質問本文情報
平成二十四年五月八日提出質問第二二八号
路線高速バス及びツアーバスに関する質問主意書
提出者 木村太郎
路線高速バス及びツアーバスに関する質問主意書
私は、平成十九年二月に発生した観光バスの死傷事故を教訓に、再発防止に全力を尽くす取り組みをしなければ、再び近い将来に悲惨な事故が起こりうると警鐘を鳴らし、昨年七月二十日質問主意書(質問第三三八号)を提出した。しかし、当時の菅総理から返ってきた答弁書を見ると「お尋ねの・・・意味するところが、必ずしも明らかではない。」とか、「・・・御指摘は当たらないものと考えている。」という言葉に表れているように、真剣さがなく不誠実、また「検討を行ってまいりたい。」などのように深刻さとスピード感の無い先送り的な内容が返ってきた。図らずも先般、関越自動車道において七人が死亡するという悲惨な事故が発生し、私が危惧していたことが現実に起こったわけである。路線高速バス・ツアーバス共に合法とはいうものの、現行の規制する法律においての様々な相違点、また、同事業の中に二つの制度が並立して存在するという矛盾が生じており、地域間の流動を安全に確保するための、公共性の視点から運行を維持するための規制などの制度について、一元化を図ることが早急に必要と私見として考える。
従って、次の事項について質問する。
二 昨年提出の質問主意書において「路線高速バス及びツアーバスに関する全国の利用実態調査を示されたい。」という私の質問に対し、答弁書では「「路線高速バス及びツアーバスに関する全国の利用実態調査」の意味するところが必ずしも明らかではない」という言葉を使っていたが、今もなお、意味するところが必ずしも明らかではないという認識のもと調査していないと解釈してよいのか、野田内閣の見解如何。
三 昨年提出の質問主意書における私の問いに対し「ツアーバス等の長距離運行を伴う貸切バスの安全確保等を求める文書を、日本バス協会、日本旅行業協会及び全国旅行業協会にも発出し、また、これら三団体に対して、貸切バスにおける交替運転者の座席の確保等の安全確保の徹底を求める文書を発出している。」旨答えているが、国としては文書の発出でとどまり、その文書の内容が三団体を通じて各関係会社において遵守、実行されているかどうかを確認してきたのか、野田内閣の見解如何。
四 三に関連し、昨年提出の質問主意書において「現状においては法的拘束力のない通達に留まっているとし、擬似的な路線バス事業を、法の不備を突かれ、認めてしまったとの声があるが」という質問に対して、答弁書では「御指摘の「擬似的な路線バス事業」の意味するところが必ずしも明らかではないが、二についてでお答えした文書等は、道路運送法の解釈や運用方針を示すものであり、国土交通省としては、当該解釈等により運用される同法に違反する貸切バス事業者に対しては、必要に応じ、同法に基づく行政処分等を行うこととしており、御指摘は当たらないものと考えている。」という答弁であった。今回事故を起こした陸援隊というバス会社を、国はどういう形態のバス会社として認識し、また今回の事故を起こしたツアーをどういう形態のバス事業と認識しているのか、野田内閣の見解如何。
五 昨年提出の質問主意書において「国土交通省からの指針として運転者の一日における最大走行距離は六百七十キロメートルとしているが、路線高速バス・ツアーバスそれぞれの実施状況はどのようになっているのか」と質問したことに対して、答弁書では「把握していない。」との内容であった。国として今回のような悲惨な事故を防ぐため、実施状況を把握し改善すべき点は更に改善を促す指導を行っていたのか、野田内閣の見解如何。
六 昨年提出の質問主意書において路線高速バス・ツアーバスについて「双方ともに地域間の流動を安全に確保するための公共性の視点から、運行を維持するための規制などの制度について、一元化を図ることが早急に必要ではないか」という問いに対し答弁書では「検討を行ってまいりたい。」という内容であった。その後の検討状況は、具体的にどのようになっているのか、野田内閣の見解如何。
七 平成十九年二月に発生した観光バスの死傷事故をはじめ、その後もバスによる事故が後を絶たず発生しているにも拘わらず、また、昨年七月に提出した私の質問主意書において問題点の提起や提言を踏まえ、国として、その後悲惨な事故を未然に防ぐための努力を最大限してきたと言えるのか、野田内閣の見解如何。
八 一〜七に関連し、七人が死亡した今回の高速ツアーバス事故のような悲惨な事故を防ぐために、今後、国としてどのような取り組みをするのか、野田内閣の具体的かつ詳細な見解如何。
右質問する。