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平成二十年三月四日提出
質問第一三八号

先住民族の定義及びアイヌ民族の先住民族としての権利確立に向けた政府の取り組みに関する質問主意書

提出者  鈴木宗男




先住民族の定義及びアイヌ民族の先住民族としての権利確立に向けた政府の取り組みに関する質問主意書


 「政府答弁書」(内閣衆質一六九第一〇六号)を踏まえ、以下質問する。

一 アイヌ民族が「先住民族」であるかどうかに関し、「先住民族」の国際的定義が確立されていないことを理由に判断できないと政府が認識していることについて、むしろ政府が積極的に「先住民族」の定義を確立すべく国際社会に呼びかけ、国際的議論の場を作っていく考えはないかとの問いに対して、「政府答弁書」では「先の答弁書(平成二十年二月十九日内閣衆質一六九第六三号)四についてで述べたように、『先住民族』の定義については、長年にわたる国際連合(以下「国連」という。)での議論が収れんしておらず、政府としては、将来『先住民族』の定義について国際的な議論がなされる機会があれば、議論に参加していきたいと考えているが、現在のところそのような機会が生じるかどうかは予断できない。」との答弁がなされている。しかし、当方が重ねて問うているのは、政府が「将来『先住民族』の定義について国際的な議論がなされる機会があれば、議論に参加していきたいと考えているが、現在のところそのような機会が生じるかどうかは予断できない。」と考えている機会を、政府自らが国際社会に呼びかけるなどして作る様努め、政府が「長年にわたる国際連合(以下「国連」という。)での議論が収れんしていない」と考えている「先住民族」の定義についての国連での議論を、収れんの方向へと持っていく様努め、そして政府が「政府答弁書」で「『先住民族』については、現在のところ、国際的に確立した定義がない」と考えている「先住民族」の定義の確立に向け、積極的な役割を果たす考えはないのかということである。政府として右の様に積極的な役割を果たしていく考えを有しているのか否か、質問の趣旨を正確に理解した上で、明確な答弁をすることを求める。
二 「政府答弁書」では、国際人権規約の社会権規約や自由権規約、人種差別撤廃条約の各々の条約審査委員会(以下、「委員会」という。)により、アイヌ民族を先住民族であるとの前提でその権利を促進する勧告が我が国政府に対してなされていることについて、「個人資格の専門家から構成されるこうした委員会の見解はいずれも法的拘束力を有するものではないが、その内容等を十分に検討した上で、政府として適切に対処していきたいと考えている。外務省は、御指摘の委員会から最終見解が出された後に、関係省庁に最終見解を周知した。」と答弁しているが、「委員会」の最終見解を関係省庁に周知した上で、我が国のアイヌ民族についての施策に何らかの形でそれを活かす考えはあるか。
三 「政府答弁書」では、二〇〇八年二月十三日、オーストラリア連邦議会下院において、親子強制隔離政策により被害を受けたアボリジニに対して初めて公式に謝罪する動議を全会一致で採択し、ラッド首相が同日の議会で公式に謝罪をしたこと(以下、「公式謝罪」という。)について、「御指摘のオーストラリア政府のアボリジニに対する謝罪については、オーストラリアの内政に関する事項であり、政府としての評価は差し控えたい。」としつつ、「御指摘については、在オーストラリア日本国大使館より外務本省に対し報告され、政府部内で情報を共有した。」と答弁しているが、「公式謝罪」についての情報を政府部内で共有した上で、我が国のアイヌ民族についての施策に何らかの形でそれを活かす考えはあるか。
四 一九九七年に廃止された北海道旧土人保護法をはじめ、過去における政府のアイヌ民族に対する施策の数々は、アイヌ民族に対する差別や偏見を助長し、アイヌ民族の方々に経済的、精神的苦痛を与えるものではなかったか。政府の認識如何。

 右質問する。



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