質問本文情報
平成二十四年九月四日提出質問第四〇六号
指定廃棄物の処理等の推進に関する質問主意書
提出者 秋葉賢也
指定廃棄物の処理等の推進に関する質問主意書
事故由来の放射性物質による汚染状態が一キログラム当たり八〇〇〇ベクレルを超える廃棄物は、「平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染への対処に関する特別措置法」(以下「法」という。)に基づき、指定廃棄物として環境大臣が指定を行い、国の責任において処理することとし、指定廃棄物の処理については、法に基づく基本方針で、当該指定廃棄物が排出された都道府県内において行うこととされている。
また、環境省は、指定廃棄物の処理の方針を具体化するために関係地方公共団体との協議を行い、本年三月三十日に、国が必要な最終処分場等を確保することを目指すこと等を内容とする「指定廃棄物の今後の処理の方針」(以下「処理の方針」という。)を策定・公表したところである。
そこで、これらを踏まえて、次の事項について質問する。
二 平成二十三年十二月一日時点で放射能に汚染された廃棄物の保管ひっ迫事例等が四十五件、この他に、稲わら、堆肥等の農業系副産物についても、四県の市町村下で多数発生していることが、平成二十三年十二月二十七日開催の「除染及び特定廃棄物処理に関する関係閣僚会合(第三回)」で明らかにされたが、これらの各案件の現在の状況について詳細に伺いたい。
三 処理の方針では、「農林業系副産物(稲わら、牧草など)については、農家の敷地などでの保管を余儀なくされており、農家経営や生活環境に影響を及ぼしかねないことから、…(中略)…既存の廃棄物処理施設による処分を実施できない場合には、指定廃棄物が存在する市町村ごとに仮設焼却炉や移動式焼却炉を設置することや、都道府県内において集約して仮設焼却炉を設置することも含め、可能な限り速やかに中間処理するよう努める」ものとされている。前記二のとおり、平成二十三年十二月一日時点において、四県の市町村下で農業系副産物等の保管ひっ迫事例が発生しており当該地域では仮設焼却炉の設置が不可欠と考えられる。そこで、農業系副産物等の保管がひっ迫している地域における仮設焼却炉等の設置状況及び具体的設置方針(完成予定時期等)について、当該地域ごとに答えられたい。
四 国が「除染特別地域」に指定した福島県十一市町村及び「汚染状況重点調査地域」に指定した八県百四市町村のうち、東京電力福島第一原子力発電所事故により放出された放射性物質に汚染された土壌等を一時保管する仮置き場を設置している自治体は、本年七月現在で二十市町村にとどまり、約八割に上る市町村では未だ設置されていない状況にあり、除染をしても土壌等を搬出できない現状にある。政府は、市町村ごとの仮置き場の設置状況及び残余容量等を随時かつ詳細に把握しているか。政府における現時点でのこれらの具体的な把握内容及び今後の設置促進に向けた具体的施策について伺いたい。
五 処理の方針の別添2で示された「指定廃棄物の最終処分場の確保に係る工程表」では、一キログラム当たり八〇〇〇ベクレルを超える廃棄物が発生している都道府県のうち、廃棄物の発生状況、保管のひっ迫状況から、国による最終処分場の確保が必要と考えられる都道府県を対象に、最終処分場の設置場所の選定を、今月末を目標に行うとされている。これに関し、横光環境副大臣は、最終処分場の確保に関する協力要請を宮城県、群馬県、栃木県、茨城県及び千葉県の各知事に行っていると承知しているが、これら各県における最終処分場の設置場所の選定に係る進捗状況及び選定完了の実現可能性について、当該県別で答えられたい。また、最終処分場の設置候補地とすべき適切な国有地がない都道府県における最終処分場の設置について、政府の具体的な対応方針を伺いたい。
六 岩手県、新潟県及び東京都においても相当量の指定廃棄物が残存しているが、これらの都県に対しても、政府として最終処分場設置の検討・選定を行うべきと考えるが、政府の具体的かつ明確な方針を伺いたい。
右質問する。