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平成十九年十月三十日提出
質問第一六七号

長崎県等における海岸の漂流・漂着ゴミの処理方策に関する質問主意書

提出者  赤嶺政賢




長崎県等における海岸の漂流・漂着ゴミの処理方策に関する質問主意書


 海岸の漂流・漂着ゴミや流木は、長崎県をはじめとする全国の海岸におよんでいるものと考える。
 長崎県では、昨年七月から八月にかけて、東シナ海、角力灘、橘湾などに面した海岸に、大量のゴミや八万本を超える流木が広範囲に漂流・漂着した。また、注射針や注射器、薬瓶等の医療廃棄物が多数漂流・漂着している。
 二〇〇〇年頃からは、プラスチック、発砲スチロール、ペットボトル、ガラス瓶等が大量に漂流・漂着している。
 政府は、平成十八年四月に、関係省庁間の情報交換等を行う場として「漂流・漂着ゴミ対策に関する関係省庁会議」を設置し、同問題の解決に向けて取り組んできたとのことである。
 しかるに、長崎県においては、現在もなお改善の方途が見出されていない。
 国が、漁業被害の防止、漁業環境の保全を図るとともに、海洋環境保全、国土保全等の観点から、この問題のより実効的な処理方策を講じることは、喫緊の課題である。
 従って、以下の事項について質問したい。

一 漂流・漂着ゴミに対する国の基本方針と責務について
 1 漂流・漂着ゴミに対する国の基本方針と責務を、改めて明確にしていただきたい。
 2 平成十九年三月の「漂流・漂着ゴミ対策に関する関係省庁会議とりまとめ」(以下「省庁会議とりまとめ」という。)は、「政府としての漂流・漂着ゴミに対する基本的な方針及び関係者の責務」の中で、国としては、「状況の把握」、「国際的な対応も含めた発生源対策」、「被害が著しい地域への対策」を推進するとしている。
  これらの課題について、平成十九年度以降の「当面の施策」として行うべき対策をあげているが、具体的な進展状況を伺いたい。
 3 「省庁会議とりまとめ」は、漂流・漂着ゴミの処理問題について、「関係者間の相互協力が可能な体制作りを推進する」、「実態把握及び各種対策の実施結果等を勘案し、必要な対策の拡充を検討する」旨、記されているが、その具体策について伺いたい。
二 海岸の漂流・漂着ゴミの実態把握と現状認識について
 1 「省庁会議とりまとめ」には、漂流・漂着ゴミの調査結果がまとめられているが、きわめて簡潔な記述であり、実態を反映したものとは言えない。
  そこで、九州をはじめとする全国の海岸における漂流・漂着ゴミの実態がどうなっているのか、都道府県・市町村(海岸名)別に、その実態を概括的に明らかにされたい。
 2 漂流・漂着ゴミの現状認識について、所見を伺いたい。
三 「漂流・漂着ゴミ対策に関する関係省庁会議」(以下「対策会議」という。)及び関係省庁の取り組みについて
 1 「対策会議」の開催実績と協議内容を伺いたい。
 2 「対策会議」及び関係省庁が、漂流・漂着ゴミ問題改善のために、現在、実施している施策・対策及び事業(補助金を含めて)の概要並びに実績を省庁別に伺いたい。
四 漂流・漂着ゴミに対する国の事業等(地方公共団体への財政支援)の拡充について
 1 国土交通省及び農林水産省は、洪水等による大規模な漂着ゴミについて、「災害関連緊急大規模漂着流木等処理対策事業」(以下「対策事業」という。)の対象となるように拡充するとしている。対策事業の処理対象、補助対象、採択基準など、拡充する内容を具体的に明らかにされたい。また、漂着ゴミは対象とされないのは何故か。
  @ 同事業の採択基準について、漂着量が「一千立米」以上で、「一連の海岸」と聞いているが、どのような状態をいうのか。また、平成二十年度には、その基準を「一連の海岸」から「複数の海岸」に改善すると聞いているが、「複数の海岸」とはどのような状態をいうのか。
  A 長崎県のように島が点在し、島々に漂着した流木等の量を総合すると一千立米以上になるという場合は、同事業の対象になるのか。
  また、千葉県の九十九里浜のような海岸とは異なり、島が点在する場合の「複数の海岸」の判断をどうするのか。
  全国の海岸に設定されている「海岸保全区域」の範囲内において「複数の海岸」を判断する旨聞いているが、それはどういうことか説明されたい。
  B 全国の「海岸保全区域」を明らかにされたい。
 2 水産庁の「漁場漂流・漂着物対策推進事業」は、漂流・漂着ゴミや流木を対象とした事業なのか、その事業の目的、概要並びに補助要件、補助率を明確にされたい。
  同事業は、漁業活動中に回収した漂流・漂着ゴミを処分した場合に、その費用の一部を支援するのか、回収するためにかかる費用への支援はあるのか。
  長崎県では漁業活動を休止して回収せざるを得ない状況にあったが、その場合の処理費用への支援はなされるのかどうか。
  また、同庁は、「漁場環境保全事業」を実施しているが、漂流・漂着ゴミ対策との関係如何。
 3 環境省の「被災市町村に対する支援」、すなわち「廃棄物処理施設災害復旧費補助金」(公共)、「災害等廃棄物処理事業費補助金」(非公共)は、市町村が行う漂流・漂着ゴミや流木の処理にかかる事業等を補助対象とするのか。この支援及び補助金の目的、概要を明らかにされたい。
 4 環境省の「循環型社会形成推進交付金」の目的、概要を明らかにされたい。
 5 総務省の「頑張る地方応援プログラム」により、地方交付税等の支援措置を講じるとしているが、その目的、概要を明らかにされたい。
五 今後の調査について
 環境省が実施している「漂流・漂着ゴミ国内削減方策モデル調査」の目的、概要を明らかにされたい。同時に、国土交通省、海上保安庁は、現在、どのような調査を重点的に実施しているのか。
 今後、国としては、引き続き漂流・漂着ゴミの実態把握のために、どのような体制で調査を考えているのか。
六 地方公共団体の取り組み状況について
 漂流・漂着ゴミに対する地方公共団体の取り組み状況は、「省庁会議とりまとめ」で、若干の取り組み事例が紹介されている。現時点で、政府が把握している限りにおいて地方公共団体の取り組み状況につき、障害となっている問題や課題を含めてその概要を伺いたい。
七 地方公共団体からの要望について
 平成十八年十月の「漂流・漂着ゴミ対策連絡調整会議」等において、地方公共団体からどのような要望があがっているか具体的に伺いたい。

 右質問する。



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