質問本文情報
平成二十八年四月二十日提出質問第二五一号
鉄軌道計画の本格スタートに向けた政府の支援や取り組みに関する再質問主意書
鉄軌道計画の本格スタートに向けた政府の支援や取り組みに関する再質問主意書
鉄軌道計画の本格スタートに向けた政府の支援や取り組みに関しては、三月二十四日付け質問第二〇九号で質問を行い、四月一日付けで答弁を得たところである。
その際「沖縄に戦前及び戦中にあった沖縄県営鉄道(軽便鉄道)が米軍の空襲により完全に破壊されたが、政府は戦時補償の一環と位置付けて、政府主導で整備すべきではないか」と質問したところ、「内閣府において調査中であり、引き続き調査する」との答弁があった。これは県民の要望にまともに応えようとしない答弁であり、誠に遺憾である。
また、沖縄県内交通渋滞の解消や観光産業の振興、那覇空港第二滑走路の整備に合わせた交通機関の整備を図るため「鉄軌道を整備すべきではないか」との質問に対しても、「申請等がなされた場合においては、適切に対応したい」と答弁しており、県民の要望に真摯に対応しようとしていない。
このような政府の対応は、沖縄振興特別措置法及び同法の提出の際の趣旨説明を損なうものであると言わざるを得ない。
すなわち、沖縄振興予算は、沖縄振興特別措置法第一条において、同法に基づき策定される沖縄振興基本方針及び十カ年を目途とした沖縄振興計画に基づく事業を推進する等特別の措置を講ずることにより、沖縄の自主性を尊重しつつその総合的かつ計画的な振興を図り、もって沖縄の自立的発展に資するとともに、沖縄の豊かな住民生活の実現に寄与することを目的とすることを明確に規定している。
また、昭和四十六年十一月十日に開催された「沖縄及び北方問題に関する特別委員会」の法案提出趣旨説明として、山中国務大臣は、@沖縄は、先の大戦において最大の激戦地となり、全島ほとんど焦土と化し、沖縄県民十余万のとうとい犠牲者を出したばかりか、戦後引き続き二十六年余の長期間にわたりわが国の施政権の外に置かれ、その間、沖縄百万県民はひたすらに祖国復帰を叫び続けて今日に至っている、Aわれわれ日本国民及び政府は、この多年にわたる忍耐と苦難の中で生き抜いてこられた沖縄県民の方々の心情に深く思いをいたし、県民への償いの心をもって事に当たるべきである、ことなどを発言している。
これらを踏まえて以下お尋ねする。
二 山中国務大臣が発言した「全島ほとんど焦土と化した」ものの一つが「県営鉄道の破壊・消滅」に他ならない。また山中大臣は「県民への償いの心をもって事に当たるべきである」とも述べている。そうであるならば、政府は、そのような認識に立って、「戦時補償の一環」として、県営鉄道に代わる鉄軌道の整備を主導して行うべきではないか。
三 沖縄振興特別措置法において、沖縄振興計画の策定主体が国から沖縄県に代わったという変更はあるものの、政府が沖縄振興基本方針を定めるという基本的な姿勢に変わりはなく、むしろ政府は「県の主体性をより尊重」しつつ「国の支援」を拡充し責務として沖縄の振興を図っていくことが明確に示されていると思われるが、政府の認識はどうか。
四 平成二十四年五月十一日に政府が定めた「沖縄振興基本方針」において、「V 沖縄の振興に関する基本的な事項」の「十一 社会資本の整備及び土地の利用に関する基本的な事項」の「(二)各種社会資本の整備」として、「沖縄島内における交通の状況に鑑み、鉄道、軌道その他の公共交通機関の整備の在り方についての調査及び検討を進め、その結果を踏まえて一定の方向を取りまとめ、所要の措置を講ずる」との方針が明らかにされている。
(一) 政府は、平成二十二年度及び二十三年度に「鉄軌道等導入可能性検討基礎調査」を、平成二十四年度から二十六年度までに「鉄軌道等導入課題検討基礎調査」をそれぞれ実施したと承知している。一方、「沖縄振興基本方針」に基づくならば、調査結果を踏まえて取りまとめるべき「一定の方向」において、「鉄軌道を整備しない」という方針が打ち出される可能性はあり得ないものと本職は考える。政府の基本的な認識もそうであると理解して良いか。
(二) 政府は、「沖縄振興基本方針」において、明確に「鉄道、軌道に所要の措置を講ずる」と打ち出している。この方針は、調査及び検討の結果に関わらず、鉄軌道の整備を進めるとの考えから示されたものであると理解して良いか。
右質問する。