質問本文情報
平成十四年七月十六日提出質問第一三六号
ガーナ共和国大使就任等に関する質問主意書
提出者 首藤信彦
ガーナ共和国大使就任等に関する質問主意書
浅井和子氏がガーナ共和国大使に登用された過程を明確にすべく、六月三日以降、三回にわたって質問主意書を提出した。
ところが、受け取ったいずれの答弁も、その内容は本質を外れた一般論に終始し、当方の質問に対する具体的な説明は殆ど頂く事ができなかった。これでは、大使任命という重要事案に対し国会議員として、国民に対する説明責任を全うする事ができない。
再三の説明要求に対し、詭弁を弄するごとき答弁内容は非常に遺憾である。従って、過去の質問主意書において十分な回答を頂けなかった点について再度回答を求めるべく、第四回目の質問主意書を提出する。
2 浅井氏以外には他にはどのような候補者がいたのか。それらの候補者に関する情報収集はどのような手法で行われたのか、候補者の人数、経歴、選考当時の職業、年齢などについて説明を頂きたい。具体的な名前でなく抽象的表現、たとえばA女史(上智大学教授)などの表現でも良い。
3 日本社会での活動が取り立てて顕著でもない浅井氏が候補者の一人になり、就任が決定するまでの選考プロセスにおいて、もっとも重視された点は何か。具体的な説明を頂きたい。
4 外務省提出の履歴によると、浅井氏は直江・浅井法律事務所に所属していることになっているが、同事務所はいつ退職したのか。具体的に述べられたい。
5 質問主意書(第一回)の答弁において、浅井氏は「平成九年に我が国企業の契約事務を処理する目的でガーナ共和国を訪問し」および、「平成十二年に鉱物資源の開発及び輸入に係る我が国企業から成る調査団に同行してナイジェリア連邦共和国を訪問した」との回答を頂いた。浅井氏の現地での活動について説明されたい。ナイジェリアの鉱物資源の開発とあるが、どの地域におけるどのような鉱物資源なのか。具体的な説明を頂きたい。
6 アフリカにおける中核国のひとつであり、国際社会との困難な援助調整を伴うガーナ共和国において、外交経験のない浅井氏を大使に登用する事は大きなリスクを伴う選択であり、国民に対する十分な説明責任が必要であると考える。浅井氏が他国ではなくガーナ共和国大使に登用された理由について詳細な説明を頂きたい。
7 また、前任の新田宏ガーナ大使は、一年半あまりの極めて短期の在任期間で浅井氏に交代しているが、高い専門性と継続性が求められる大使の要職を、このように短い期間で退任したのは異常であり、その理由を明確に説明されたい。
8 浅井和子氏が弁護士として監査役を務めていたコムソン社は不正な株取引の疑いがあり、これが事実であった場合、日本社会の顔である大使の不祥事として、我が国にとって致命的な信用の失墜を招く可能性があるのみならず、民間人の大使登用という新しい試みが頓挫する恐れがある。上記の点をどのように把握しているのか。また、実際に不正取引が判明した場合、大使に任命した責任者はどのように責任を取るべきと考えておられるのか。具体的に述べられたい。
9 第三回質問主意書において、大使候補者の選定や絞込みについての具体的な手法を質問したところ、「人事管理に係る事務に関し、公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれがある」との理由で答弁を差し控えたいとの回答であった。具体的な手法を明らかにすることは、大使を目指す国際経験豊富な民間人にとって貴重な指標になり、この制度を活性化する要因になると思われるが、公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすと考えられる根拠は何か。明確な説明を頂きたい。
10 外務委員会理事会で浅井氏の参考人招致が議題になっているにもかかわらず、理事に事前に正確な情報を適宜伝えることなく任地ガーナに送り出したのはなぜか。明確に答えられたい。
11 浅井氏が任地ガーナにおいて大使として認証されたのはいつか。また当地における外交スケジュールはどうなっているのか。具体的に述べられたい。
右質問する。