答弁本文情報
平成十九年十二月二十八日受領答弁第三四五号
内閣衆質一六八第三四五号
平成十九年十二月二十八日
衆議院議長 河野洋平 殿
衆議院議員鈴木宗男君提出北方領土におけるロシアの実効支配強化に対する政府の対応に関する再質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員鈴木宗男君提出北方領土におけるロシアの実効支配強化に対する政府の対応に関する再質問に対する答弁書
一について
北方領土は我が国固有の領土であり、御指摘の「北方領土を除いたロシア国内」が何を指すのか明らかではないが、御指摘の我が国企業から説明を受けた契約違反について、外務省としてロシア政府に対し働きかけを行っている事実はない。
お尋ねの事実関係については、現在、外務省において調査を行っているところである。
お尋ねの関連の情報については、報道等により、北方四島において第三国の国民等の労働者が建設作業に従事している等の情報を入手している。お尋ねの事実関係については、ロシア連邦外務省に対する申入れ等により確認に努めたが、公式に確認するに至っていない。
政府としては、あたかも北方四島に対するロシア連邦の管轄権を前提にしたかのごとき形で我が国国民が北方四島に入域することは、北方領土問題に関する我が国の立場とは相容れないと考える。政府としては、閣議了解に基づいて、我が国国民の北方領土への入域は、墓参、四島交流及び自由訪問の枠組みの下での訪問のみとし、これら以外の北方領土への入域については、北方領土問題の解決までの間、これを行わないよう、国民の理解と協力を要請してきており、これまで理解と協力を得られているものと認識している。
また、我が国の企業が北方四島において何らかの業務に従事することや我が国企業がロシア連邦の企業に輸出した鉄鋼製品が、結果的に、御指摘の事業を含め、ロシア連邦による不法占拠を助長することとなるロシア側による北方四島における施設の建設等に使用されることは、それらがあたかも北方四島に対するロシア連邦の管轄権を前提としたかのごときものであれば、北方領土問題に関する我が国の立場とは相容れないものと認識していることから、企業に対してもそのようなことを行わないよう指導しており、鋼材を輸出した御指摘の企業に対しては、先の答弁書(平成十九年十二月十八日内閣衆質一六八第三一六号)二についてで述べたとおり、引き続き指導を行うとともに、仮に、御指摘の北海道内の水産業者による北方四島における投資・技術援助が行われるとの事実関係を把握すれば、この企業に対しかかる事業へ関与しないことを求める考えである。