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平成二十三年二月二十一日提出
質問第八六号

平成二十三年度以降に係る防衛計画の大綱に関する質問主意書

提出者  佐藤茂樹




平成二十三年度以降に係る防衛計画の大綱に関する質問主意書


 平成二十二年十二月十七日、政府は、「平成二十三年度以降に係る防衛計画の大綱」(以下、「新大綱」)を閣議決定した。これによると、
 「今後の防衛力については、防衛力の存在自体による抑止効果を重視した、従来の「基盤的防衛力構想」によることなく、各種事態に対し、より実効的な抑止と対処を可能とし、アジア太平洋地域の安全保障環境の一層の安定化とグローバルな安全保障環境の改善のための活動を能動的に行い得る動的なものとしていくことが必要である。このため、即応性、機動性、柔軟性、持続性及び多目的性を備え、軍事技術水準の動向を踏まえた高度な技術力と情報能力に支えられた動的防衛力を構築する。」
とある。右を踏まえ、以下、質問する。

一 「今後の防衛力については、(中略)動的防衛力を構築する」としているが、「動的防衛力」とはどういう定義なのか、政府の見解如何。
二 「平成十七年度以降に係る防衛計画の大綱」(以下、「一六大綱」)では、今後の防衛力について、「今後の我が国の防衛力については、即応性、機動性、柔軟性及び多目的性を備え、軍事技術水準の動向を踏まえた高度な技術力と情報能力に支えられた、多機能で弾力的な実効性のあるものとする。」と記述している。「一六大綱」の「多機能で弾力的な実効性のある防衛力」と「新大綱」の「動的防衛力」の記述は、極めて類似した表現となっているが、「多機能で弾力的な実効性のある防衛力」と「動的防衛力」の相異点は何か、政府の見解如何。
三 「新大綱」において、「動的防衛力」の観点として、「平素から情報収集・警戒監視・偵察活動を含む適時・適切な運用を行い、我が国の意思と高い防衛能力を明示しておくこと」「装備の運用水準を高め、その活動量を増大させることによって、より大きな能力を発揮することが求められており、このような防衛力の運用に着眼した動的な抑止力を重視していく」との記述がある。
 減額されている防衛予算及び中期防衛力整備計画(平成二十三年度〜平成二十七年度)の所要経費の中で、平素から、装備の運用水準を高め、その活動量を増大させることはかなり困難であると考えるが、限られた予算の中でどのようにして、「動的防衛力」を実施するのか、政府の見解如何。
四 「基盤的防衛力構想」は、「昭和五十二年度以降に係る防衛計画の大綱」(「五一大綱」)において考え方が示され、「平成八年度以降に係る防衛計画の大綱」(「〇七大綱」)においても基本的に踏襲され、「一六大綱」において、有効な部分は継承されてきた防衛力の考え方である。
 何故、「新大綱」では、従来の「基盤的防衛力構想」によらないこととされたのか、その理由如何。
五 「基盤的防衛力構想」は、「我が国に対する軍事的脅威に直接対抗するよりも、自らが力の空白となって我が国周辺地域の不安定要因とならないよう、独立国としての必要最小限の基盤的な防衛力を保有する」という考え方である。
 この定義の通り、ある意味で、「基盤的防衛力構想」は独立国としての必要最小限の基盤的な防衛力整備及び専守防衛の基本理念を担保するための役割も果たしてきたと考える。「新大綱」は「基盤的防衛力構想」によらないことによって、必要最小限の防衛力整備や専守防衛の基本理念を逸脱することにならないか懸念があるが、政府の見解如何。
六 「基盤的防衛力構想」によらずに、必要最小限の防衛力整備や、専守防衛に徹し他国に脅威を与えるような軍事大国にならないとの基本理念を担保するための防衛力の新たな歯止めを、どのように考えているのか、政府の見解如何。

 右質問する。



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