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平成十四年六月十二日提出
質問第一〇三号

平成十四年度診療報酬改定によるリハビリテーション医療への影響等に関する質問主意書

提出者  大島令子




平成十四年度診療報酬改定によるリハビリテーション医療への影響等に関する質問主意書


 リハビリテーションは、医学から医療へ、更には予防を含めた概念へと進展してきており、その重要性はますます高まってきている。特に、リハビリテーション医療は、身体や精神に障害を持った患者に対し、失われた能力を向上させ、残された機能を最大限に引き出すことで、人間として充実した生活が送れるように援助するものであり、これまでも多くの患者が日常生活を取り戻すという成果を上げてきた。また、医療保険分野においても、いわゆる社会的入院の減少、医療費の抑制に大きく貢献してきたところである。しかしながら、平成十四年度診療報酬改定では、突如としてリハビリテーションに関する診療報酬が改正されたため、リハビリテーション医療を担う現場では大きな混乱が生じている。
 ついては、以下の事項について質問する。

一 リハビリテーション医療は、まさに患者を中心とした医療である。また、患者を支え、医療の現場を担う理学療法士、作業療法士、言語聴覚士の役割は大きい。今回の診療報酬改定では、一人の療法士が算定できる療法に回数制限や逓減制が設けられた。これらの措置は、結果としてリハビリテーションが必要な患者を治療現場から遠ざけ、患者の機能回復を遅らせるのではとの危惧がある。今回の改定において、回数制限や逓減制を設けなければならなかった理由を明らかにされたい。また、これらの措置を導入しても、必要な治療が患者に提供されるとの根拠を明らかにされたい。
二 一方、今回のリハビリテーションに関する診療報酬の改定は、あまりにも大幅であり、急激であった。リハビリテーション医療は、これまで行なっていた治療内容を突然に変更したり、途中で止めたりすることができないものである。このため、民間の医療機関で働く多くの療法士は、患者のために無償での治療を行なわざるを得ないとの状況であり、関係者の間で大きな混乱が生じている。今回の診療報酬改定に際して、リハビリテーションを担う療法士の関係団体から意見聴取や改定内容の充分な説明などを行なっていたのか。また、行なっていなかった場合は、その理由を明らかにされたい。
三 医療保険を取り巻く状況は依然として厳しく、診療報酬の引下げという状況については理解するところであり、また、一部では、作業療法科における早期加算や施設基準の緩和など評価できる部分もある。しかし、診療報酬体系の見直しでは、医療技術の適正評価を推進する必要性が強調されており、そのような状況の中で、従来の「複雑なもの」・「簡単なもの」から「個別療法」・「集団療法」への体系の変更が、今回何故必要であったのか。どのような経緯があり、このような体系の変更が検討されたのかを明らかにされたい。
四 医療における理学療法、作業療法及び言語聴覚療法の歴史は浅い。今回の診療報酬改定に際しては、整形外科関係者の了解を得ているとの話もあるが、リハビリテーション医療における各療法士の役割をどのように位置付けていく方針であるのか、明らかにされたい。
 また、多くの療法士は民間の医療機関で働いている。これらの療法士は、今回の診療報酬改定で影響を受けやすく、雇用状況を悪化させるものであり、特に経験の豊富な、比較的賃金の高い療法士への影響が懸念される。療法士の質に重点を置いた育成のあり方や雇用確保のあり方についても明らかにされたい。

 右質問する。



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