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平成十八年十一月一日提出
質問第一二九号

特別史跡平城宮跡の活用と保護に関する質問主意書

提出者  石井郁子




特別史跡平城宮跡の活用と保護に関する質問主意書


 国指定特別史跡「平城宮跡」を主会場として使い、奈良県では二〇一〇年に平城遷都一三〇〇年記念事業が行なわれる予定である。主催者側は「平城遷都一三〇〇年記念事業協会」を設立し、今年二月に実施基本計画をまとめている。事業費総計三百五十億円、集客規模五百万人の事業であるが、平城宮跡地内に仮設のパビリオンなどを立てる特設会場型事業が、史跡の活用方法としてふさわしいのかという疑問の声が上がっている。
 また、世界遺産「平城宮地区」のバッファゾーンを、京奈和自動車道・大和北道路が縦断する形で建設される計画がある。この工事は地下水位を下げ、地下に包蔵されている木簡を消失させるのではないかと危惧されている。
 よって、次のとおり質問する。

(一) 平城宮跡の大部分は国有地であると思うが、国は事業主催者が史跡を利用して事業を行なうことに対し、すでに同意を与えているのか。また、平城宮跡の上で遷都記念事業を行なうには史跡の現状変更許可が必要と考えられるが、国はすでに現状変更を許可しているのか。
(二) 実施基本計画を見ると、財源のうち公的資金が百四十五億円となっている。この内訳に国からの補助金も上げられている。この補助金の名称と交付予定金額を明らかにされたい。
(三) 実施基本計画では復原工事中の第一次大極殿を国際会議やセレモニーの場として活用することが視野に入れられている。復原した大極殿をこのような形で活用することを許可したのか。また、このような形で使うことは適当であるのか。
(四) 大和北道路建設の環境影響評価準備書は、地下水位の変化について「道路建設による地下水位変動は数p程度であり、年間平均変動幅約八十一pより小さいため、地下水位変動への影響は極めて小さいと予測されます」としている。
 国土交通省のシミュレーションでも、水位は最大二・五p下がったままになることが明らかとなっているが、このことについて本年十月二十日の文部科学委員会で、文化庁次長は「八十p程度との比較において影響が少ない」と答弁している。八十pとの比較ではなく、「水位が下がったままになる」という条件下で、木簡に与える影響は全くないといえるのか。
(五) 現在想定されている平城京の範囲の南側、九条大路の南側で、大型商業施設計画に伴う発掘調査によって条坊道路と考えられる遺構が検出されている。これによって、平城京は想定されているよりもさらに南側に広がるのではないかとも考えられているが、全容はまだ解明されていない。全容が解明されないまま商業施設建設によって条坊遺構が破壊されれば、取り返しのつかないことになる。商業施設などの開発の前に、平城京の全容を明らかにする調査が必要ではないのか。

 右質問する。



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