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答弁本文情報

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令和五年六月三十日受領
答弁第一五六号

  内閣衆質二一一第一五六号
  令和五年六月三十日
内閣総理大臣 岸田文雄

       衆議院議長 細田博之 殿

衆議院議員玉木雄一郎君提出岸田内閣におけるスタートアップ支援策に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員玉木雄一郎君提出岸田内閣におけるスタートアップ支援策に関する質問に対する答弁書


一について

 国税庁においては、信託型ストックオプション(発行会社の役員等に付与することを約して、発行会社が信託会社等に発行する新株予約権をいう。以下同じ。)について、その実質は、発行会社が役員等に付与するものであることから、その行使により役員等に生ずる経済的利益について、納税者から個別の照会があった場合には、従来から、所得税法(昭和四十年法律第三十三号)第二十八条に規定する給与等(以下「給与等」という。)の収入金額に該当する旨の回答をしてきたところである。
 こうした中、一部の信託会社において、同庁の見解と異なる主張が行われていたことから、同庁の見解を広く周知するため、令和五年五月三十日に「ストックオプションに対する課税(Q&A)」を公表したところである。

二について

 お尋ねの「信託型ストックオプションの課税に関する照会記録」については、国税庁において、納税者からの個別の照会の内容及び当該照会に対する回答が記載された行政文書が保存されている。
 また、お尋ねの「給与所得課税である旨を回答していたこと」の記録については、個別・具体的な事柄を含むものであることから、その詳細についての答弁は差し控えたいが、納税者から国税局に対して、役員等が信託型ストックオプションを行使したことによる所得税の課税関係は生じないと解してよいかとの照会があり、当該照会に対して、役員等がその行使をした日における給与等の収入金額として所得税の課税関係が生じる旨の回答を行っているところである。

三について

 「会社の事業経営や従業員の生活に重大な悪影響を生じさせる」及び「スタートアップ振興と逆行する」との御指摘については、国税庁においては、信託型ストックオプションに対する課税の取扱いの公表を受けて、租税特別措置法(昭和三十二年法律第二十六号)第二十九条の二の特例(以下「税制適格ストックオプションの特例」という。)の取扱いについて、一定の要件を満たす信託型ストックオプションは同条第一項に規定する特定新株予約権に該当することを明らかにするとともに、「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画二〇二三改訂版」(令和五年六月十六日閣議決定)を踏まえ、同項第三号の新株予約権に係る契約の締結の時における一株当たりの価額の算定方法を示すこととしているなど、御指摘の「スタートアップ」による税制適格ストックオプションの特例の活用を推進するための環境整備を行っている。また、役員等により信託型ストックオプションが行使され、所得税の課税関係が生じた発行会社から源泉所得税の一括納付が困難との相談があった場合には、個々の実情に即しつつ、法令等の規定に基づき、適切に対応することとしているところである。
 また、御指摘の「わが国の税務行政の透明性や予測可能性」については、一についてで述べたとおり、国税庁においては、信託型ストックオプションの行使により役員等に生ずる経済的利益について、納税者から個別の照会があった場合には、従来から給与等の収入金額に該当する旨の回答をしてきたほか、「ストックオプションに対する課税(Q&A)」を公表したところであり、御指摘の「国内外の投資家やスタートアップ企業の信頼」を損なうことのないよう、引き続き、適切な対応を行ってまいりたい。

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