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平成十三年三月八日提出
質問第四一号

RI・研究所等廃棄物処理処分に関する質問主意書

提出者  北川れん子




RI・研究所等廃棄物処理処分に関する質問主意書


 原子力施設(原子力発電所、核燃料サイクル)以外の事業所から排出される放射性廃棄物の処理処分について、平成一〇年五月二八日原子力委員会原子力バックエンド対策専門部会から「RI・研究所等廃棄物処理処分の基本的考え方について」の報告書がまとめられ公表された。この内容はRI(放射性同位元素)を使用している医療機関や研究機関等から出る廃棄物(RI廃棄物)と、日本原子力研究所をはじめとする試験研究炉、核原料物質、核燃料物質等の使用をしている大学、民間企業などから出る廃棄物(研究所等廃棄物)と二つに分けて排出される放射性廃棄物の処理処分の方向性を示している。これによるとRI廃棄物の九五%、研究所等廃棄物の八四%が素掘処分もしくは産業廃棄物の管理型処分またはクリアランスレベル以下のものとして扱われることになり疑問点が多いので、以下質問をする。

一 放射線同位元素等による放射線障害の防止に関する法律(以下、放射線障害防止法)で規制されてきた施設と、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(以下、原子炉等規制法)で規制されてきた施設の違いはどこにあるのか。放射線障害防止法で規制されてきた施設から排出される廃棄物の区分を原子炉等規制法施行令第一三条の九にあてはめる根拠はなにか。
二 今後五〇年間で発生するRI廃棄物の五五%、研究所等廃棄物の五八%がIAEAが提案しているクリアランスレベル以下になり、「再利用又は産業廃棄物と同様の処分」を想定している。
 原子力委員会とIAEAの関係はどのようになっているのか。またIAEAの設立目的、クリアランスレベルの提案値の根拠、提案をしたIAEAの委員名と出身母体名はどのようになっているか。
 また「再利用、産業廃棄物と同様な処分」とは具体的にはどのような想定をしているのか。
三 「IAEAでは無条件クリアランスレベルの提案値を示し、現在各国にコメントを求めているところである」とのことだが、各国はどのようなコメントを出してきているのか。
四 RI廃棄物の九五%、研究所等廃棄物の八四%が素掘処分もしくは産業廃棄物として処分する想定にある。この場合、具体的にどのように処分されるのか。放射性廃棄物専用の処分場になるのか、自治体が関与する処分場や民間の処分場の利用も想定しているのか。さらに一般廃棄物の最終処分場への搬入をも想定しているのか。
五 クリアランスレベル以下のものは、処理後処分するのか、処理せず処分するのか、また再利用とは何をどのように再利用するのか。焼却処理について、自治体の一般廃棄物焼却施設や民間で経営の産業廃棄物焼却施設に搬入され処理されることがありうるのか。
六 RI廃棄物を発生させる事業所数は約五〇〇〇、研究所等廃棄物を発生させる事業所数は約一八〇あるという。過去一〇年間について、これらの事業所への立入り検査(立入り事業所数、違反事業所数、件数とその内容について)の結果はどのようになっているか。また各年度における検査官の人数はどうか。加えて、現場でのRIの取扱は厳密であったか。
七 現在放射性廃棄物を焼却処理し減容化している処理工場があるが、その際放射性物質は除去回収されているのか。回収されているのならば、回収データはどのようになっているのか。
八 この報告書をまとめた原子力委員会原子力バックエンド対策専門部会および分科会の構成員は、だれがどのような基準で決めたのか。広く一般市民の声を聞き民意に配慮した対策を講ずるために同部会および分科会の構成員を公募するなどといったことは考えなかったのか。見解を聞きたい。
九 RI・研究所等放射性廃棄物中の低レベル廃棄物について産業廃棄物並みの処理・処分を可能にするような法律制定をするのなら、それに伴い「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」の改正が必要になってくると思われるが、見解を聞きたい。
一〇 国際放射線防護委員会(ICRP)は放射線を利用する作業者そして一般公衆も放射線防護の対象として、一九二八年から国際的な組織機構により放射線防護の基本的考え方、基準の設定、安全な取扱の検討などが行われてきた。ICRPの委員は放射線防護学、放射線医学、生物学、物理学、遺伝学などの専門分野を代表する個人として選ばれた委員により構成されている。
 日本を初め、世界各国の放射線防護関連の法令などは、ICRP勧告を尊重しそれを基に決められている。
 ICRPの放射線防護の基本的考えとして「放射線防護上は、どんな微量の放射線でも人体にとって有害なものであるとの考え方をとることにしている。すなわち、放射線による確率的影響(がんおよび遺伝的影響)は、影響発生のしきい線量がなく、発生線量は受けた線量に比例して増加するという仮定にたって考えることにしており、放射線利用に伴う影響の発生を厳密にゼロにすることは不可能である。」という立場をとっている。
 原子力委員会でまとめた「RI・研究所等廃棄物処理処分の基本的考え方について」はICRPの基本的考え方をどう受け止め、一般公衆の安全に配慮しているのか。
一一 この関連法の原案を作成する機関はどこか、どのような手続きを経て国会に上程されるのか。上程の日程はいつごろになるのか。

 右質問する。




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