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平成十九年九月二十六日提出
質問第五一号

緑資源機構をめぐる官製談合問題に関する質問主意書

提出者  鉢呂吉雄




緑資源機構をめぐる官製談合問題に関する質問主意書


 緑資源機構をめぐる官製談合事件は、長年にわたり組織的に行われてきたもので、農林水産省が設置した「緑資源機構談合等の再発防止のための第三者委員会」(以下「第三者委員会」という)が二〇〇七年七月二十六日に発表した「中間とりまとめ」においても「発注者側が組織的に継続して談合を主導したとされており、いわゆる官製談合の中でも悪質なものである」と断じているところである。
 緑資源機構の理事長は代々、林野庁長官が就任しており、今回の談合事件は、談合といわゆる「天下り」とが結びついた典型的事例であるとともに、補助金をめぐる「政治と金」の問題としては、松岡利勝元農林水産大臣の関与がマスコミ等で指摘されていたところである。
 第三者委員会の前記指摘を受け、林野庁は本年八月に緑資源機構自体を平成十九年限りで廃止することを決定したようであるが、緑資源機構の行っている主要な事業である緑資源幹線林道事業(以下「幹線林道事業」という)について地方公共団体の補助事業として実施していく方針を決定している。そうした問題の重大性、緊急性に鑑み、政府に対して質問する。なお、国会法第七十五条第二項に規定する通り、質問主意書受領から七日以内に答弁されたい。また同様の文言が並ぶ場合でも、項目ごとに平易な文書で答弁されたい。

1 第三者委員会は、前記「中間とりまとめ」において、談合の問題として公正取引委員会が告発した幹線林道事業の調査・コンサルタント業務に限らず、「他の事業についても談合があった可能性は否定できない」とし、「農林水産省及び林野庁は緑資源機構の全事業について調査を行って実態を明らかにする」ことを指摘した。
 (1) 農林水産省及び林野庁は、緑資源機構の全事業について官製談合の有無について、調査をしたのか、答弁願いたい。
 (2) 右調査をしたとすれば、官製談合の事実は存在したのか。具体的に答弁願いたい。
 (3) もし、右調査をしていないならば、なぜしないのか、ないしはいつするのか。具体的に答弁願いたい。
2 林野庁は平成十九年八月三十一日、「平成二十年度整備課関係予算・概算要求の概要」を発表し、この中で「幹線林道事業については地方公共団体の補助事業として実施」することを明記し、そのための交付金八十億円を平成二十年度の要望額としている。
 (1) 幹線林道事業において過去官製談合があったか否かについて調査をしていないとすれば、関係する業者が同一の場合、依然談合の継続が危惧されるものであるところ、なぜ、地方公共団体の補助事業として実施することに決定し、そのための交付金額まで明示されたのか、具体的に答弁願いたい。
 (2) 財務省は、第三者委員会が幹線林道事業においても談合があった可能性を指摘している事業について、予算をつけるつもりがあるのか。もしあるとすればその理由を、具体的に答弁願いたい。
 (3) そもそも幹線林道事業は、全国に七箇所の大規模林業圏を設定し、各林業圏内において、幹線となる林道を建設する事業であるところ、前記「補助事業構想」は、この事業の遂行の有無を各地方自治体の意思に委ねる結果、各林業圏内において自治体を超えて林道の整備ができない可能性が生じる。これは幹線林道事業の基本である大規模林業圏構想と相容れないと考えるところ、相容れると考えるのか、それとも相容れないと考えるのか、答弁願いたい。
 (4) 右回答で、相容れると考えている場合はその理由を具体的に答弁願いたい。
 (5) (3)の回答で、相容れないと考えた場合には、それでも幹線林道事業を地方自治体の補助事業として継続する理由、合理性、必要性について具体的に答弁願いたい。
 (6) 日本国政府は二〇〇八年に開催される北海道洞爺湖サミットにおいて、環境問題を重視すると伺っているところ、幹線林道事業は、日本で数少ない自然の残されているところで事業が行われ、例えば北海道ではシマフクロウ、クマゲラ、オオタカ、クマタカ、ナキウサギ等、貴重な野生生物の生息地を縦断する事業となっている。このような自然の破壊を伴う幹線林道事業は洞爺湖サミットの理念に反する大きな環境破壊と考えるところ、それでも幹線林道事業を継続する必要性について、具体的に答弁願いたい。

 右質問する。



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