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平成二十一年二月四日提出
質問第八六号

第二次世界大戦の不発弾処理に関する質問主意書

提出者  照屋寛徳




第二次世界大戦の不発弾処理に関する質問主意書


 去る一月十四日午前八時二十分ごろ、沖縄県糸満市小波蔵の糸満市発注水道工事で、水道管埋設のため二十五歳の男性作業員がパワーショベルで地面を掘削中、突然爆発が起こる事故が発生した。当該作業員は顔面に重傷を負い、また、約五十メートル離れた特別養護老人ホーム「沖縄偕生園」の窓ガラス約百枚が爆発の衝撃波で割れ、入所者のお年寄りが足に軽傷を負うなどした。沖縄県警は、係る爆発は沖縄戦で使われた米国製二百五十キロ爆弾の不発弾によるものと断定している。
 政府によると、一九七二年の沖縄本土復帰以降、二〇〇八年末まで、不発弾による人身事故は十六件起き、六人が死亡、五十六人が負傷している。戦後六十三年が経過した今なお、沖縄では戦争の負の遺産によって第二次世界大戦や沖縄戦とは直接には何の関係もない人々が苦しめられているのである。
 こうした事態にもかかわらず、不発弾の磁気探査や処理にかかる費用は国が全額を負担せず、自治体への補助にとどまっているほか、被害者への補償は過去一度もなされていないなど、不発弾探査、処理、補償を巡っては国の理不尽な対応や制度上の矛盾がある。
 以下、質問する。

一 第二次大戦で使用された不発弾について、国は一九五三年までは探査を国の直轄事業として位置づけ、本土復帰前だった沖縄を除く各都道府県に委託して実施していたという。それは事実か。一九四五年八月以降、国として不発弾探査をいつからいつまで、どのような形で実施したのか、処理にかかった費用を明らかにした上で、事実関係を詳細に示されたい。
二 都道府県に委託した国の不発弾探査は一九五三年で終了し、以後は自衛隊に委託されたというが事実か。事実であれば、なぜ都道府県への委託をやめたのか、理由を明らかにされたい。また、一九五三年以降、自衛隊はいつまで不発弾探査をしたのか、さらにその期間中、自衛隊が発見し、処理した不発弾は何発、重量でどれほどあるのか。年度別に明らかにした上で、自衛隊による不発弾探査が中止された理由を示されたい。
三 現在、不発弾探査の実施は事業発注者の判断に任せられている。こうした措置はいつから始まったのか、またその根拠となる法律があるのであれば明らかにされたい。その根拠となる法律がないのであれば、何を根拠に自治体など事業発注者の判断に任せているのか。どうしてこれまで法律が整備されなかったのか、政府の見解を明らかにされたい。
四 一九四五年八月から二〇〇八年十二月まで、都道府県別の不発弾発見数と、処理件数、総重量、処理にかかった費用総額を明らかにした上で、係る不発弾処理に対する政府の見解を示されたい。
五 沖縄県の不発弾探査に国の補助(地方交付税措置を含む)がなされたのは、本土復帰の一九七二年ではなく、その三年後の一九七五年からだという。それは事実か。事実であれば、なぜ沖縄では三年間も国の補助が手当てされなかったのか、理由を明らかにされたい。
六 都道府県や市町村が実施する不発弾の探査は、事業によって国の補助率が変わる。例えば都市公園整備では五割、下水道は三分の二、道路は八〜九割といった具合である。同じ不発弾探査なのに、なぜ事業種別によって補助率が変わるのか。政府は、補助対象の事業種とそれぞれの補助率を明らかにした上で、このように補助率が異なる理由を明らかにされたい。
七 市町村の不発弾探査に対する補助は、内閣府や農林水産省の事業に伴うものであれば十割補助だが、国土交通省は事業種によって補助率が変わる。事業によって所管官庁が違うためだと考えるが、まさしく縦割り行政の弊害ではないか。そもそも同じ不発弾処理に係る事業であるにもかかわらず、なぜ所管官庁が違えば補助率が変わるのか。政府は、事実関係と各事業種別の補助割合の根拠となる法律をそれぞれ明らかにした上で、現行の不発弾処理制度を改革し、省庁横断的に一元化する意図はあるのか、見解を示されたい。

 右質問する。



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