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平成二十四年三月八日提出
質問第一二七号

秘密保全のための法制の在り方に関する有識者会議の情報開示に関する質問主意書

提出者  塩川鉄也




秘密保全のための法制の在り方に関する有識者会議の情報開示に関する質問主意書


 現在、政府は、「秘密保全のための法制の在り方に関する有識者会議」(以下、「有識者会議」)が、昨年8月に発表した報告書「秘密保全のための法制の在り方について」(以下「報告書」)に基づいて、法案を準備している。この報告書が提起する秘密保全法制については、報告書自身が、「ひとたびその運用を誤れば、国民の重要な権利利益を侵害するおそれがないとは言えない」と書かざるをえないものである。国民の重要な権利利益をどのように侵害するおそれがあるのか、その運用を誤らない政権というのはありうるのかなど、この法制の本質が広く明らかにされる必要がある。そのためには、まず、法案作りの土台とされる「報告書」の策定過程、「有識者会議」の議論の過程が明らかにされる必要がある。

一 首相官邸のホームページの秘密保全のための法制の在り方に関する有識者会議の開催状況において、第1回から第6回の会議の配付資料が開示されている。三月八日午前十一時現在、第1回会議では、資料1〜6、第2回会議では、資料1〜2、第3回会議では、資料1〜2、第4回会議では、資料1〜2、第5回会議では、資料が開示されている。現時点において、開示されている資料は、以上のとおりに間違いないか。
二 「有識者会議」に配付された資料において、三月八日午前十一時時点において、首相官邸のホームページ上に開示されていない資料は、どのくらいあるのか。各会議ごとに、配付された資料のサイズ(A4版など)および枚数を明らかにされたい。
三 「有識者会議」に配付された資料において、三月八日午前十一時時点において、首相官邸のホームページ上に開示されていない資料について、各タイトルを明らかにされたい。
四 「有識者会議」に配付された資料において、三月八日午前十一時時点において、首相官邸のホームページ上に開示されていない資料について、政府が、開示できないと判断する情報を記した図表は、何点あり、開示できないと判断する情報を記した文章の字数はどのくらいあるのか。また、開示できると判断する情報を記した図表は、何点あり、開示できると判断する情報を記した文章の字数はどのくらいあるのか。各会議の資料のペーパー1枚ごとに、それぞれの図表数、字数を示されたい。
五 「有識者会議」に配付された資料において、三月八日午前十一時時点において、首相官邸のホームページ上に開示されていない資料について、資料のうち政府が、開示できると判断する部分について、全文を明らかにされたい。
六 「有識者会議」の第6回会議の議事要旨には、「事務局から、配付資料に基づき、報告書(案)について議論のポイントを説明した」とある。この「配付資料」は、報告書(案)なのか。そのタイトル、目次、サイズ、ページ数、字数を明らかにされたい。
七 「有識者会議」の第6回会議の議事要旨にある「配付資料」には、政府が、開示できないと判断する部分があるのか。あるとすれば、非開示と判断した図表の点数及び、文章の字数を明らかにされたい。
八 「有識者会議」の第6回会議で配付し、それに基づいて報告書(案)について議論のポイントを説明した配付資料のうち、政府が開示できると判断した部分について、その全文を明らかにされたい。
九 「有識者会議」に配付された資料において、三月八日午前十一時時点において、首相官邸のホームページ上に開示されていない資料について、非開示としている理由をそれぞれについて明らかにされたい。とりわけ、第6回会議で事務局が報告書(案)のポイントを説明した配付資料は、「報告書」の案と考えられるが、公表されている「報告書」の案をなぜ、開示していないか理由を示されたい。
十 昨年6月10日に行われた第6回の「有識者会議」で報告書案が議論されたのちに、「報告書」が公表されたのは、約2カ月後の8月8日であった。第6回会議の内容を「報告書」に反映する作業は、「有識者会議」の委員自身の手によって行われたのか。それとも、事務局によって行われたのか明らかにされたい。
十一 第6回会議の内容を反映する作業を終えた「報告書」の内容について、「有識者会議」委員による最終的な確認はどのように行われたのか明らかにされたい。
十二 「有識者会議」の第1回会議議事要旨によれば、秘密保全のための法制の在り方に関する有識者会議の運営について、「会議は非公開とすること、議事要旨は原則として公開すること等が決定された」とある。この「公開すること等」の「等」は何を指しているのか明らかにされたい。
十三 「有識者会議」の第1回会議で、「会議は非公開とすること、議事要旨は原則として公開すること等が決定された」とされているが、配付資料の扱いについては、どのように決定されたのか明らかにされたい。
十四 「有識者会議」の第1回会議で、「会議は非公開とすること、議事要旨は原則として公開すること等が決定された」とされているが、この内容は、有識者自身が発議したものか。それとも、事務局の側から、「有識者会議」、あるいは、「有識者会議」委員、あるいは座長に提案したうえで、その内容にそって「有識者会議」が決定したものか明らかにされたい。
十五 「有識者会議」の第1回会議で、「会議は非公開とすること、議事要旨は原則として公開すること等が決定された」とされているが、この内容を記したペーパーを事務局は、準備したか。準備したのであれば、その全文を明らかにされたい。また、そのペーパーが非開示である場合は、その理由を明らかにされたい。
十六 「有識者会議」の第1回会議で、「会議は非公開とすること、議事要旨は原則として公開すること等が決定された」とされているが、有識者からは、会議を公開とすること及び、議事要旨ではなく、議事録を作成することとする意見はでなかったのか。全員が、会議の非公開、議事録ではなく議事要旨の作成に賛成したのか明らかにされたい。
十七 今後、議事録の作成を行うことが必要になった場合、そのために必要な録音や録画データは、残っているのかどうか明らかにされたい。
十八 「報告書」は、「ひとたびその運用を誤れば、国民の重要な権利利益を侵害するおそれがないとは言えない」としている。そうしたおそれのある法制であればあるほど、法案を策定する上で尊重することとされている「報告書」の策定の経緯は全面的に明らかにされるべきである。まず、配付資料のうち、政府が開示できると考えている部分については、即刻、ホームページ上にアップするなど開示すべきではないか。
十九 「有識者会議」を非公開とし、議事録を作成せず、配付資料も一部のみしか公開していない。「報告書」は、「ひとたびその運用を誤れば、国民の重要な権利利益を侵害するおそれがないとは言えない」としているが、その法制の準備過程においても、秘密でないものすら開示せずに秘密扱いしており、国民の知る権利に対して政府の対応は、十全に応えるどころか、極めて後ろ向きなものだったと断ぜざるを得ない。野田内閣の見解を問う。

 右質問する。



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