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平成二十年一月八日提出質問第三八八号
防衛省における上官による自衛隊新入隊員の給料の着服・横領に関する質問主意書
提出者 鈴木宗男
防衛省における上官による自衛隊新入隊員の給料の着服・横領に関する質問主意書
一 講談社発行の「現代」二〇〇〇年九月号に、ノンフィクションライターの飯田守氏による「追及ルポルタージュ 二十一歳三等海曹はなぜ自殺したか」との見出しの論文が掲載されており、その論文の中に、
「しかし、佐世保海上自衛隊の異常な体質を象徴するような、さらなる不祥事が明らかにされつつある。それは上官による新入隊員など七十人からの給料の着服事件である。
佐世保教育隊では新入隊員の預金通帳と印鑑を、『金銭の浪費を防ぐ』名目で教育係の班長が管理していた。
現金が必要な際には、木曜日までに希望金額を伝え、金曜日に郵便局員がまとめて現金を班長に届けるシステムをとっていた。払戻し金受領書に記載する住所や氏名はすべて市販のゴム印で済ませていたので、その担当者が隊員の給料を着服するのはいたって簡単だった。それにしても倫理観の著しい欠如と腐敗ぶりには驚くしかない。
実は悟もその被害者の一人で、身に覚えのない引き出し金が九回、約六十四万円にも上っていたという。
この着服事件は、悟の自殺を不審に思った国会議員を中心とする社民党調査団の調査が入った直後の五月二十四日、疑惑の班長が逮捕されたが、被害金額などは解明されていない。」
との記述(以下、「記述」という。)があるが、「記述」にある様に、佐世保海上自衛隊の教育隊で、新入隊員の預金通帳と印鑑を管理し、後に逮捕されたという教育係の班長(以下、「班長」という。)の氏名を明らかにされたい。
二 「班長」が新入隊員の預金通帳と印鑑を自身が管理した法令上の根拠を明らかにされたい。
三 「班長」が逮捕された容疑は何か。
四 「班長」は現在も防衛省に勤務しているか。退職したのならば、退職した日にち並びに「班長」に対して退職金が支払われたか否かについて明らかにされたい。
五 「記述」にある「班長」による新入隊員の給料のかすめ取りは、「政府答弁書」(内閣衆質一六七第五号)で定義する着服、横領に該当するか。
六 「記述」によれば、「班長」によりかすめ取られた金額等は明らかになっておらず、事件の全貌は明らかになっていないとのことであるが、「班長」が新入隊員からかすめ取った金額は合計いくらになるか、防衛省として把握しているか。
七 六の金銭は「班長」により私的に費消されたのか。
八 防衛省において、佐世保海上自衛隊の教育隊以外に、「記述」にある様な、新入隊員の預金通帳と印鑑を教育係の班長または上官が管理し、新入隊員の給料がかすめ取られたという事実はあるか。
右質問する。