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平成二十年一月七日提出
質問第三七七号

福田内閣の「年金記録問題」解決への具体性に関する質問主意書

提出者  保坂展人




福田内閣の「年金記録問題」解決への具体性に関する質問主意書


 福田総理は新春にあたって、懸案の年金記録問題にふれて「こうした問題の多い年金制度を根本から見直し、受給者や加入者の立場に立って、これ以上ないというぐらいに確実な制度に改める」と決意のほどを示した。昨年末には「公約違反というほど大げさなものか」と発言し、批判を受けるや「公約かどうかさっと思い浮かばなかった」と釈明して、内閣支持率が大きく下がったのは記憶に新しい。年頭の福田総理の決意のほどを証明するためにも、年金記録問題についての質問に誠実かつ正確に答えられたい。

一 昨年十二月に衆議院厚生労働委員会で株式会社ワンビシアーカイブズ(以下「ワンビシ・アーカイブズ」と略す。)の倉庫を視察し、社会保険庁・社会保険業務センターの推測値である「千三百六十五万件」の旧台帳の保管状況をチェックした。一見すると整然と陳列してある旧台帳は、よく観察してみると番号順に並んでいるわけでなく「どうしてこんな並べ方をしているのか」と与野党議員からも疑問の声があがった。
 厚生年金保険法二十八条で保存義務が課せられているにもかかわらず、社会保険庁長官も「旧台帳の保管数は千三百六十五万件です」と断言出来ない状況が続いている。視察を終えて、保管状況の確認が出来たというよりは「疑問がふくらんだ」というのが共通の感想ではなかったかと思う。まず、倉庫の状況について、いくつか確認したい。
 平成九年にワンビシ・アーカイブズと契約して旧台帳を移転するまでの間、この台帳は東京都田無市にあったとのことだが、その倉庫は民間業者のものだったのか。業者名と契約期間、年間契約料金を明らかにされたい。また、社会保険業務センターが預けていたのは旧台帳以外に何だったのか。策出方法はどうだったのか。
二 東京都田無市の倉庫に搬入されるまでの旧台帳の保管場所の変遷を明らかにされたい。一の質問同様に、旧台帳以外に預けていたのは何か。策出方法も明らかにされたい。
三 私が確認したところ、各県別に旧台帳の中央統合時の分類区分「現存台帳」「再取得台帳」「五十番台帳」「一般喪失台帳(使用度の低い台帳)」「一般喪失台帳(その他の台帳)」の五つに分類されたもののうち、「五十番台帳」を除く四つの区分に従って保管されていた。旧台帳保存倉庫における四つの区分を具体的に説明されたい。
 民間倉庫のスペースを借りて全国の社会保険事務局から出張して「旧台帳」を探している作業現場には、主な旧台帳収容箱以外に「別人台帳・事故台帳」「五十番台帳」「いったん抜いて戻していない台帳」が置いてあり、このすべてをチェックするとのことだった。それぞれ、何件の台帳を保管しているのか。
四 年末ぎりぎりの十二月二十八日まで「五千万件」の名寄せのために、全国三十ヶ所の社会保険事務局の職員が近くに泊まりがけで、旧台帳を探し当てる作業を重ねたと聞いている。まず、社会保険業務センターはワンビシ・アーカイブズに対して、この作業のために旧台帳を日常保管している「八十坪」のスペース以外の別の場所を確保したと説明を受けたが、新たに賃貸契約を取り交わしたのか。その賃料・人件費・手数料などはいくら支払うことになっているのか。契約期間はどのぐらいの日数なのか。
五 年金をめぐる国会論戦では「旧台帳がたとえ紛失していても、各県の社会保険事務局にある名簿などを参照することで、受給者の記録を確認することが出来る」という趣旨の答弁があった。ならば、なぜワンビシ・アーカイブズへわざわざ三十ヶ所の社会保険事務局が出張して「台帳探し」をしなければならないのか。従来の答弁との整合性に欠けると感じるが、なぜ倉庫の現場での作業が必要になるのか合理的な説明をしてほしい。
六 倉庫に出張して作業している社会保険事務局の職員は、一日で何件ぐらいの記録の「存否」を確認しているのか。また、この倉庫での確認作業で「氏名」を割り出すことが出来たのは、何件になるのか。確認出来る範囲で答えられたい。
七 倉庫への宿泊・出張旅費を支払うのは年金財源の事務費からなのか。これらの実費及び手当ては、一日平均、いくらの支払いになるのか。
八 「五百二十四万件」の台帳調べは終了したのか。また、五千万件の中で、九百五十四万件と言われる基礎年金番号への統合困難な記録の調査のために、改めて社会保険事務局職員の宿泊・出張体制をとる必要はあるのか。ある場合は、その理由も示されたい。ない場合、旧台帳を照合しなくていい理由を示されたい。
九 現状の旧台帳の保存状態は改善が必要であり、最低限「年金手帳番号順」に並べ替えること。PDFファイルなどで紙台帳を複写し、年金手帳番号と整理番号を登録して、コンピューター上でソートし直すことが早道にならないか。大量の職員を出張・宿泊させ、手作業で非効率な作業をさせることを考えると、費用や時間の面でも、優先順位をあげて検討するべきではないか。また、旧台帳がいくつあるのかも社会保険業務センターは八月から「確認中」のまま、実はいっこうにその確認すらされない。私の提案のように整理すれば、自動的に保管枚数も把握できるのではないか。見解を問う。
十 平成十九年十月総務省年金記録問題検証委員会の『年金記録問題検証委員会報告書』(以下『報告書』と略す。)の『年金記録システムの調査結果』によると、厚生年金被保険者記録は、昭和三十二年十月から厚生省保健局年金業務室(当時)において従来の紙台帳方式からパンチカード方式に変更された。「進達記録票」を入力する方式は昭和三十七年まで続いたということだが、この時期の入力の元となった「進達記録票」はどこに保存されているのか。その数は何件となるのか。また、昭和三十二年から三十七年までの紙台帳は存在するのか。その件数は何件で、それらの記録はどこにあるのか。
十一 昭和三十七年、社会保険庁年金保険部業務課において次にパンチカード方式は磁気テープによる管理に移行する。当時の入力の元となったのは「進達記録票」とされているが、この「進達記録票」は保存されているのか。昭和三十七年からいつまでの間、紙テープをさん孔するこの方式が継続していたのか。その間、入力の元となった原票の件数は何件となるのか。また、現在、どこにあるのか。
十二 『報告書』の「年金記録の保管状況に関する調査結果」(三百四十九ページ)には、「マイクロフィルム化した厚生年金喪失台帳(昭和六十二年三月時点で千四百三十万件)及び紙媒体の一部並びに磁気テープ化した元の紙媒体を保管している」とある。「紙媒体の一部」とは、別人台帳・事故台帳のことか。
十三 『報告書』三百四十九ぺージによると、「マイクロフィルム化しなかったその他の者の厚生年金喪失台帳は昭和四十四年から五十二年にかけて磁気テープ化し」とある。旧台帳の保有状況として社会保険庁が発表している「一般喪失台帳」の「その他の者の台帳」は、「三百五十六万件」であり紙台帳として倉庫に保管されている。一方で、マイクロフィルム化済として千七百五十四万件のうち社会保険庁が説明する「マイクロフィルム化もしたし、磁気テープ化もした三百二十四万件」の紙台帳は、千三百六十五万件同様の紙台帳としての保存が必要だとして、民間倉庫に保管されているのではないか。すると、保管総数は、千六百八十九万件である可能性はないか。三百二十四万件の紙台帳が民間倉庫にないとすると、どこにあるのか。
十四 マイクロフィルム化した総件数は千四百三十万件で、千七百五十四万件は誤りではないのか。マイクロフィルム化した紙台帳を廃棄したのはいつだったのか、当時の廃棄台帳件数はいくつだったのか。
十五 「旧台帳の保有状況」によると、「一般喪失台帳(使用度の低い台帳)」の中で、昭和三十四年四月以降に再取得した旧台帳四十八万件とあるが、いつまでの期間の件数なのか。また、生年月日及び種別が資格マスターと一致する旧台帳が十一万三千件とあるので、一致しなかった旧台帳は三十六万七千件ということになる。四分の三が不一致なのはなぜか。また、この三十六万七千件とは事故台帳なのか。どこに保管されているのか。
十六 昨年十二月十二日の厚生労働委員会で、舛添厚生労働大臣は「八億五千万枚の紙台帳」の存在を認めている。ところで、この八億五千万枚の中に旧台帳の紙台帳は含まれているのか。含まれていないのなら、その理由は何か。

 右質問する。



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