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平成二十四年十月三十一日提出
質問第一五号

いわゆる東京電力女性社員殺害事件で無期懲役とされた人物の無罪が明らかになった件に関する質問主意書

提出者  浅野貴博




いわゆる東京電力女性社員殺害事件で無期懲役とされた人物の無罪が明らかになった件に関する質問主意書


 一九九七年三月、東京都渋谷区で当時東京電力に勤めていた女性社員の遺体が見つかった、いわゆる東京電力女性社員殺害事件(以下、「事件」とする。)で犯人とされ、二〇〇三年に無期懲役が確定していたネパール国籍のゴビンダ・プラサド・マイナリ氏の再審第一回公判が、本年十月二十九日、東京高裁で行われた。検察側は、「被告人以外が犯人である可能性を否定できず、被告人は無罪」との意見を述べている。逮捕から十五年、マイナリ氏が無罪となることはほぼ確定的であると考える。右を踏まえ、質問する。

一 前文で触れたように、逮捕されてから十五年以上もの長きに渡り、マイナリ氏が拘束されたことにつき、政府としてどのような見解を有しているか。
二 再審第一回公判で、久木元伸検事はマイナリ氏が無罪との意見を述べているが、検察庁として、いつ、どのようにして、マイナリ氏が犯人ではなく、無罪であるとの見解を有するに至ったのか、明確に説明されたい。
三 えん罪の定義如何。
四 マイナリ氏の件は、えん罪に該当するか。
五 新聞報道によると、再審第一回公判が閉廷した後、東京高検の青沼隆之次席検事が「主張変更は科学技術の進歩で鑑定が可能になったことなどによるもので捜査・公判に特段の問題はなかったと考えている。結果としてマイナリ氏を長期間拘束したことは誠に申し訳なく思っている」とのコメントを出したとのことだが、右は検察庁としての公式見解であるのか。
六 政府、特に検察庁として、マイナリ氏に対し正式に謝罪をする考えはあるか。
七 政府、特に検察庁として、今回のマイナリ氏のような事例が生じてしまった原因の究明をはじめ、えん罪を招いたことをどのようにして検証し、いつまでに結論を出す考えでいるのか説明されたい。
八 政府として、当時マイナリ氏を逮捕し、取調べをした警察官、起訴した検察官並びに検事総長、東京高検検事長、更にはマイナリ氏に無期懲役の判決を下した裁判官の氏名を明らかにされたい。
九 政府、特に検察庁としてマイナリ氏に謝罪をすることは当然である。しかし、八のマイナリ氏のえん罪を直接生み出した者こそ謝罪をすべきであると考えるが、政府の見解如何。

 右質問する。



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