質問本文情報
平成十九年十一月十六日提出質問第二三七号
ヒト胎盤エキス含有製品の安全性に関する質問主意書
提出者 泉 健太
ヒト胎盤エキス含有製品の安全性に関する質問主意書
厚生労働省は、変異型クロイツフェルト・ヤコブ病感染拡大の予防的措置として、平成十八年十月十日からヒト胎盤エキス注射剤を投与された者からの献血受入を制限することとした。
このような措置については評価するものであるが、ヒト胎盤エキスは注射剤のみならず石鹸やクリーム、ローションなど様々な形態で使用されてきたことから、国民の間に不安が広がっている。
よって、以下の通り質問する。
二 ヒト胎盤エキス含有製品の安全性を確保するためには、その原料においても、現在実施されている献血制限と同等以上の予防的措置が講じられることが必要と思われる。特に、過去に輸血歴、海外渡航歴、若しくは注射剤の投与歴がある方々からの胎盤を原料に使用することは避けるべきと考えるが、製造企業における原料入手に当たってのスクリーニングはどのように行われているのか。
三 ヒト胎盤エキス注射剤(ラエンネック、メルスモン、プラセンタという名称で用いられている注射剤)について
(1) 承認を受けた医薬品名ごとの過去十年間の国内の生産本数と消費本数、投与者数はどの程度か。また過去十年間の適用外使用による消費本数、投与者数はどの程度か。
(2) 製薬企業のホームページでは、注射剤の原料は国内で入手された安全性の高いものとの記述があるが、(1)で回答された生産本数に見合うヒト胎盤が、「二」で行われているスクリーニングを前提にしても、国内で確保されることが可能であるのか、政府の見解を求める。
(3) 平成十六年九月に、厚生労働省は「メルスモン製薬株式会社」に対して薬事法違反があったとして立入検査等を行うとともに、ヒト胎盤の入手先等について報告命令を課したと承知しているが、その報告内容はどのようなものか。
(4) 「メルスモン製薬株式会社」が無承認無許可で製造したヒト胎盤由来の製品を、美容目的に体内に埋め込む埋没療法が行われていたと考えられるが、これらを受けた者の健康被害の有無はどうなっているのか。
(5) 注射剤に係る副作用報告の内容及び件数はどうなっているのか。また、平成十七年一月に、美容目的に注射剤を投与された者が重篤な肝障害を発症した副作用例が報道されたが、肝炎ウイルスによる被害ではないのか、念のため確認したい。
(6) 注射剤を適正に使用したが、感染症に罹患した場合は「生物由来製品感染等被害救済制度」(以下「被害救済制度」という。)が適用されると承知しているが、美容を目的とする医薬品の適用外使用は、感染被害について被害救済制度が適用されない「不適正な使用」に該当するのか。
また、適用外使用が「不適正な使用」に該当する場合、美容目的の使用には被害救済制度が適用されないことを、利用者にどのように周知しているのか。そして、どの程度、国民が承知していると思われるか。
(7) ヒト胎盤を原料とする医薬品については、未知の病原体等による感染リスクが存在する。このため、平成十五年七月から「特定生物由来製品」については、感染リスクについての患者・利用者への説明が努力義務化されているが、政府においてはその実施状況をどのように把握しているのか。
また、注射剤の美容目的の使用を含め、感染リスクだけではなく、献血や臓器移植について制限を受けることを患者・利用者に説明すべきと考えるが、政府の見解を求める。
右質問する。