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平成二十一年四月十三日提出
質問第三〇三号

広報予算と選挙の関係等に関する質問主意書

提出者  保坂展人




広報予算と選挙の関係等に関する質問主意書


 政府の政策を国民に浸透させていく事業として、広報、普及啓発、国民運動などがある。これらの予算についても、国民の税金を使う以上、その執行によって所定の効果を上げなければ、国民の税金の無駄遣いとなる。
 総理大臣や各府省の大臣が、率先して広報に努めることも一つの方法であるが、他方、特定の課題についての与党の政策が政府の政策とほぼ同じで野党の政策とは異なる場合があり、このような場合、選挙期間中はもとより、国民が選挙を意識している時期に、与党と同様の政策を政府が政府広報予算等を使って広報等を行うことは、税金を使って与党の宣伝を行うことに等しいし、また、政府広報予算等を使って与党議員である大臣等が露出することは税金を使ってその候補予定者を宣伝することに等しく、公正な選挙を行う見地からは、抑制すべきである。
 従って、次の事項について質問する。

一 広報予算等と選挙について
 平成二十一年二月四日付の広報予算等に関する質問主意書における「今年中には、総選挙が確実に実施されるが、内閣総理大臣または各府省庁の大臣、副大臣、大臣政務官が政府の広報等に登場することについて、選挙との関係で、特定の見解を有しているか。」との質問に対して、同年二月十三日付で「お尋ねについては、政府の行政施策の広報として行われるものであれば、公職選挙法上の問題は生じないと考えている。」との回答があった。
 平成十九年の参議院議員選挙においては、環境省の地球温暖化国民運動予算を使っての広告に総理大臣や環境大臣を起用したことに対して民主党から質問があり、同年十月二十三日環境委員会において、村井宗明議員の「環境省の広報予算だけは特定政党の政治家ばかりをどんどんと使った。中立的なタレントを使う方が、そして国民に親近感のあるタレントを使う方がはるかに広報効果があるにもかかわらず、他の省庁からは、環境省の予算だけは特定政党の選挙予算みたいなものだと陰口をたたかれる始末でした。私は大臣に期待しています。新しい環境大臣はきっと、環境省の広報予算は、特定政党の宣伝などに利用されることなく、結果的に中立に使用するべきだと思うんですが、大臣はどのように思われますでしょうか。」との質問に対して、鴨下一郎環境大臣(当時)は「環境省としましては、広告に関する政治的中立性を保つことに努めておりますが、今後とも、特定の政党や候補者を支持する、あるいは、これらに反対することを目的としているとの誤解を与えないよう配慮をし、政治的中立性を欠くことがないように一層配慮することが必要であると考えております。したがいまして、広告に関する出演者については、人物を使用しない、または、人物を使用する場合には著名なタレントなどを使用する広告とする、こういうようなことにいたします。」と答弁している。
 この答弁について、
 (1) 麻生内閣としては、鴨下一郎環境大臣(当時)の国会答弁のように、選挙が意識されている時期でなくても政党に属している総理大臣や各省大臣、副大臣、大臣政務官等を起用しないとする考え方は、政府の広報予算の使い方として正当なものであり、これを維持していくべきと考えているか、あるいは、これは誤った考え方であり、公職選挙法上問題がないとして、選挙期間中あるいは選挙が意識されている時期であっても政府の行政施策の広報として行われるものであれば、選挙候補者となる可能性が高い総理大臣や各省大臣、副大臣、大臣政務官等が政府広報に露出してもよいと考えているか、明確にされたい。
 (2) 麻生内閣としては、選挙期間中あるいは選挙が意識されている時期において、与野党の間で争いのある政策について、政府広報予算等を用いて、与党の政策を広報することは、政治的中立性の観点から、どのように考えているか、明確にされたい。
二 国民本位の業者選定について
 平成二十一年二月四日付の広報予算等に関する質問主意書における「政府として、特定の業者が継続して特定の予算(執行事業)を受注することができないようにしたり、予算を小分けにして多数の業者に分散したりすることを、行っている事実はあるか。」等の質問に対して、同年二月十三日付で「それぞれその意味するところが必ずしも明らかではないこと等から、その有無についてお答えすることは困難である。」との回答があった。
 例えば、環境省の平成二十一年度の地球温暖化に関する事業について、「CO2削減アクション推進事業委託業務の概要及び企画書作成事項」では、「環境省においては、外部有識者等による事業推進委員会を設置し、1)の資料及びその他の資料を整理し、対外的に国民運動が適正に行われていることを、透明性をもって国民に示し、理解を得るよう検討を行う。」としつつも、「事業の効率性及び効果を高めるため、原則として、本事業及び本事業と同時に公募する『低炭素社会づくり推進事業』については、異なる事業者を選定する。なお、一事業者が、両事業について受託希望順を付けて応募することを妨げない。」として、企画の内容如何にかかわらず、同一事業者による受託を排除している。
 このような扱いについて、
 (1) 質問主意書への回答では、「随意契約の中には、企画競争によるものがあるが、これは、複数の者に企画書等の提出を求め、その内容について審査を行うことにより、契約の相手方を決定するものである。」「一般競争入札による契約については、会計法第二十九条の六第一項の規定に基づき予定価格の制限の範囲内で最低の価格をもって申込みをした者を契約の相手方としている。」としているが、環境省の措置は、企画の審査結果如何によらず、同一事業者であるというだけで排除されることになり、このような措置が入札や企画競争において行われるならば、審査以前に競争が排除されることになり、あるいは、審査結果で最も適切とされた提案が同一事業者ということだけで排除されることになって、不適切な選考措置ではないか。
 (2) また、同一事業者を排除する理由として「事業の効率性や効果を高めるため」とされているが、一般競争入札でも、複数の事業を入札する場合において、同一事業者が「予定価格の制限の範囲内で最低の価格をもって申し込みをした者」となった場合に、「事業の効率性や効果を高めるため」に一方の事業から排除することは、会計法上適切な措置か。
 (3) 企画競争随意契約の場合にあっても、本件に即して言えば、関連のある事業をひとくくりにして束ねて事業の効率性や効果を高めるのではなく、あえて、予算を小分けにして委託することが、どうして「事業の効率性や効果を高める」ことになるのか、具体的に明らかにされたい。また、「事業の効率性や効果を高めるため」という理由を、「その内容について審査を行うこと」により「もっとも適切とされた提案」より優先させることを正当化しうる説得的な理由は何か。

 右質問する。



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