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平成二十四年五月十八日提出
質問第二五四号

福島第一原子力発電所事故による被災者への被災者生活再建支援制度適用に関する質問主意書

提出者  秋葉賢也




福島第一原子力発電所事故による被災者への被災者生活再建支援制度適用に関する質問主意書


 東日本大震災による建物被害は、平成二十四年五月十六日付警察庁の広報資料によれば、全壊十二万九千八百八十五戸、半壊二十五万八千百三十八戸等、まさに未曽有の甚大な住宅被害が発生し、数十万人の方々が生きる上で大切な生活の基盤を一瞬にして失ったのである。震災から一年二か月以上が経過し、地震及び津波による被災地では、新たな希望を支えに、被災者が自らの生活の再建と地域の復興のために力強く歩み始めている。
 他方、原子力発電所事故により放出された放射性物質により、住民が避難を余儀なくされた地域では、帰還の目途も立たないまま、長引く避難生活を強いられる一方、住み慣れた家屋は今日においても手入れもできないまま放置され、生活再建の展望も描けないまま年月を送らざるを得ない方々もいる。
 被災者生活再建支援法は、「自然災害によりその生活基盤に著しい被害を受けた者」に対し、被災者生活再建支援金を支給するとしている。東日本大震災でも、地震や津波によって住宅を失った被災者、住宅が被害を受けた被災者には、本制度の対象として、三百万円を上限とする支援金が支給されており、生活の再建のための一助となっている。
 しかしながら、同じ東日本大震災の被災者でありながら、福島第一原子力発電所事故により避難をしている被災者の住宅には、地震や津波により被害を受けた場合を除き、被災者生活再建支援制度は適用されていない。原子力発電所事故そのものは自然災害ではないかもしれないが、今回の福島第一原子力発電所事故は地震及び津波という自然現象に伴って発生したものであり、政府も、「大規模な地震と津波に加え原子力発電所事故が重なるという、未曽有の複合的な大災害である」として、東日本大震災という名称を決定するなど、原子力発電所事故と地震及び津波との一体性は明確に認識していると考える。
 以上を踏まえ、次の質問をする。

一 火山噴火による火砕流等の発生などの危険な状態が継続することにより、長期にわたり住宅が居住不能な場合には、被災者生活再建支援制度の対象となっていることから、地震及び津波による被害を受けていない場合であっても、「福島原子力発電所事故による避難により長期にわたり住宅が居住不能な場合には」、被災者生活再建支援制度を弾力的に運用し、同制度の対象として支援金を支給することにより、かかる被災者の生活の再建を支援すべきと考えるが、政府の見解を伺いたい。
二 一に関し、被災者生活再建支援制度の弾力的運用が困難な場合には、被災者生活再建支援法の改正により、かかる被災者の生活の再建を支援すべきと考えるが、政府の見解を伺いたい。

 右質問する。



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