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平成十九年十二月十九日提出
質問第三四五号

北方領土におけるロシアの実効支配強化に対する政府の対応に関する再質問主意書

提出者  鈴木宗男




北方領土におけるロシアの実効支配強化に対する政府の対応に関する再質問主意書


 「前回答弁書」(内閣衆質一六八第三一六号)を踏まえ、再質問する。

一 「前回答弁書」では、ロシアが不法占拠している国後島においてロシア政府が進めている港湾改修事業に、日本の企業である三興プログレス社がサハリンの建設会社であるトルード・サハリン社との間で輸出契約を結んだ鋼材が使われていること(以下、「輸出問題」という。)が明らかになったことにつき、「外務省としては、三興プログレス株式会社より、同社がロシア企業に対し鉄鋼製品を輸出する際に、北方四島で当該製品を使用しないとの契約を結んでいたにもかかわらず、当該ロシア企業が契約内容に違反して国後島に輸送したものであり、現在、同社において法的手段を含めた対抗措置について検討しているとの説明を受けている。」との答弁がなされているが、では我が国の企業と北方領土を除いたロシア国内での輸出契約を結んだロシア企業が、右契約に反し、我が国企業が輸出した物資を北方領土に輸出する等の契約違反を防止すべく、外務省としてロシア政府に何らかの働きかけをしているか。
二 二〇〇七年十二月十五日付の新聞によると、北海道内の水産業者の投資・技術援助を前提に、国後島の水産会社ボズロジジェニエ社がナマコ養殖事業を計画していることが明らかになったと報じているが、外務省は右のボズロジジェニエ社によるナマコ養殖事業計画(以下、「養殖事業計画」という。)について事実関係を把握しているか。
三 「前回答弁書」では、「政府としては、我が国企業が直接であれ、他の仕向地を迂回してであれ、あたかも北方四島に対するロシア連邦の管轄権を前提にしたかのごとき形で北方四島を最終仕向地とする輸出等を行うことは、我が国の立場と相容れないとの立場に立って指導してきており、理解を得られてきているものと考えている。」との答弁がなされているが、「養殖事業計画」の進行は、右答弁でいう外務省及び政府の「指導」が何ら効果を上げていないことの証左ではないのか。
四 前回質問主意書で、「政府答弁書」(内閣衆質一六八第八五号)で触れている、ロシアが発給するビザを受けて北朝鮮をはじめとする外国人労働者が北方領土に入り、国後島古釜布の裁判所の建設現場で働いている問題(以下、「外国人労働者問題」という。)について、外務省として実態を把握するに至っているかと問うたところ、「前回答弁書」では、「外務省として、外交経路を通じた申入れ等によりお尋ねの事実関係の確認に努め、関連の情報を入手してきているが、これまでに公式に確認するに至っていない。」との答弁がなされているところ、外務省が「外国人労働者問題」についてこれまで入手してきている関連の情報とはどの様なものか、また、ロシア側のどこの部局に申し入れを行い、事実確認に努めているのか明らかにされたい。
五 「政府答弁書」にあるように、外務省が「外国人労働者問題」について未だ公式な確認もできず、「輸出問題」や「養殖事業計画」の様な、ロシア企業による我が国企業が輸出した物資の北方領土での転用並びに我が国企業の北方領土における経済活動を実質的に規制できず、ロシアによる北方領土の実効支配が強まっているのが現状であると承知するところ、前回質問主意書で問うた様に、北方領土問題解決までの間、北方領土への入域を行わない旨日本国民に対して要請している一九八九年九月十九日、一九九一年十月二十九日、一九九八年四月十七日の閣議了解(以下、「閣議了解」という。)を見直すべきではないのか。
六 五で、外務省があくまで「閣議了解」の見直しは行うべきでないと考えているのならば、「輸出問題」や「養殖事業計画」に具体的にどの様に対処するのか明らかにされたい。外務省は「前回答弁書」で、「外務省としては、この問題を根本的に解決するためには北方領土問題そのものを解決する必要があると考えており、ロシア連邦との間で北方四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結するとの方針の下、引き続きロシア連邦政府との間で交渉する考えである。」と答弁しているが、実際には北方領土問題は解決に向けて何ら前進を見せておらず、右答弁にある様な態度では「輸出問題」や「養殖事業計画」をはじめ、ロシアによる北方領土の実効支配の強化を座視することに等しく、逆に北方領土の我が国への返還を遠ざけることにつながると考えるが、外務省の見解如何。

 右質問する。



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