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平成二十四年六月二十八日提出
質問第三二三号

虚偽の捜査報告書を作成した検察官に対する検察庁の処分等に関する再質問主意書

提出者  浅野貴博




虚偽の捜査報告書を作成した検察官に対する検察庁の処分等に関する再質問主意書


 小沢一郎元民主党代表の資金管理団体「陸山会」の土地購入を巡り、収支報告書に虚偽の記載があったとして、石川知裕衆議院議員はじめ元秘書三名が逮捕された。小沢元代表自身も、それに関わったとし、東京第五検察審査会により強制起訴をされたが、本年四月二十六日、東京地裁より無罪判決が出されている。このいわゆる陸山会事件並びに小沢元代表の裁判に関連し、元東京地検特捜部の田代政弘検事が、石川議員を取り調べた際、石川議員が「『選挙民を裏切ることになる』と検事に言われたことが効いた」等と述べたとする内容を捜査報告書に記入し、東京第五検察審査会に提出しているが、後にその内容は全くの虚偽であったことが判明した。政府答弁書(内閣衆質一八〇第二二七号)でも触れられているように、田代検事はじめ関係者は、虚偽公文書作成罪等の容疑で市民団体から告発を受けていると承知する。また本年五月二十一日付朝日新聞には、「東京地検特捜部の田代政弘検事(四五)=現・法務総合研究所教官=による石川知裕衆院議員の取り調べについて、検察当局は二〇日までに『不適切な取り調べだった』と断定した。捜査報告書に事実と異なる記載をしたことと合わせて懲戒処分が相当と判断。近く法務省と協議した上、内部調査の結果を公表する方針だ。」と書かれている。右の田代検事の行為については、「前回答弁書」(内閣衆質一八〇第二六〇号)では「お尋ねは、いずれも、先の答弁書(平成二十四年五月十五日内閣衆質一八〇第二二七号)三から六までについてで述べたとおり、現在継続中の捜査の具体的内容に関わる事柄であるので、答弁を差し控えたい。」との答弁がなされるのみであったが、本年六月二十七日、最高検察庁は田代検事を不起訴とし、減給一〇〇分の二〇(六か月)の懲戒処分を下していると承知する。また当時の佐久間達哉特捜部長ら上司六名についても、嫌疑なしの不起訴とすることを公表している。右を踏まえ、再質問する。

一 そもそも田代検事はどのような目的で、捜査報告書に虚偽の内容を記載したのか説明されたい。田代検事は、記憶が混同した旨の弁解をしていると承知するが、右は事実か。
二 そもそも一検察官が虚偽の捜査報告書を作成し、市民団体から告発を受けるという事態を起こし、検察に対する更なる不信を招いたことにつき、法務省、検察庁としてどう総括をし、反省しているのか説明されたい。
三 田代検事が虚偽の捜査報告書を作成し、それを東京第五検察審査会に提出したことは、法律に違反するか。するのなら、どの法律にどう違反するのか、詳細に説明されたい。
四 田代検事が虚偽の捜査報告書を作成し、それを東京第五検察審査会に提出したのにも関わらず、刑事訴追を受けず、人事上の処分を受けるのみとなっていることは、我が国の法令上、適切であるか。適切であるのなら、その根拠を説明されたい。
五 報道によると、田代検事が虚偽の捜査報告書を作成し、それを東京第五検察審査会に提出した当時の佐久間部長が、虚偽の部分にアンダーラインを引き、大幅に加筆修正をしていたことが明らかになったとのことであるが、佐久間検事はなぜそのようなことをしたのか、検察庁、法務省としてその理由を把握しているか。
六 報道によると、五で触れた佐久間検事の行為に関し、佐久間検事が東京第五検察審査会に対し、小沢元代表を強制起訴するよう誘導する意図があったのか否か、検察庁内で調査が行われたと承知する。右の調査は、検察庁内のどの部署が、誰の責任の下、佐久間検事はじめ誰を対象に、どのような方法をもって、どの場所で行われたものであるのか、詳細に説明されたい。
七 本年五月四日、田代検事により作成された虚偽の捜査報告書と思われる文章が、インターネット上で掲載されていることが明らかになっている。検察庁、法務省として、それがインターネット上に流出している事態を把握しているか。
八 検察庁、法務省として、誰によって虚偽の捜査報告書が流出することとなったか、事実関係を把握しているか。
九 田代検事が行った行為は、人の名誉、一生に大きな負の影響を与えることになり、また過去の政府答弁書(内閣衆質一八〇第二二七号)で説明がなされているように、明らかに刑法第一五六条に違反するものであると考えるが、法務省、検察庁の見解如何。
十 九で指摘した事実があるにも関わらず、田代検事が逮捕、起訴といった刑事上の訴追を受けず、前文で触れたように減給という懲戒処分を受けるのみで済まされることは適切であるのか。記憶違いによって自身の一生が大きく左右された人がいることを鑑みても、また純粋に関連法律に照らしても、然るべき刑事上の処分が下されるべきではないのか。滝実法務大臣の見解如何。
十一 田代検事は本年六月二十七日付で検察官を退職したとのことであるが、右は事実か。
十二 十一が事実なら、田代検事に退職金は支払われているか。支払われているのなら、その金額を明らかにされたい。
十三 十二で、田代検事に退職金が支払われているのなら、田代検事が処分を受け、退職することとなった経緯からしても適切であり、国民の理解を得られるか。滝大臣の見解如何。
十四 弁護士資格の定義如何。
十五 田代検事は弁護士資格を有するか。
十六 田代検事は現時点で弁護士資格を有し、直ちに弁護活動を行うことは可能か。
十七 直ちに弁護活動を行うことが可能であるならば、それは適切か。公判を歪めるような行為を行い、懲戒処分を受け、検事の職を退いた者が直ちに弁護活動を行うことは、我が国の司法を汚し、国民の信頼を失わせることに繋がるのではないか。

 右質問する。



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