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平成二十四年三月十五日提出
質問第一四〇号

原子力損害賠償紛争審査会指針の賠償対象区域に関する第三回質問主意書

提出者  秋葉賢也




原子力損害賠償紛争審査会指針の賠償対象区域に関する第三回質問主意書


 私が提出した質問主意書(平成二十四年二月六日提出質問第四九号)に対する政府の答弁書には、誠意ある回答は何もみられなかった。そこで、再質問主意書(平成二十四年二月二十四日提出質問第一〇〇号)を提出し、改めて政府に誠実な回答を求めたが、政府の答弁書には全く誠意ある回答はなされず、誠に遺憾である。
 私は、地元住民の方々の切実なる実情を詳しく申し上げた上で三問を個別に質問し、一問ごとにそれぞれ回答するよう求めたにもかかわらず、政府の答弁書のいずれも、質問者の求めに関係なく、一まとめにした上、質問の前提として明らかになっている自主的避難等対象区域(以下、「対象区域」という)の設定基準を一字一句違わずに繰り返すのみで、何ら回答はしていない。
 私は、三月五日の衆議院予算委員会第四分科会における質疑で、また同月七日の東日本大震災復興特別委員会における質疑で、具体的根拠を挙げ、対象区域の見直しを求めたのに対し、平野文部科学大臣の答弁は、「明日、私は委員長(ここに言及されている委員長とは「原子力損害賠償紛争審査会長」を意味する。)とお会いして、予算委員会におきましてもそういうお声があるということは必ず私はお伝えしたい」等の答弁があった。よって、私が衆議院各委員会で質疑を行った際の平野文部科学大臣の答弁等を踏まえて、一問ごとに政府の誠意ある回答を求めて、以下質問する。

一 平野文部科学大臣は、同月七日以降、原子力損害賠償紛争審査会(以下、「紛争審査会」という)に具体的にどのような取り組みをされたのか。それに応えて、紛争審査会では、どのような議論をしたのか、明らかにされたい。
二 紛争審査会は、中間指針追補の見直しを検討中であるが、第二次追補においては、対象区域を拡大し、具体的には宮城県丸森町を対象区域として認めるべきと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。また、紛争審査会が対象区域の見直しを決定した場合、政府は前向きに受け入れるべきと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。
三 平野文部科学大臣は、その答弁において、「被災者の立場に立つということが基本前提」と繰り返し答えているが、文部科学省は、原子力被害に関して紛争審査会及び紛争解決センターの設置運営以外に、どのような被災者の立場に立った取り組みを行ってきたのか、明らかにされたい。
四 福島原子力発電所事故による原子力損害について紛争審査会による指針の賠償対象区域の住民でなければ、個別に賠償請求し、かつ、自らその請求の正当性を証明しなければならない。こうした被災者に過度の負担を強いるやり方は、「国民の生活が第一」と宣伝する民主党政権が選択する手法なのか。原子力被害から住民を迅速に救済するためには、対象区域を適切に設定し直し、個別に相当因果関係の立証を住民に強いることなく、自動的に賠償請求手続を進められるようにすることが非常に重要と考えるが、政府はどのように認識しているのか、明らかにされたい。
五 紛争審査会が中間指針追補において対象区域を設定する際に勘案した要素すべてを、明らかにされたい。
六 紛争審査会が宮城県丸森町を対象区域にしなかった理由の一つとして、平野文部科学大臣は「ヨウ素剤が配付されていない」と答弁した。ヨウ素剤の配付の有無は、紛争審査会が主な判断材料として公表してこなかったものである。ヨウ素剤の配付の有無を賠償対象区域の判断材料とすることは、実際の放射線量とは関係ないものであり、正当性がないと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。

 右質問する。



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