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平成十八年六月八日提出
質問第三一五号

沖縄県那覇市における小中学校未買収借用校地買い上げに関する質問主意書

提出者  赤嶺政賢




沖縄県那覇市における小中学校未買収借用校地買い上げに関する質問主意書


 唯一本土で戦場となった沖縄は、空襲、艦砲射撃、地上戦、市街戦と破壊の限りを尽くした沖縄戦で、二〇数万の尊い生命が犠牲となり、焦土と化した。旧那覇市街は文字通り、瓦礫の山に変わった。
 戦後の沖縄県及び那覇の街は米軍の占領下におかれ、旧市内は立入禁止区域とされ、市民はすべて追い出され収容所生活が始まった。その後、米軍の布告により市民の旧市内への帰還は許されたが、県民の主な居住区は米軍用地として強制的に接収され基地建設がすすめられた。そのため、生活と生産の場を奪われた多くの県民は、生活の糧を求めて、商業都市那覇市に流入し人口が急増した。このような社会の混乱期のなかで戦後の学校教育が始まった。
 那覇市においても、米軍占領当局によって土地の所有権は著しく制約された上、沖縄戦で地形の変容、公簿・公図類の滅失による地積の破壊によって土地所有関係が不明という状況の下で、多くの土地(面積で約三〇%)が米軍用地として接収され、県民の居住区は一定の土地に限定された。
 その結果、戦前の学校用地が米軍基地に収用されたために、基地の外の民間の土地を代替用地として借用しなければならなかった小中学校も生まれた。さらに、その限定された土地の一部を、結果として地主の承諾を得ずに学校用地として割り当てられたために、民間の土地を接収したかたちになった学校も生じた。
 このように那覇市における小中学校未買収借用校地(以下「未買収借用校地」という。)は、沖縄戦と米軍占領支配による破壊と混乱によって生じたのである。
 かかる未買収借用校地の買い上げについては、こうした特殊事情を勘案の上、国は財政措置を講じて解決すべきである。
 本年五月十六日には、この問題で、私は日本共産党那覇市議団の六名の市議とともに、内閣府及び総務省に対して実情を説明して要請をしたところである。
 従って、以下の事項について質問する。

一 那覇市においては、沖縄戦と米軍占領支配によって起因するものと考えられる未買収借用校地は、戦後、小学校一八校、中学校六校、計二四校に上り、現在も七校残されていると聞いている。これについての政府の認識を問う。
二 未買収借用校地について、今なお解消するにいたっていない現状について、どのように考えているのか。
三 那覇市は、厳しい財政事情にあって、今日まで未買収借用校地の買い上げに対して約一二六、九〇〇平方メートル、約一六五億八、三〇〇万円という莫大な経費を投じ、懸命の努力を重ねてきた。
 しかしながら、いまだに沖縄戦と米軍占領支配に起因する未買収借用校地として残されている七校(小学校五校、中学校二校)約一八、〇〇〇平方メートルについては、これに要する経費が約二二億五、八〇〇万円に上り、市の財源では不可能である。このような実情についてどのように考えているのか。政府の見解を問う。
四 他の県には、沖縄県那覇市におけるような、沖縄戦と米軍占領支配という特殊事情による未買収借用校地と同様の事例はないと考えるがどうか。もし、あるというなら具体的にその事例を明らかにされたい。
五 このような特殊事情による未買収借用校地の買い上げについては、国は、これまでどのような財政措置等を講じてきたのか、この際、明らかにされたい。
六 残る七校の未買収借用校地の買い上げに対しては、戦後処理事業の一環として、国として特別の財政措置を講ずるべきである。その方法として、沖縄振興特別措置法の目的、趣旨に基づく交付金による買い上げ、あるいは、現在の起債の元利償還に係る特別交付税等の財政措置などが考えられるが、これについて検討すべきであると思うがどうか。
 また、そのためにも沖縄県及び那覇市当局からの事情聴取をはじめとする実情調査の実施を検討すべきと考えるがどうか。併せて政府の所見を伺いたい。

 右質問する。



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