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平成十九年十月二十九日提出
質問第一六二号

米大統領の日本観に対する政府の対応に関する質問主意書

提出者  鈴木宗男




米大統領の日本観に対する政府の対応に関する質問主意書


 二〇〇七年十月十九日に閣議決定された「政府答弁書」(内閣衆質一六八第一〇五号)では、二〇〇七年八月二十二日にブッシュ米大統領が行った演説(以下、「演説」という。)の中での「日本の軍国主義者、朝鮮やベトナムの共産主義者は、人類のあり方への無慈悲な考えに突き動かされていた。イデオロギーを他者に強いるのを防ごうと立ちはだかった米国民を殺害した。」「国家宗教の神道が狂信的すぎ、天皇に根ざしていることから、民主化は成功しないという批判があった。」「イラクで我々と戦う暴力的なイスラム過激派は、ナチスや大日本帝国や旧ソ連と同じように彼らの大義を確信している。」との発言(以下、「ブッシュ発言」という。)に対して、「ブッシュ米国大統領が行った御指摘の発言はいずれも歴史的な事象に関するものであり、お尋ねについては先の答弁書(平成十九年十月五日内閣衆質一六八第五九号)一、二、五、八及び九についてでお答えしたとおりである。」との答弁がなされており、政府はあくまで「ブッシュ発言」に対する政府としての評価を下すことを拒んでいる。右を踏まえ、以下質問する。

一 「政府答弁書」で、政府は「御指摘の『神道』及び『天皇制』が『民主主義』と必ずしも相容れないものではないと考えられる。」と答弁している。「ブッシュ発言」の中の「国家宗教の神道が狂信的すぎ、天皇に根ざしていることから、民主化は成功しないという批判があった。」という部分に対して、政府は歴史的事象に対する評価は専門家等により議論されるべきであるとし、あくまで政府としての評価を下すことを避けているが、右の政府答弁を見る限り、少なくとも「ブッシュ発言」とは異なる認識を政府は有していることになる。政府が「ブッシュ発言」とは異なる認識を有しておきながら、「ブッシュ発言」に対して何の意見も米側に伝えず、何の評価も下さないことは政府の態度として矛盾していると考えるが、政府の見解如何。
二 「ブッシュ発言」の内容を見る限り、ブッシュ米大統領は戦前の我が国が民主主義に適さず、旧ソ連等の共産主義国家やアル・カーイダ等のイスラム過激派と同様の国家であったと認識していると思料される。政府が「ブッシュ発言」は歴史的事象に関するものであり、専門家等により議論されるべきものであるとして、「ブッシュ発言」に対して何の意見も伝えないという態度をとることは、戦前の我が国は民主主義に適さず、旧ソ連等の共産主義国家やアル・カーイダ等のイスラム過激派と同様の国家であったと政府が認めているという印象を諸外国及び国際社会に対して与えることになる。これは我が国の歴史に対する冒涜であり、我が国の名誉と尊厳を損なうことになると考えるが、政府の見解如何。
三 「ブッシュ発言」が歴史的事象に関するものであり、専門家等により議論されるべきものであるとするならば、例えば二〇〇七年七月六日に閣議決定された政府答弁書(内閣衆質一六六第四二八号)で、米下院で非難決議がなされたいわゆる従軍慰安婦問題について「在アメリカ合衆国日本国大使館は、従来から、議会関係者を含む米側関係者に対し、慰安婦問題に関する我が国の立場や対応につき理解を求めるための活動を行ってきている。」「慰安婦問題に関しての政府の立場については、例えば、安倍内閣総理大臣が平成十九年四月の訪米の際明らかにするなど、既に説明してきているところであるが、政府としては、状況の推移を見つつ、必要に応じ適切に説明していく考えである。」と答弁をしているのはなぜか。歴史的事象であるいわゆる従軍慰安婦問題については政府としての見解を米側に説明する努力をしておきながら、「ブッシュ発言」については政府として米側に意見を伝える努力をしないのはなぜか。明確な説明を求める。

 右質問する。



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