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平成十四年五月三十日提出
質問第八四号

政府の答弁書に関する質問主意書

提出者  西村眞悟




政府の答弁書に関する質問主意書


 先の当職の質問に対する内閣の答弁(内閣衆質一五四第七〇号、以下、本答弁書という)には、議院内閣制における内閣と国会の関係において、重大でかつ緊急に解明しなければならない疑義があるので、次のとおり質問する。速やかに回答されたい。

一 本答弁書の、四の2について、と題する答弁において政府は、「平成十四年四月二十一日の小泉内閣総理大臣の「靖国神社参拝に関する所感」は、御指摘の部分を含め、小泉内閣総理大臣の個人の真情を吐露したものであると承知している」と答弁している(以下、右「靖国神社参拝に関する所感」を、「所感」という)。
 1 「内閣総理大臣小泉純一郎」の名で作成され、内外に公表された「所感」が、総理大臣の個人の真情を吐露したものに過ぎないとすれば、「内閣総理大臣小泉純一郎」名で作成され、衆議院議長綿貫民輔に送付された本答弁書も、小泉総理大臣の個人の真情を吐露したものに過ぎないのか、回答されたい。
 2 「内閣総理大臣小泉純一郎」の名で公表される文書には、政府の見解を明らかにしたものと、小泉純一郎君の「個人の真情を吐露したもの」との二種類があるのか、回答されたい。
 3 個人の真情を吐露した「内閣総理大臣小泉純一郎」作成の文書は、私文書か、公文書か、その区別を明確にされたい。また、「所感」は私文書か、回答されたい。
 4 本答弁書の言うように、「所感」が個人の見解に過ぎないのであれば、公費で開設されている「首相官邸」と題するホームページにおける「小泉総理の演説・記者会見等」という項目のなかに、他の総理の多くの公式見解と共に「所感」が掲載されているのは何故か、回答されたい。
二 わが国の議院内閣制においては、内閣総理大臣は、内閣を代表して国会に議案を提出し国務について報告(憲法七十二条)するとともに、総理および他の閣僚は、国会に出席して国務について答弁し説明をしなければならず(同六十三条)、これにより、内閣と国会つまり行政と立法の三権分立上の制度が機能するのである。
 したがって、国会の各議院の会議における総理および閣僚は、そこで政府の見解を述べなければならず、反対に、さまざまな個人の見解を述べても良いとなれば、国会における国策に関する審議は不可能になる。
 さらに、内閣総理大臣が、封を施した信書を送付し、また、通信内容が漏れないうえで架電するなどして特定の相手に「真情を吐露」するならともかく、いやしくも、「内閣総理大臣小泉純一郎」の名を以って文書を内外に公表する以上、それは客観的に自らが首長である内閣の見解となり、他の余地はない。
 仮に、「内閣総理大臣小泉純一郎」名の文書の公表においても、国会における答弁においても、総理大臣および閣僚が、個人の見解や個人の真情を自由に表明してもよいとするならば、国会議員は、総理・閣僚の個人的見解を聞くために国会に集まっているわけではないから、国会開会は無意味となる。
 1 政府は、右立論に同意できるか、同意できないならば、どこが同意できないのか、回答されたい。
 2 仮に、平成十四年三月十九日の参議院内閣委員会における福田内閣官房長官の答弁のように、自ら特に「個人的見解」とことわって発言したとしても、これは当該委員会を統括する委員長および質問議員が許容した場合にのみ例外的に許される発言であると思われるが、政府は、このように認識しているのか、それとも国会の委員会を自由に閣僚が個人的見解を述べても良い場であると認識しているのか、回答されたい。
 3 右例外的に、委員会において閣僚から個人的見解が表明されたとしても、後日、その発言内容が、政府の見解か否か、答弁を求められた場合には、政府はそれを明確にしなければならず、何時までも本答弁書にあるように「個人の見解を吐露したものであると承知している」とか「個人的な見解として発言したものであって、具体的な方法を念頭においたわけではない」とか述べるだけで、当該発言が政府見解になったか否かを明らかにせずに答弁を避けることは許されないと考えるが、政府はどう考えているか回答されたい。
三 本答弁書の「六の1について」と題する答弁において、「内閣総理大臣の靖国神社への参拝について、私人としてこれを行う場合を含め、一律に憲法に違反するとは考えていない」とあるが、政府は、どの場合に右参拝が憲法に違反すると考えているのか明らかにされたい。
四 政府は、何人もわだかまりなくわが国の戦没者の追悼にまことをささげる記念施設の検討において、「何人も」は外国人も含むものとの見解を本答弁書で示しているが、総理の靖国神社参拝に際して、中国や韓国また一部外国人から非難・抗議が寄せられることは公知のことであり、これら抗議する外国政府や外国人が「わだかまりなく」追悼できる施設を模索するとすれば、必然的に中国・韓国政府の主張を受け入れねばならず、これはわが国が「自主的に検討する」とする方針に反し、必然的に外国の内政干渉を許すことになると思料されるが、政府は、それでも自主的に検討できると、真実考えているのか。

 右質問する。



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