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平成二十一年二月五日提出
質問第九三号

刑事訴訟法第四百七十九条に関する質問主意書

提出者  鈴木宗男




刑事訴訟法第四百七十九条に関する質問主意書


 刑事訴訟法第四百七十九条に「死刑の言渡を受けた者が心神喪失の状態に在るときは、法務大臣の命令によつて執行を停止する。」と明記されている。右を踏まえ、質問する。

一 刑事訴訟法第四百七十九条にある「心神喪失の状態」とは、どの様な状態を示すのか説明されたい。
二 死刑判決を受けた者が、刑事訴訟法第四百七十九条でいう「心神喪失の状態」であるか否かの判断は、誰により、どの様な方法によって下されるのか説明されたい。
三 過去に刑事訴訟法第四百七十九条の適用を受け、死刑執行を停止された事例はあるか。あるのなら、その具体的事例を全て挙げられたい。
四 過去に死刑判決を受けた者のうち、刑事訴訟法第四百七十九条の適用を受け、「心神喪失の状態」にあると判断され、医療刑務所、または精神科病院へ移送された者はいるか。
五 昭和四十一年に静岡県で発生した強盗殺人放火事件で犯人とされ、死刑が確定したが、冤罪を訴えて再審を請求している元プロボクサーの袴田巖氏の弁護団(以下、「弁護団」という。)が、平成二十年十一月七日法務省を訪問し、同省の矯正局成人矯正課補佐官、刑事局参事官、同局企画調査室長が「弁護団」に応対したと承知する。その際「弁護団」より、森英介法務大臣あての、袴田巖死刑囚(再審請求中)に関する病院移送及び死刑執行停止の申入書(以下、「申入書」という。)、平成二十年八月一日付で日本精神神経学会・法倫理関連問題委員会・多摩あおば病院の中島直医師らによって作成された死刑確定者(再審請求中)袴田巖氏の精神状態に関する意見書(以下、「意見書」という。)及び平成十九年十一月七日付で国立精神・神経センター精神保健研究所岡田幸之氏によって作成された鑑定書(以下、「鑑定書」という。)が手渡されたと承知するが、右の三通はいつ森大臣に手渡されたのか明らかにされたい。
六 森大臣は右の「申入書」、「意見書」、「鑑定書」に自ら目を通し、その内容を把握しているか。
七 「申入書」、「意見書」、「鑑定書」に対する森大臣の見解如何。
八 昨年四月二十二日に行われた衆議院決算行政監視委員会第四分科会において、当時の鳩山邦夫法務大臣は心神喪失状態にある死刑囚について「心身の状況、とりわけ心神喪失ということになると死刑の執行はできませんので、その点については矯正局長にもいつも申し上げて、これは徹底して精査するように、常に精査しているように、私としては命じているつもりでございます。」と答弁しているが、袴田氏が刑事訴訟法第四百七十九条でいう「心神喪失の状態」にあり、死刑執行が停止されるべきか否か、これまで法務省においてきちんとした検討はなされてきたか。
九 袴田氏は刑事訴訟法第四百七十九条の「心神喪失の状態」にあり、死刑執行が停止されるべきであると考えるが、森大臣の見解如何。

 右質問する。



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