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平成二十七年七月三十一日受領
答弁第三四四号

  内閣衆質一八九第三四四号
  平成二十七年七月三十一日
内閣総理大臣 安倍晋三

       衆議院議長 大島理森 殿

衆議院議員仲里利信君提出財政制度等審議会財政制度分科会で示された教職員定数の合理化に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員仲里利信君提出財政制度等審議会財政制度分科会で示された教職員定数の合理化に関する質問に対する答弁書



一について

 御指摘の「教職員の定数削減の試算」は、財政制度等審議会財政制度分科会(平成二十七年五月十一日)において、財務省から説明資料として提出した「少子化を踏まえた教職員定数の合理化@」(以下「本資料」という。)を指しているものと考えられる。
 本資料は「財政健全化計画等に関する建議」(平成二十七年六月一日財政制度等審議会建議。以下「平成二十七年建議」という。)に向けた議論に資するためにお示ししたものであり、本資料における試算は、文部科学省における平成二十七年度予算の概算要求時の見積りに示された公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律(昭和三十三年法律第百十六号。以下「義務標準法」という。)第七条第一項及び第十一条等の規定により算定した教職員定数(以下「基礎定数」という。)並びに公立の小学校、中学校(中等教育学校の前期課程を含む。)及び特別支援学校ごとに、平成二十七年度における義務標準法第三条に規定されている学級編制の標準に基づき学級編制した場合の学級(以下「標準学級」という。)の一学級当たりの義務標準法第十五条等に規定する教職員の定数の算定に係る加算の措置(以下「加配定数」という。)を平成二十八年度から平成三十六年度まで一定として計算した加配定数を基に計算した結果である。
 また、本資料は、財務大臣の諮問機関である財政制度等審議会の財政制度分科会に示され、同分科会及び同審議会における審議を経て、平成二十七年建議が取りまとめられ、財務大臣に示されたところである。

二について

 本資料は、少子化等による基礎定数の減少に加え、平成三十六年度までに加配定数四千二百十四人の合理化が可能であるとの試算を示したものであるが、これは、文部科学省において試算した少子化に伴う学級数の減少を踏まえ、そうした中でも現在の一標準学級当たりの加配定数を維持することにより、現在の教育環境が今後も維持されることを前提として試算したものである。

三について

 御指摘の提案は、財政制度等審議会財政制度分科会(平成二十六年十月二十七日)において、「平成二十七年度予算の編成等に関する建議」(平成二十六年十二月二十五日財政制度等審議会建議。以下「平成二十六年建議」という。)に向けた議論に資する観点から、財務省から説明資料として示したものの一部を指しているものと考えられるが、こうした議論の結果として平成二十六年建議においては「「小一三十五人学級」を継続するのであれば、その効果が客観的に国民に示される必要がある。」と記述されており、財務省としては、本記述が、直ちに平成二十七年六月三日の衆議院文部科学委員会の議決に反するものとは考えていない。

四について

 教育は未来を担う人材を育成するものであり、子どもたちの学力、能力、人間性の向上を図ることは、我が国の将来にとって極めて重要な課題であると認識している。
 一方、我が国の財政状況は極めて厳しく、財務省としては、教育予算についても、他の予算と同様、重点化及び効率化を図りながら教育の質の向上を目指す工夫が必要であると考えている。そうした取組により、厳しい財政事情の中であっても、効果的に教育環境を改善していくことはできるものと考えている。

五について

 御指摘の「今回提示された合理化計画」が何を指すかは必ずしも明らかではないが、本資料は、平成二十七年建議に向けた議論に資する観点から、現在の一標準学級当たりの加配定数を維持することにより、少人数指導などの現在の教育環境を今後も維持することを前提として一定の仮定の下に示したものであり、財務省としては、平成二十三年の義務標準法の改正の趣旨や、各都道府県における少人数学級の取組に逆行するものとは考えていない。

六及び七について

 お尋ねの点については、現在、公立の小学校又は中学校(中等教育学校の前期課程を含む。)の一学級の児童又は生徒数の標準は、義務標準法第三条第二項において、公立の小学校及び中学校の同学年の児童又は生徒数で編制する学級においては四十人(公立の小学校の第一学年の児童で編制する学級にあっては三十五人)と定められているが、加配定数の措置により、公立の小学校の第二学年以上の学年や中学校においても、三十五人となっている都道府県もあるものと承知している。
 いずれにせよ、今後の少人数学級の推進や個別の課題に対応するための教職員の定数の在り方については、学級規模の縮小や教職員配置の改善等の取組の効果を検証しつつ、学校教育の状況や国及び地方の財政状況等を勘案した上で、教育の質の向上につながる教職員配置の適正化を計画的に行うことその他の方策を引き続き検討してまいりたい。

八及び十二について

 本資料は、平成二十七年建議に向けた議論に資する観点から、現在の一標準学級当たりの加配定数を維持することにより、少人数指導などの現在の教育環境を今後も維持することを前提として一定の仮定の下に示したものである。
 一方、いじめや不登校など学校が抱える個別課題が多様化する中で、こうした課題に対応するための教職員の定数の在り方等については、学級規模の縮小や教職員配置の改善等の取組の効果を検証しつつ、学校教育の状況や国及び地方の財政状況等を勘案した上で、教育の質の向上につながる教職員配置の適正化を計画的に行うことその他の方策を引き続き検討してまいりたい。

九及び十について

 本資料は、平成二十七年建議に向けた議論に資する観点から、現在の一標準学級当たりの加配定数を維持することにより、少人数指導などの現在の教育環境を今後も維持することを前提として一定の仮定の下に示したものである。
 いずれにせよ、今後の少人数学級の推進や個別の課題に対応するための教職員の定数の在り方については、学級規模の縮小や教職員配置の改善等の取組の効果を検証しつつ、学校教育の状況や国及び地方の財政状況等を勘案した上で、教育の質の向上につながる教職員配置の適正化を計画的に行うことその他の方策を引き続き検討してまいりたい。

十一について

 本資料は、平成二十七年建議に向けた議論に資する観点から、現在の一標準学級当たりの加配定数を維持することにより、少人数指導などの現在の教育環境を今後も維持することを前提として一定の仮定の下に示したものであるが、財務省としては、本試算に基づく教職員定数の合理化が、学校の統廃合につながるとは考えていない。
 一方、離島などのへき地児童生徒の支援は引き続き重要な課題と考えており、平成二十七年度予算においても、スクールバスの購入費補助など、必要な予算を措置しているところである。



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