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平成十三年六月二十六日提出
質問第一一四号

乳幼児向けおもちゃの安全性の確保に関する質問主意書

提出者  原 陽子




乳幼児向けおもちゃの安全性の確保に関する質問主意書


 フタル酸エステル可塑剤を用いた塩化ビニル製の乳幼児向けの玩具については、欧州で一九九七年にフタル酸エステル類の高濃度の溶出が発覚して以来、欧州連合の科学委員会を始め各国機関での検討が行われ、一九九九年以降規制の導入が始まっている。そして一九九九年末に規制を導入した欧州連合加盟諸国を始め、すでに十八ヶ国がフタル酸エステル可塑剤を含む軟質塩化ビニル玩具などに法的な規制を施行あるいは施行の決定をしているところである。乳幼児は、成人よりも化学物質等による影響を受けやすい事から、欧州等での法規制にあたっては、特定の化学物質が人体に及ぼす影響につき最終的な因果関係の証拠が得られるまで対策を先延ばしにはしないという、未然防止の理念があったとされる。
 一方、現在、我が国で乳幼児用の玩具の安全性は、問題のフタル酸エステル類のみならず、他の化学物質についても個々の物質の溶出や含有の有無さえ検査することのできない規格基準によって規定されている限りという、粗末な状況にある。乳幼児の玩具の安全性は食品衛生法の一部を準用しているが、現時点ですでに乳幼児の安全を確保できていないことが懸念される。
 よって、以下質問する。

一 食品衛生法第二十九条について

 (1)(a) 第二十九条により乳幼児の玩具に準用される第七条では、「厚生労働大臣は、公衆衛生の見地から、薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて、販売の用に供する食品若しくは添加物の製造、加工、使用、調理若しくは保存の方法につき基準を定め、又は販売の用に供する食品若しくは添加物の成分につき規格を定めることができる」と定められ、また第十条に「厚生労働大臣は(中略)薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて、販売の用に供し、若しくは営業上使用する器具若しくは容器包装若しくはこれらの原材料につき規格を定め、又はこれらの製造方法につき基準を定めることができる」と定められている。
 食品衛生法による現行の玩具の規格基準の根拠となった「薬事・食品衛生審議会の意見」は、いつ、どのような形で出され、何が書かれていたか、明確に示されたい。
 (b) その「意見」に至った検討資料にはどのようなものがあったか、資料名をすべて示されたい。審議会に提出された以外に、答申に影響を与えたなんらかの資料があれば、それも含めて資料名を示されたい。
 (c) 三月二日に、「現行の規格基準を大臣が設けた際に根拠とされた、審議会の意見書」について資料請求をしたところ、同七日に「現行の規格基準に関する審議会の意見書等については、現時点では確認できておりません」との回答を文書で受け取った。その後、確認はできたか。確認ができたとすれば、(a)の回答に含めていただきたい。確認ができていないとすれば、その根拠および基準が現実に照らして適正かどうかを、どう科学的に検証できるかを示されたい。
 (2) 第二十九条によって準用される条文のうち、第四、六、七、九、十、十一条を、乳幼児向け玩具に準用する際、各条はどのように読み替えられているか、あるいは解釈されているか、各条文ごとに説明されたい。

二 食品衛生法第四条二項に記される「有毒な、若しくは有害な物質」とは何か、可能な限り具体的に定義されたい。
三 玩具の規格基準は一九七二年に制定されて以降、改定が行われていない。子ども用の玩具の素材や形態は、基準の制定以降今日までの間に多様に変化しているにもかかわらず、これまで三十年近くのあいだ見直しが行われてこなかった理由は何か。
四 軟質塩化ビニル玩具に使用される塩化ビニル、可塑剤フタル酸エステル類、その他安定剤に供される化学物質は、それぞれ、食品衛生法のもとでは、「原材料」と「添加物等」のどちらに該当するか、あるいは該当しないか。またそれはなぜか。

 右質問する。



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