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平成二十七年三月四日提出質問第一一〇号
TPP加盟と沖縄の農業におけるサトウキビの重要性に関する質問主意書
提出者 仲里利信
TPP加盟と沖縄の農業におけるサトウキビの重要性に関する質問主意書
政府が推し進めているTPP(環太平洋パートナーシップ協定)は、関税撤廃が原則であり、小規模で市場競争力に乏しい農林水産物への影響は極めて大きいものがある。とりわけ沖縄県の基幹作物であるサトウキビは存続の危機にさらされることになる。
そこでお尋ねする。
二 沖縄県農林水産部は、農業への直接影響額が五百八十億円、加工業を含めると一千四百二十億円に及ぶと試算している。関連産業まで含めるとその影響額は膨大な値となり、もはや地域経済が成り立たなくなるという最悪の事態まで地元は想定している。政府はこのような事態に陥ってもTPP加盟を強行する考えか。
三 サトウキビは、沖縄の風土・気候に最も適した作物であり、特に離島各地はサトウキビ栽培で生計を立てているのが実状である。本県経済にとっても必要不可欠な作物であると認識するがどうか。
四 地域の重要作物であるサトウキビが、TPP加盟による安価な輸入品の流入で打撃を受け、なくなることになれば、沖縄の農業は壊滅的な打撃を受け、消滅することも想定される。さらには地域経済の疲弊を招き、ひいては自治体の消滅も否定できなくなる。政府はそのような事態まできちんと想定しているか。
五 具体的な事例としては、沖縄県の南北大東島はサトウキビで成り立っている国境の島である。この島でサトウキビが消滅すれば、即離農、離島に繋がるものと考えられている。そうなると、島の発見者である「ロシア海軍の佐官であったポナフィディン」との関係から改めて島の帰属問題が問題化することが懸念されており、安全保障上も得策ではないと思われる。サトウキビが単に地域の農業や産業、経済、自治体、島だけを支える作物だけではなく、国防上大きな役割を担っていると認識するがどうか。
右質問する。