係したものが多いという特徴を踏まえ、農地の地番と正確に対応した位置情報、面積、所有者等の情報を搭載した農地の地図等、農林水産省が所管する行政手続に係る事業者や行政職員等の負担を大幅に軽減するために必要な情報を常に参照することができるようにしておく等の必要があり、また、eMLITについては、国土交通省が所管する行政手続の特性を踏まえ、例えば、申請時に地図情報を参照することができるようにすることにより、当該地図情報上において、容易に当該申請の対象となる施設等や当該申請を受け付ける地方支分部局を指定することができるようにしておく等の必要があり、前回答弁書においては、これらのシステムの特性を踏まえ、両システムの整備に当たって、必要な機能の整理等を行っている旨をお答えしたところである。

四の4について

 お尋ねの「このようなシステムの特性として、例えば特定の企業のシステムに固執する発注を行っているならば、eMAFF及びeMLITは一般競争というより官製談合を行っている疑いもあり」の意味するところが必ずしも明らかではないが、いずれにせよ、公正取引委員会では、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和二十二年法律第五十四号。以下「独占禁止法」という。)に違反する事実が認められた場合には厳正に対処するとともに、入札談合等関与行為の排除及び防止並びに職員による入札等の公正を害すべき行為の処罰に関する法律(平成十四年法律第百一号。以下「入札談合等関与行為防止法」という。)第二条第五項に規定する入札談合等関与行為が認められた場合には、入札談合等関与行為防止法の規定に基づき、各省各庁の長等に対して改善措置要求を行ってきている。
 政府としては、今後とも、独占禁止法及び入札談合等関与行為防止法を適切に運用してまいりたい。

五について

 eMLITについては、デジタル庁による統括・監理の下、e−Govとの関係も含め、システムの特性を踏まえて必要な機能の整理等を行っており、国土交通省が所管する行政手続の特性を踏まえ、国民の利便性の向上や行政の業務の効率化等が図られるよう、例えば、申請時に地図情報を参照することができるようにすることにより、当該地図情報上において、容易に当該申請の対象となる施設等や当該申請を受け付ける地方支分部局を指定することができるよう設計する等により、e−Govとは別に、整備することとしているものであり、現時点では、廃止することは考えていない。
 また、これまでにも、e−Govの活用によりオンライン化が可能な行政手続については、e−Govにより対応してきており、引き続き、行政手続の特性を踏まえ、e−GovとeMLITとの間で適切な役割分担を図ってまいりたい。

六について

 お尋ねの「紙の資格確認書は中止し、紙の健康保険証と紙の限度額適用認定証を暫定的に存続させ・・・マイナンバーカードに一元化していくことが単純明快で、三者に対する混乱も負担も少なくなる」の意味するところが必ずしも明らかではないが、個人番号カードと健康保険証の一体化(以下「一体化」という。)については、患者は本人の健康や医療に関するデータに基づいたより適切な医療を受けることが可能となるなど、様々なメリットがあることを踏まえ、その取組を加速し、令和六年秋に健康保険証を廃止することを目指すこととした。健康保険証を廃止した後の被保険者等の資格確認の取扱いについては、令和五年二月十七日に公表された「マイナンバーカードと健康保険証の一体化に関する検討会」(以下「検討会」という。)の「中間とりまとめ」において、「マイナンバーカードによるオンライン資格確認を基本」とし、「マイナンバーカードによりオンライン資格確認を受けることができない状況にある方」については、「資格確認書(基本は紙)により被保険者資格を確認すること」とされたことを踏まえ、全ての被保険者等が必要な保険給付を受けることができるよう、健康保険法(大正十一年法律第七十号)等の医療保険各法において、個人番号カードにより電子資格確認(健康保険法第三条第十三項に規定する電子資格確認をいう。)を受けることができない状況にある被保険者等について、当該被保険者等からの求めに応じて「資格確認書」を交付するなど、所要の措置を講ずることを目指すこととしている。その上で、健康保険証の廃止に伴う限度額適用認定証の取扱いについては、検討会における議論を踏まえつつ、保険者等の意見も聴取しながら、患者、保険者及び保険医療機関等(以下「患者等」という。)にとって分かりやすく、かつ、患者等の事務手続等の負担を軽減することができるような方策について、検討してまいりたい。

七について

 一体化については、御指摘の高額療養費制度におけるものも含め、様々なメリットがあるため、その周知・広報においては、利用者に必要な情報を分かりやすく提供することができるよう、周知・広報に利用する媒体の性質や利用される場面等に応じて、その内容を作成している。したがって、「厚生労働省及びデジタル庁が高額療養費の支払いを減らし、国民の負担を増やそうと意図的に広報を控えている」との御指摘は当たらない。
 また、政府広報における御指摘の「ChatGPT」の活用については、現在、政府全体で「ChatGPT」等のいわゆる生成AIに関する検討を進めているところである。いずれにしても、一体化のメリットについて「利用者(患者)の視点」に立った分かりやすい情報提供ができるよう、御指摘の「具体的」な「金額」及び「グラフ等」の活用も含め、必要な周知・広報を行ってまいりたい。

八について

 お尋ねのeMAFF及びeMLITについては、三の後段について、四の2について及び五についてでお答えしたとおり、現時点では、e−Govに一元化すること及び廃止することは考えていない。

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