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答弁本文情報

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令和五年十二月二十二日受領
答弁第一三三号

  内閣衆質二一二第一三三号
  令和五年十二月二十二日
内閣総理大臣 岸田文雄

       衆議院議長 額賀福志郎 殿

衆議院議員宮本徹君提出米軍横田基地所属のCV二二オスプレイの屋久島沖墜落事故とオスプレイの運用等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員宮本徹君提出米軍横田基地所属のCV二二オスプレイの屋久島沖墜落事故とオスプレイの運用等に関する質問に対する答弁書


一の1について

 令和五年十一月二十九日に屋久島沖で発生したティルト・ローター機CV−二二(以下「CV−二二」という。)の墜落事故(以下「本件事故」という。)を受け、政府としては、同月三十日、米側に対し、国内に配備されたオスプレイについて、捜索救助活動を除き、飛行に係る安全が確認されてから飛行を行うよう要請したところである。
 これを受け、同年十二月一日、米側から、CV−二二の飛行は現在行っていない旨の説明を受けたところである。その後、同月六日(米国東部時間)、米側は、オスプレイを保有する全ての軍種において、その運用を停止する旨発表したと承知しており、現在、政府として、米側に対して、同月七日(日本時間)に公表された、米軍オスプレイの運用停止に関する米側の発表内容の詳細や本件事故の状況について情報提供を求めているところである。

一の2について

 一の1についてで述べたとおり、現在、政府として、米側に対して、令和五年十二月七日(日本時間)に公表された、米軍オスプレイの運用停止に関する米側の発表内容の詳細や本件事故の状況について情報提供を求めているところであり、お尋ねの「事故の状況が明らかとなるまで」とは、米側から提供される情報を含む様々な情報を基に、政府として、本件事故に係る状況を把握した時点を指す。

一の3の(イ)について

 本件事故の原因については、米側において調査しているところであるが、政府としては、米側に対し、原因究明と日本側への情報提供を求めており、引き続き、米側と緊密に連携しながら適切に対応していく考えである。

一の3の(ロ)について

 令和五年十二月六日(米国東部時間)、米側は、本件事故に関し、根本的な原因は現時点で不明である旨発表したと承知している。

一の3の(ハ)について

 お尋ねの「墜落したオスプレイと関係空港管制との事故に至るまでの交信状況・内容」については、現在、米側において調査中であり、また、米軍の運用に関わることであることから、お答えすることは差し控えたい。

一の3の(ニ)について

 お尋ねの「原因究明を行うことなく」の意味するところが必ずしも明らかではないが、海上保安庁では、本件事故で墜落したCV−二二の一部と思われる残骸等について、米軍からの要請を受けて、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定についての合意された議事録(昭和三十五年外務省告示第五十二号)第十七条10(a)及び(b)に関する規定2を踏まえて、米軍の財産であることを確認した上で、米軍に引き渡している。

一の4について

 御指摘の「定期訓練」が具体的に何を指すのか必ずしも明らかではないが、政府としては、本件事故の状況について米側に確認中であり、現時点において、お尋ねについてお答えすることは困難である。

一の5について

 御指摘の「十一月三十日夜の記者会見」が具体的に何を指すのか必ずしも明らかではないが、お尋ねの宮澤防衛副大臣(当時)の発言は、本件事故が発生した当日である令和五年十一月二十九日において、米側から、本件事故は不時着水であるとの説明を受けたこと、また、不時着水とは、コントロールを失わずにパイロットの意思で着水したものとしてこれまでも用いていることを踏まえたものである。

一の6について

 ティルト・ローター機MV−二二(以下「MV−二二」という。)については、平成十七年に米国政府がその安全性及び信頼性を確認した上で、量産が開始されたものであり、平成二十四年九月十九日の「日本国における新たな航空機(MV−二二)に関する日米合同委員会合意」等を総合的に勘案し、我が国におけるMV−二二の運用について、その安全性を確認している。
 また、平成二十六年に我が国も輸送ティルト・ローター機V−二二(以下「V−二二」という。)を導入することを決定したが、その検討過程のみならず、導入が決定された後においても、各種技術情報を収集・分析するとともに、陸上自衛隊員が、実際に機体の操縦及び整備を行い、V−二二が安全な機体であることを改めて確認している。
 さらに、政府としては、CV−二二がMV−二二と同じ推進システムを有し、構造は基本的に共通していると承知しており、また、米国政府が我が国におけるCV−二二の運用に際してMV−二二の運用と同様に安全を徹底することも確認しており、我が国におけるCV−二二の運用の安全性は、MV−二二と同様に確保されるものと考えている。
 いずれにせよ、政府としては、航空機の飛行に際しては、安全の確保が大前提であり、本件事故も踏まえ、飛行の安全確保について、引き続き、米側と緊密に連携しながら適切に対応していく考えである。
 その上で、オスプレイの我が国への配備については、在日米軍全体の抑止力を強化するものであるとともに、これによって、日米同盟の抑止力及び対処力を向上させ、我が国のみならずインド太平洋地域の平和と安定に資するものであると考えており、米側に対して、これらの撤去を求める考えはない。
 また、陸上自衛隊のV−二二については、喫緊の課題である島嶼防衛に係る能力の構築のため、導入が必要であると考えており、これを撤去する考えはない。

一の7について

 CV−二二の横田飛行場への配備について、米国政府からは、令和六年頃までに計十機を配備する予定であると説明を受けており、現時点において六機が配備されているものと承知しているが、これ以上の詳細については承知していない。
 政府としては、高い性能を有するCV−二二が我が国に配備されることは、日米同盟の抑止力及び対処力を向上させ、我が国の防衛及びインド太平洋地域の安定に資すると考えており、また、我が国において首都直下地震や南海トラフ地震等の大規模災害が発生した場合にも、CV−二二により迅速かつ広範囲にわたって、人道支援・災害救援活動を行うことができると考えており、米国政府に対して、御指摘の「十機への増強」の「中止」を求めることは考えていない。

二の1について

 お尋ねについては、政府として承知していない。

二の2について

 御指摘の「一般に航空機の事故率は飛行時間の増加に伴い低減するものであり、CV二二についても、今後、この数値は低減していく見込み」との説明については、一般論としての当時の認識を説明したものであり、御指摘のように「訂正すべき」であるとは考えていない。

二の3の(イ)について

 お尋ねの「墜落事故のように市街地・住宅地でひとたび起きれば深刻かつ重大な事故を生じさせるような事故についてはそれを適切に示す指標」の意味するところが明らかではなく、また、御指摘の「事故率」については米側において定めた指標に基づいて米側が算定しているものであり、政府としてお答えする立場にない。

二の3の(ロ)について

 御指摘の「他の主要な軍用機」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、政府として、軍用機の墜落事故について必ずしも網羅的に把握しているわけではなく、お答えすることは困難である。
 また、一般に軍用機はその機種によって運用要領等が異なることから、御指摘の「飛行時間あたりの墜落事故の件数」について、一概に比較することは困難であり、政府として「調査すべき」であるとは考えていない。

三の1について

 現在、政府として、米側に対して御指摘の「ハード・クラッチ・エンゲージメント」の発生の根本的な原因について、情報提供を求めているところである。

三の2について

 御指摘の「調査報告書」においては、「PMA275に対して、装備品製造会社と協力して、意図しないクラッチの離脱及びハード・クラッチ・エンゲージメントの発生を緩和する新しいプロップローター・ギアボックス・インプット・クイル・アッセンブリの設計及び製造を推奨する」、「PMA275に対して、装備品製造会社と協力して、MV−二二Bのドライブトレインとフライト・コントロール・システムのソフトウェア、ドライブトレイン構成品の強度及び検査要件の改善を推奨する」及び「PMA275に対して、装備品製造会社と協力して、耐衝撃性、耐熱性、耐火性が強化されたフライト・データ・レコーダーの、全てのMV−二二Bへの搭載を推奨する」(仮訳)としていると承知しているが、これらの内容は将来的な措置であり、米側において引き続き取り組むものであることを米側に確認している。
 また、「調査報告書」においては、「米海兵隊MV−二二Bの部隊に対して、当該事故についてパイロットと乗組員に対して説明し、ハード・クラッチ・エンゲージメントの危険性とそれがシングルエンジン及びTCDSの故障を伴う複合的な緊急事態を引き起こす可能性について議論することを推奨する」(仮訳)としているが、このことについては、米側において、「調査報告書」の公表後速やかに実施されたものと承知している。

三の3について

 令和四年六月に米国カリフォルニア州で発生したMV−二二の墜落事故については、両方のエンジンにおいて御指摘の「ハード・クラッチ・エンゲージメント」が発生することにより、一方のエンジンから他方のローターへ動力を伝達する系統が故障するなど、従前に確立された手順では安全の確保が難しかった極めてまれな事例であったと認識している。
 その上で、当該事故の原因となった「ハード・クラッチ・エンゲージメント」については、既に事故の発生を抑制するための部品交換の措置が講じられており、引き続き御指摘の「安全に運用できる手順」や「教育・訓練」を含め重層的に対策を講じていくことが重要であると認識している。

三の4について

 お尋ねの事故の原因については、現在、米側において調査中であると承知している。

三の5について

 お尋ねの事案については、現在においても、米側において調査中であると承知している。

四について

 お尋ねの「緊急着陸(予防着陸)」について政府として網羅的に把握しているわけではないが、現時点で政府として確認している範囲で、MV−二二及びCV−二二の予防着陸又は緊急着陸として米側から説明を受けた事案の@発生日、A着陸場所、B機体の所属及びC概要をお示しすると次のとおりである。また、予防着陸又は緊急着陸の理由は、全ての事案において、警告灯が表示したためとの説明を受けている。
 @平成二十九年六月六日 A伊江島補助飛行場 B普天間飛行場 C予防着陸
 @同月十日 A奄美空港 B普天間飛行場 C予防着陸
 @同年八月二十九日 A大分空港 B普天間飛行場 C緊急着陸
 @同年九月二十九日 A新石垣空港 B普天間飛行場 C予防着陸
 @平成三十年四月二十五日 A奄美空港 B普天間飛行場 C予防着陸
 @同年六月四日 A奄美空港 B嘉手納飛行場 C予防着陸
 @同年八月十四日 A奄美空港 B普天間飛行場 C予防着陸
 @同年十月二十五日 A奄美空港 B普天間飛行場 C予防着陸
 @平成三十一年三月二十七日 A沖永良部空港 B普天間飛行場 C予防着陸
 @同年四月一日 A大阪国際(伊丹)空港 B普天間飛行場 C予防着陸
 @令和二年二月十日 A仙台空港 B普天間飛行場 C予防着陸
 @令和三年四月十四日 A徳之島空港 B普天間飛行場 C予防着陸
 @同年六月十四日 A山形空港 B横田飛行場 C予防着陸
 @同年九月二十二日 A仙台空港 B横田飛行場 C予防着陸
 @同年十二月一日 A海上自衛隊館山航空基地 B横田飛行場 C予防着陸
 @令和四年三月二十九日 A新石垣空港 B普天間飛行場 C予防着陸
 @同年七月七日 A奄美空港 B普天間飛行場 C予防着陸
 @同年十月二十日 A南紀白浜空港 B横田飛行場 C予防着陸
 @同年十一月十七日 A与論空港 B普天間飛行場 C予防着陸
 @令和五年九月十四日 A奄美空港 B普天間飛行場 C予防着陸
 @同日 A新石垣空港 B普天間飛行場 C予防着陸
 @同月十六日 A大分空港 B普天間飛行場 C予防着陸
 @同月二十一日 A奄美空港 B普天間飛行場 C予防着陸
 @同年十月十九日 A徳之島空港 B普天間飛行場 C予防着陸
 これらの事案に関し、政府としては、必要に応じ、防衛省の職員を現地に派遣して情報収集を行い、関係地方公共団体に情報提供するとともに、米側に対し、原因究明、再発防止及び安全管理の徹底を求めたところである。
 これらの事案において米側がとった主な対応は、現時点で政府として確認している範囲でお示しすると次のとおりである。
 (一)平成二十九年八月二十九日の大分空港における緊急着陸
 当該機体の徹底的な点検及び整備を実施し、エンジンを交換し、同機体の安全を確認した。
 (二)その他の事案
 当該機体の徹底的な点検及び整備を実施し、同機体の安全を確認した。
 また、令和五年八月三十一日、陸上自衛隊輸送航空隊所属のV−二二が、ギアの摩耗のため、航空自衛隊静浜基地に予防着陸し、その対応としてギアボックスの交換を行ったところである。

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