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平成二十七年七月二十三日提出
質問第三四四号

財政制度等審議会財政制度分科会で示された教職員定数の合理化に関する質問主意書

提出者  仲里利信




財政制度等審議会財政制度分科会で示された教職員定数の合理化に関する質問主意書


 財務省は、このほど公立小中学校の教職員の定数を平成三十六年度までに約四万二千人削減し、義務教育予算の財源を別の教育予算や財政再建に回す構えのようであるが、沖縄県を始め全国の教育現場ではこれまで進めてきた少人数学級に逆行する取り組みであるとして強い反発と危機感が提起されている。
 そこでお尋ねする。

一 財務省がこのほど取りまとめて財政制度等審議会財政制度分科会に提示した教職員の定数削減の試算は、そもそも何を目的とし、どのような調査方法で行い、その調査結果は第三者機関等で検証し、さらに関係機関や団体の意見聴取を踏まえて取りまとめられたものか。
二 教職員定数の削減理由は、少子化で学級数が減少するためとしているようだが、少人数指導などこれまで政府が進めてきた教育環境を維持することが可能だとする根拠は何か。
三 昨年十月に、公立小学校一年生の学級編制の標準の四十人への引き上げ等についての提案が行われたことを考えると、平成二十七年六月三日に衆議院文部科学委員会が全会一致で議決した「教育現場の実態に即した教職員定数の充実に関する件」に反するものではないか。
四 教育の質を維持し、日本の将来を担う人材を育てる教職員を計画的に採用・配置することが何よりも重要であり、財政再建のための手っ取り早い簡便な方法として教職員定数の削減や合理化に走ることは避けるべきではないか。
五 平成二十三年に改正された義務標準法において、公立小学校一年生の学級編制の標準は「一学級四十人定数」から「三十五人定数」に引き下げられているが、沖縄県では独自の少人数学級施策として「小学校一年二年での「三十人以下学級」」が取り組まれている事例があることや、沖縄県よりさらに進んだ「少人数学級」が実現している府県もあることから、今回提示された合理化計画はこれに逆行する取り組みではないか。
六 地域によっては、三十五人以下の少人数学級が小学校二年時までしか実現できず、三年時以上は相変わらず四十人以上の学校も存在しているが、このような実態を把握しているか。それに対して改正された法の趣旨に基づき改善する考えはあるか。
七 子供達への最善の教育環境は、学校現場では「三十人以下学級」であると確信するがどうか。
八 教育現場では、精神疾患を始め病気休職者が多発して教員が不足していることや、煩雑な日常業務に追われ年休の取得もままならないこと、教職員が多忙化していることなどの現状からして、今回の試算は実態を余りにもないがしろにしているとの意見や反発の声が上がっているがどうか。
九 少人数指導等で上積みしている「加配定数」についても、標準学級あたりの教職員数を二〇一五年度と同じ水準に据え置いても大丈夫としているが、何をもって大丈夫と判断したのか。
十 今回の試算とそれに伴う定数削減は、学校が地域の中で果たしている役割や必要性を何ら考慮せずに、数値でもって機械的に行っているとの批判が生じていることに対してどう思うか。
十一 離島・過疎地域の学校では、現在でも遠隔からの登下校を余儀なくされている事例が見受けられるが、教職員定数の削減はそのまま学校の統廃合へと繋がり、さらなる登下校の遠距離化を招き、ひいては家族が都会に転出して地域の崩壊・自治体の消滅に繋がりかねないことをどのように考え評価するか。
十二 いじめや不登校、特別な支援が必要な子供や外国人児童生徒への対応、アクティブ・ラーニング等の新たな教育の推進、教育格差等学校が抱える課題は数多くあり、そのための施策として、少人数教育の推進や個に応じたきめ細やかな対応、組織的に取り組むことができるよう、教職員の加配定数を拡充するとともに必要な財源を確保することが何よりも必要であると考えるがどうか。

 右質問する。



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