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平成十八年十二月十二日提出
質問第二四〇号

健康保険における傷病手当支給期間に関する質問主意書

提出者  山井和則




健康保険における傷病手当支給期間に関する質問主意書


 健康保険法第九十九条は、健康保険被保険者が労務に服することができないときに、傷病手当金を支給することを規定している。その支給期間についての規定が、慢性疾患を中心とする現在の疾患構造にそぐわなくなっている部分もあると思われる。
 そこで、以下のとおり質問する。

一 健康保険の被保険者が、大腸癌で入院して手術を受け、二ヶ月間にわたり労務に服さず、この期間に傷病手当を受給した後に復職し、その後継続的に内服による化学療法を受けながら労務を続け、復職日の一年六ヶ月後に大腸癌の再発により長期の労務不能となった事例においては、再発後の疾患は、復職後も継続的に治療を受けているため同一傷病とみなされ、再発後の労務不能期間が傷病手当の支給を始めた日から起算して一年六ヶ月を超えたものであるため、健康保険法第九十九条第二項の規定により、再発後の労務不能期間に対しては傷病手当が支給されないというのが現在の扱いと思われるが、相違ないか。
二 現在の医療においては、感染症や外傷などの急性疾患よりも、癌・生活習慣病・精神疾患などの慢性疾患が中心的対象となっている。このことからすると、健康保険制度は、慢性疾患も念頭に置いて整備運用するべきであると考えるが、いかがか。
三 慢性疾患においては、継続的に治療を受ける中で労務に復帰した後に、再発や悪化により、再度療養が必要になり、就労できない状況が生じることが少なくない。慢性疾患のこのような事例において、過去の労務に服さなかった期間が短期間であり、過去にはその短期間しか傷病手当を受給していないにも関わらず、再発した時点が、すでに傷病手当の支給を始めた日から起算して一年六ヶ月を超えているため、再発以降の期間に対する傷病手当が支給されないのは、傷病のため労務による収入を絶たれた被保険者を支援する社会保障制度としては、急性疾患との平等性・公平性の観点からも問題があると考えるが、いかがか。
四 健康保険法第九十九条第二項は「傷病手当金の支給期間は、同一疾病について、支給を始めた日から起算して一年六ヶ月を超えないものとする」と定めている。慢性疾患や癌治療の現状から鑑みて、この条文は、のべ支給期間の上限を定めたものであり、途中復職して給付を受けていない期間は不支給期間として支給期間から除外するものと解釈するのが、傷病手当金給付の趣旨からも公平性の観点からも適切と考えるが、いかがか。

 右質問する。



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