質問本文情報
平成十八年六月十二日提出質問第三三四号
公共調達における随意契約の情報公開の在り方に関する質問主意書
提出者 小宮山泰子
公共調達における随意契約の情報公開の在り方に関する質問主意書
現在の危機的な財政事情の下で、少子高齢化等の社会変化に対応した行政ニーズが増大しており、また、行政サービスの質的向上が求められている。したがって、政府においては、納税者である国民の視点に立って、国民生活に不可欠な社会資本などの整備を、無駄なく、効率的に推進していく必要がある。しかしながら、天下りを背景とした官製談合事件に見られるように、必ずしも公共調達が適正に行われておらず、無駄かつ非効率な公共調達に対して、国民は疑惑の目で見ているところである。政府においては、今後、公共調達の公正性及び透明性を確保し、国民の信頼を早急に回復していくことが強く求められている。
この点、随意契約は、恣意的な契約業者の選択、特定業者との天下りを通じた癒着、過大な支払い等が容易に行われる可能性を多分にはらんでいることから、その徹底した情報公開を進めることが喫緊の課題であると考える。
以下、質問する。
二 「国の行為を秘密にする必要があるとき」には、随意契約によることができるとした予算決算及び会計令第九十九条第一号の趣旨、「秘密にする必要があるとき」の判断主体とその基準をそれぞれ明らかにするとともに、具体的にどのような契約に適用しているか、数例を示し説明されたい。
三 会計法(昭和二十二年法律第三十五号)第二十九条の三第四項では、「契約の性質又は目的が競争を許さない場合、緊急の必要により競争に付することができない場合及び競争に付することが不利と認められる場合においては、政令の定めるところにより、随意契約によるものとする。」とされている。これらの理由から随意契約とした契約のうち、行政機関の保有する情報の公開に関する法律(平成十一年法律第四十二号、以下「情報公開法」という。)第五条の不開示情報に該当するとして公表しなかった契約はあるのか。もしあれば、どのような内容の契約か。数例示すとともにその非公表理由を説明されたい。
四 平成十七年度における政府全体の随意契約件数及び金額のうち、非公表とした随意契約件数及び金額の割合を示されたい。
五 会計法第二十九条の三第一項では、国が契約を締結する場合においては、一般競争入札を原則としており、政府としても、現在、公共調達に対する国民の不信を払拭するために、一般競争入札の一層の促進等、契約の公正性・透明性を確保するための取組みを推進している。また、個々の随意契約が効率的かつ適正に実施されたかどうかの検証は、国民への情報開示が徹底され十分な説明責任が果されることによって初めて可能となる。
1 ついては、「国の行為を秘密にする必要があるとき」の判断基準を厳格化するとともに、仮に「国の行為を秘密にする必要があるとき」であっても、競争入札を優先し、随意契約は例外的にしか認められないようにすべきと考えるが、見解をうかがいたい。
2 また、国の行為を秘密にする必要がある等の理由から随意契約とした場合であっても、当該随意契約に係る全ての情報を非公表とするのではなく、契約内容、契約の相手方、契約金額のうち一部でも公表可能な部分があれば、情報公開法第六条の部分開示の趣旨にも照らし積極的に公表すべきと考えるが、見解をうかがいたい。
3 内閣は、予算決算及び会計令を改め、随意契約に係る情報を公表すべき旨の義務規定を加えるべきであると考えるが、見解をうかがいたい。
六 行政効率化推進計画では、「各府省の内部監査において、随意契約の重点的監査を実施する。」とあるが、この重点的監査により不適正とされた随意契約はこれまでにあるのか。あるのであれば、どのような改善措置を講じたのか示されたい。
右質問する。