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平成二十七年三月二日提出
質問第一〇四号

介護報酬・障害福祉報酬の改定による介護・障害福祉職員の賃金引上げの担保に関する再質問主意書

提出者  山井和則




介護報酬・障害福祉報酬の改定による介護・障害福祉職員の賃金引上げの担保に関する再質問主意書


 平成二十七年二月十三日付で「介護報酬・障害福祉報酬の改定による介護・障害福祉職員の賃金引上げの担保に関する質問に対する答弁書」(以下、「本件答弁書」という。)を受領したところですが、衆議院予算委員会での安倍総理の答弁との矛盾と見受けられる個所、回答が不十分な個所等があります。
 そこで、以下のとおり質問します。

一 安倍総理は、本年一月二十九日の衆議院予算委員会で、介護職員や障害福祉職員の月給について、「間違いなくそれは一万二千円上がっていく」と答弁されました。しかし、本件答弁書では、「個々の介護職員等に対する具体的な処遇改善の方法については事業者が判断するものであるため、全ての介護職員等の賃金が一律に月額一万二千円引き上がり、その年収が十四万四千円引き上がる仕組みではない。」とされており、「間違いなくそれは一万二千円上がっていく」と解釈することはできません。安倍総理の衆議院予算委員会での答弁は間違いですか。
二 本件答弁書では、「処遇改善加算については、(中略)定期昇給等を含めた賃金改善に充てる(中略)ことができるものとする予定である。」とされています。安倍総理は、衆議院予算委員会の答弁で、「他の報酬とは別枠で、一人当たり月額一万二千円相当の賃金を引き上げるための措置も講じている」としていますが、定期昇給は、施設側の努力により、処遇改善加算による「一人当たり月額一万二千円相当の賃金を引き上げるための措置」がなくても、職員の賃金を上げる仕組みです。安倍総理の衆議院予算委員会での答弁は間違いですか。
三 本件答弁書では、「処遇改善加算については、(中略)当該賃金の引上げに伴う社会保険料の事業主負担等の増加にも充てることができるものとする予定である。」とされています。本件答弁書中の「処遇改善加算によって事業者が得た額を原資」が、「社会保険料の事業主負担等の増加」に充てられれば、その分、職員の賃金に充てられる分が少なくなり、「一人当たり月額一万二千円相当の賃金を引き上げる」ことは不可能です。安倍総理の衆議院予算委員会での答弁は間違いですか。
四 処遇改善加算による「一人当たり月額一万二千円相当の賃金を引き上げる」ことは、いつまでに実現しますか。
五 処遇改善加算を適用したにもかかわらず、月給が一人当たり一万二千円相当上がらなかった場合、介護事業者は、処遇改善加算を返還することになりますか。
六 処遇改善加算の適用による、一人当たり月額一万二千円相当の賃金の引上げは、給与の手取り額を基準に行われますか、それとも額面の支給額を基準に行われますか。
七 処遇改善加算の適用により、一人当たり月額一万二千円相当の賃金の引上げについて、実際に賃金が上がったかどうかを、今後いつの時点に、どのような方法で検証しますか。
八 処遇改善加算を適用したにもかかわらず、基本給やボーナスつまり賞与を下げることは許されますか。
九 処遇改善加算を適用して、月給一万二千円を上げた代わりに、ボーナスつまり賞与を下げてもよいのですか。また、既に家族手当等の諸手当が支給されている場合に、処遇改善加算の適用に合わせて、これらの諸手当を廃止してもよいのですか。
十 処遇改善加算を適用する場合、一人当たり月額一万二千円相当の賃金を引き上げるということは、ボーナスつまり賞与などの一時金も含めて、年収が十四万四千円上がるということですか。
十一 処遇改善加算を適用して得られた資金をすべて賃上げに回す一方で、介護報酬が今回引き下げられたことに伴い、基本給を引き下げることは許されますか。
十二 今年四月以降、介護事業者はいかなる理由があっても基本給を下げることは許されませんか。もし許される場合があるならば、どのような場合ですか。
十三 一人ひとりの介護職員の賃金を決める最終決定権は、国にあるのですか、それとも介護事業者にあるのですか。
十四 処遇改善加算を適用する場合、一人ひとりの介護職員の賃金の最終決定権は、国にあるのですか、介護事業者にあるのですか。
十五 十三および十四について、一人ひとりの介護職員の賃金の最終決定権が国にはなく、介護事業者にあるのであれば、介護職員の賃金を月一万二千円上げるか否かの最終決定権は、介護事業者にあるということですか。介護事業者は、経営が苦しければ、介護職員の月給を一万二千円上げなくてもよいということですか。
十六 処遇改善加算を適用する場合、月給は四月分から上がるのか、五月分から上がるのですか。
十七 介護事業者は、処遇改善加算の適用による収入の一部を、賃上げでなく、労働安全衛生対策の充実や業務省力化対策などの労働環境改善のための費用に使ってもよいのですか。それとも処遇改善加算による収入は、百パーセント、すべて賃上げに使わねばならないのですか。
十八 今回の介護報酬改定により、要支援一及び二のホームヘルプやデイサービスの報酬が大幅にカットされました。これにより、要支援一及び二の高齢者へのサービス提供が、介護事業者にとっては赤字になりかねなくなったため、サービスが提供されなくなり、要支援一及び二の高齢者が希望しても、必要なサービスをうけられなくなるのではないですか。
十九 今回の介護報酬改定により、介護予防通所リハビリテーションについては、要支援一を対象とする報酬が二四三三単位/月から一八一二単位/月に、要支援二を対象とする報酬が四八七〇単位/月から三七一五単位/月に、それぞれ削減されていますが、サービス提供の持続可能性が損なわれており、文字通り要支援切りで、要支援の方が必要なサービスを利用できなくなるのではないですか。
二十 今回の介護報酬改定により、介護予防通所リハビリテーションを必要とする人でも当該サービスを受けられなくなり、要支援一、要支援二の方の重度化、状態の悪化が進行する可能性はないですか。
二十一 今回の介護報酬改定により、介護予防通所リハビリテーションについて、要支援一を対象とする報酬を二四三三単位/月から一八一二単位/月に、要支援二を対象とする報酬を四八七〇単位/月から三七一五単位/月に、それぞれ削減した背景及び根拠を示して下さい。
二十二 今回の介護報酬改定により、短期集中リハビリテーションは三カ月までとされ、その後生活行為向上リハビリテーションに移行するものの、六カ月が上限となります。このような上限期間を超えた高齢者は、何処でどのようなサービスを利用するのですか。適切なサービスが引き続き利用できなければ、症状が悪化するのではないですか。
二十三 要支援一あるいは要支援二の方を対象とするホームヘルプやデイサービスの介護報酬を引き下げたことにより、要支援の方に対するサービス提供の持続可能性が損なわれ、当該サービスを必要とする方が、サービスを受けられなくなる恐れはありませんか。
二十四 今回の介護報酬の大幅引下げにより、四月から、介護現場の混乱や、サービス縮小による介護難民の増加の危険性があります。ついては、四月以降の実態に問題が大きいことが明らかになれば、次回の補正予算や平成二十八年度予算において、介護報酬の引上げ改定を行うべきではないですか。

 右質問する。



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