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平成十八年二月七日提出
質問第五六号

日本向け輸出プログラムによる米国の牛肉処理施設の査察結果に関する質問主意書

提出者  山田正彦




日本向け輸出プログラムによる米国の牛肉処理施設の査察結果に関する質問主意書


 米国産牛肉輸入再開が決定された平成十七年十二月十二日以後、同十二月十三日から十二月二十四日まで、我が国の政府は、日本向け輸出プログラムに基づいて輸出することを米国政府によって認定された牛肉処理施設について、その当否を判断するために査察団を派遣した。その結果、査察した米国十一施設すべてにおいて、日本向け輸出プログラムが遵守されていた、という報告が出されている。
 しかしその後平成十八年一月二十日に成田空港に到着した米国産牛肉の中に、特定危険部位であるせき柱の混入が認められ、査察の有効性に対して重大な疑念を感じさせる事態となっている。
 民主党は我が国の食の安全を守る見地から、「民主党BSE対策本部訪米調査団」を平成十八年一月二十九日から二月二日に派遣し、大手食肉処理施設をつぶさに視察してきた。また先立つ平成十七年六月の「衆議院米国における牛肉処理等・食の安全に関する実情調査議員団」においても食肉処理施設視察を行なっている。それらの知見からは、各施設について、輸出プログラムの実施方法が一様ではなく、衛生管理状態、作業や仕分けの手順などが、それぞれの方法で行なわれているという実態が明らかになっている。
 そこで、上記の政府査察団が行なった査察について、十一施設のそれぞれについて詳細な結果の説明を求めるとともに、その結果を踏まえて、米国に輸出プログラムを遵守させるための政府の査察が現状の方法でよいか否かについて、明らかにする必要がある。
 よって以下の通り質問する。

一 査察を行なった十一施設について、名称、所在地、査察の日時を明らかにされたい。
二 日本向け輸出プログラムに係る認定施設については、手順書の作成及び管理、並びに内部監査の記録の保存が義務付けられている。十一施設それぞれについて、手順書及び内部監査記録を精査の上、各々の内容について見解を明らかにされたい。
三 輸出プログラムに係る手順書及び内部監査記録の提出を受けていない場合は、受けられなかった理由は何か。
四 月齢三十ヶ月以下か三十一ヶ月以上かの判断は、臼歯の磨耗の程度を見る。私の知見では、A施設では若い女性が放水したあとよく見ていないという状況、B施設では検査官が見るが片側からのみ見て反対側からは見るスペースもない、速いスピードで流れているという状況であった。日本向け輸出プログラムとは異なるが、各処理施設において普通に行なわれているこの月齢判断の状況について、検査を行なう人及び検査の状況について、十一施設それぞれについて明らかにされたい。
五 枝肉の生理学的成熟度で月齢二十ヶ月以下と二十一ヶ月以上を判断する際にどのような方法で行なっていたか。胸椎、腰椎、仙椎、肉の色の四つの方法のうち、何で判断していたか、またその判断は数値で表されていたか、数値ではなかったか。また格付けを行なう人及び格付けの状況はどのようになっているか。以上の点を十一施設のそれぞれについて明らかにされたい。
六 牛の内臓及びタンの処理について、A四〇での月齢判断は屠殺後二十四時間経った時点で行なわれるが、切り離された内臓及びタンは、別個にタグをつけて保管していたか、そのタグを見て確認できたか。また私の知見ではA施設、B施設とも一日四〇〇〇〜五〇〇〇頭の処理を行なっていたが、そのような膨大な量を保管する冷蔵庫はあったか。十一施設それぞれについて以上の点を明らかにされたい。
七 A四〇の判定は屠殺の二十四時間後に行なわれる。二四〇〜二五〇に細かく部位別に分けられたそれぞれについてラベルやタグがついていたか、製品として包装されたときにラベルがきちんとついていたか。十一施設それぞれについて、以上の点を確認できたかどうかを明らかにされたい。
八 脳、眼をはじめとする特定危険部位の処理について、レンダリングにまわされていたか。また特にせき柱、せき髄及び扁桃部については、肉骨粉もしくはタロ(牛脂)にまわされていたか。十一施設それぞれについて明らかにされたい。
九 せき柱の背割り方法について、背割り前にバキュームを行なっているか否か、チェーンソーでの切断後に切断片はどこに置かれたか(床に転がっているようなことはなかったか)、飛び散ったせき髄の白い液が肉に付着しているようなことはなかったか。十一施設それぞれについて、以上のような背割りに関わる状況を明らかにされたい。
十 私の知見では、A施設、B施設とも、月齢証明のできている牛は五〜六%ということであった。十一施設それぞれについてその割合を明らかにされたい。またトラックから牛を降ろすときの混雑で書面と耳標の突合せは困難ではないかと思われるが、突合せが確かに行なわれているか否かについて、十一施設それぞれについて明らかにされたい。
十一 検査官(獣医)は何人いるか。そのローテーションはどのようで、各時間において何人の検査官がどれだけの頭数の牛を見ているか。病牛、ダウナー牛の排除の方法は具体的にどのようか。十一施設それぞれについて、以上の点を明らかにされたい。
十二 一から十一までの詳細の説明で明らかになった点、明らかにならなかった点を踏まえて、米国の日本向け輸出プログラムは的確に遵守されていたと判断するか否か。またそう判断する理由は何か。改めて政府の見解を問う。
十三 また一から十一までの詳細の説明で明らかになった点、明らかにならなかった点を踏まえて、米国の日本向け輸出プログラムを遵守させるために、現状の査察方法の有効性をどのように判断するか。またその理由は何か。政府の見解を問う。
十四 さらに一から十一までの詳細の説明で明らかになった点、明らかにならなかった点を踏まえて、我が国の食の安全を守るため、今後査察の方法を変更する意思と用意があるか否か。変更する場合は、どのような点について変更すべきと考えるか。政府の見解を問う。

 右質問する。



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