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平成二十七年三月十七日提出
質問第一四二号

地方創生のための新たな予算制度の確立に関する質問主意書

提出者  仲里利信




地方創生のための新たな予算制度の確立に関する質問主意書


 我が国では、東京を始めとする大都市への一極集中や市場競争至上主義が進む一方で、地方は人口の減少、産業の空洞化、地域経済の衰退、地方自治体の財政難に喘ぎ、疲弊化している。このまま人口の減少・流出、地場産業の衰退が続くと、自治体の消滅はおろか国土の保全さえもままならなくなることが懸念されている。
 沖縄県では、現時点ではかろうじて人口は増加しているものの、近い将来には他県と同様に減少に転じることが予想されている。また、広大な海域に点在する国境の有人・無人の島を多く抱える島嶼県ということもあって、地域・島の維持が可能かどうか、心配はひとしおである。
 そこでお尋ねする。

一 国土面積の僅か〇・六%しかない沖縄県に米軍専用面積の七十四%が集中する事態は理不尽であり、極めて異常である。国土防衛の重責をひとり沖縄県民だけが担っているといっても過言ではない。何故沖縄にだけ米軍基地を集中させるのか。その理由として、識者は、沖縄に過度に基地を集中させることによって国土防衛費を安くあげるためであり、その安上がり分は三十兆円にも及ぶと試算している。そうであるならば、政府は、この際、沖縄県の米軍基地が全面返還されるまでの間、基地迷惑料として、毎年、沖縄県に、従来の沖縄振興予算とは別個に、三千億円を支払うべきではないか。
二 沖縄の島々では、発達したサンゴ礁が外礁として、防波堤のように環状に島を取り囲んでいる。その内側では浅い礁池や礁湖が形成され、水産動植物の生育や再生産に適した海域となっている。また景観に優れた海域として、さらには国土保全上からも重要な海域として機能している。一方、他県の湖沼はその役割と重要性から基準財政需要額の算定の際の測定単位の数値として組み入れられているが、沖縄県の礁池や礁湖はその重要性と役割にも関わらず、これまで何ら配慮されていない。よって、政府は、この際、沖縄県の礁池や礁湖も他県の湖沼と同様に、基準財政需要額の算定の際の測定単位の数値として組み入れる考えはないか。
三 沖縄振興一括交付金は、前知事が創設した交付金で、これまでのひも付き補助金と異なり、地域の自主性と創意工夫を生かした、極めて自由度の高い交付金であるとの話がある。しかしながら、その実態は、民主党政権下の平成二十三年度と二十四年度に実施された地域自主戦略交付金の衣替えに過ぎず、しかも自由民主党政権に戻るや否や「使い勝手が悪い」との理由で即座に廃止された、いわくつきの交付金である。現に沖縄県でもその使い勝手の悪さから多くの不用額や繰越額が続出しており、報道機関の調査でも改善要望の強い交付金と筆頭に挙げられている。よって、政府は、この際、真に地域の自主性と創意工夫を生かし、地方が使いやすい財源とするため、沖縄振興一括交付金を地方交付税として見直す考えはないか。また、仄聞するところでは、あえて沖縄にだけ地域自主戦略交付金を衣替えして沖縄振興一括交付金とのことであるが、その理由を明らかにされたい。
四 離島の小さな島々では、それぞれの気候風土に適した農作物が限定され、産業の規模も小さく、また輸送経費も割高となるなど、あらゆる面で格差が生じており、その抱えるハンディキャップは大きいものがある。そのため子供たちの進学を契機に島外に家族ぐるみで移住するケースも後を絶たず、このままでは自治体と島が消滅することが懸念される危機的状況となっている。よって、政府は、この際、国境の島の地方自治体と島嶼県である沖縄県に対し、辺地及び国境地域を維持するため、地方が自由に使える、新たな地方交付税として「島嶼地方交付税(仮称)」を創設する考えはないか。
五 沖縄県の気候及び風土に最も適した農作物として、サトウキビやパイン、マンゴー等があるが、いずれも市場から遠いこともあって、競争力に乏しく、小規模な形態で営まれている。近年、政府が強引に推し進めようとしているTPPが導入された暁には、これらの農作物は最も影響を被ることが予想されている。これら農作物がなくなると、その波及効果として地域の経済と産業の崩壊に繋がり、ひいては離農、離村、移住、自治体と島の消滅に一気に進むことが考えられる。よって、政府は、この際、沖縄県の島々の経済及び産業を支えているサトウキビやパイン、マンゴー等を始めとする小規模農業に対し、価格上乗せ金として新たな支援を行う考えはないか。

 右質問する。



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