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昭和六十二年五月十四日提出
質問第三八号

 第一学習社の労使紛争に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和六十二年五月十四日

提出者  永井孝信

          衆議院議長 原 健三郎 殿




第一学習社の労使紛争に関する質問主意書


 広島県広島市中区西島町一七番三号に本社を置く株式会社第一学習社における労使紛争及び最高裁判決の不服従に対する同社の社会的責任について質問する。

一 昭和四十八年九月の第一学習社労働組合の結成以来、同労組をつぶすことを目的として、会社によりさまざまな不当労働行為がなされ、十三年余が経過しているが、紛争は今日に至るも解決することなく、拡大していると聞く。この紛争の原因、経過、現状を政府はどうとらえているのか明らかにしていただきたい。
二 本件紛争によつて発生した労働組合法違反、労働基準法違反、人権侵害などの事実について、労働委員会、裁判所、人権擁護委員会などに申立・申請・申告したと言われているが、その件数と内容及び命令、判決などの状況について明らかにしていただきたい。
三 昨年三月七日、最高裁判所が、労組委員長高瀬均、副委員長小林和俊両氏の懲戒解雇事件について、「不当労働行為意思による解雇が無効である。」と判決を示したと聞くが、それに対して会社側はどのような態度をとつているのか明らかにしていただきたい。
  また、その後、総評を議長とする中央支援共闘会議と会社側との聞で解決交渉が開催されたと聞く。それによると、労使双方は、高瀬、小林両氏の原職復帰を含め、紛争の全面解決に向かつて条件整備に全力をあげるということで合意し、交渉が重ねられたのであるが、八月に至つて突如として会社側は「両名を職場にはかえしません」と回答し、交渉は決裂をしてしまつたということである。
  この会社側の態度は、最高裁判決によつて確定した原審(広島高裁判決)で、「会社の本件解雇は、両名の『組合の正当な行為を理由とし、被控訴人らを解雇により企業外に排除することによつて、第一組合を弱体化しようとし、組合の運営を支配し、これに介入したもので……不当労働行為として無効』である」とした認定を無視し、「企業外への排除」、「組合運営への支配・介入」を引き続き行つているが、政府、法務省は行政責任をどう果たすのか説明していただきたい。
  同時に最高裁判決をすら守らない企業主の社会的責任について、政府の考え方を説明していただきたい。
四 第一学習社は高等学校教科書出版社で、一九八七年度の教科書採択部数は三一一万冊で業界第三位の大手企業である。教科書は、次代を担う青少年が民主国家の主人公として正義を守る社会人となるために使われる重要な教科用図書であり、同社の教科書においても、民主主義と基本的人権の尊重、憲法と法律の遵守(例えば、不当労働行為の禁止)などを明確にうたつている。
  このような社会的重責を担つている教科書出版社の企業主が数々の不当労働行為や目にあまる人権侵害を重ね、さらには、最高裁の判決をも躁躙していることに対して、業務の主務官庁である文部省は事態をどうとらえ、いかなる処置をしているのか明らかにしていただきたい。
五 企業主側の一方的な不正義、不当、違法な行為によつて発生し、既に十三年余を経過した本件紛争に対して、政府、労働省は具体的にどのような解決策をもち、どのように指導しているのか明らかにしていただきたい。

 右質問する。





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