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平成二十九年一月二十四日提出
質問第二六号

いわゆる共謀罪と東京五輪の関係に関する質問主意書

提出者  逢坂誠二




いわゆる共謀罪と東京五輪の関係に関する質問主意書


 安倍総理は、平成二十九年一月二十三日の衆議院本会議で、犯罪を計画段階で処罰する共謀罪の構成要件を改めたテロ等準備罪を新設する組織犯罪処罰法改正案と国際組織犯罪防止条約に関して、「国内法を整備し、条約を締結できなければ東京五輪・パラリンピックを開けないと言っても過言ではない」と答弁し、さらに「現在政府が検討しているテロ等準備罪は、テロ等の実行の準備行為があって初めて処罰の対象となるものであり、これを共謀罪と呼ぶのは全くの間違いです」とも答弁しているが、これらについて疑義があるので以下質問する。

一 政府は、国際組織犯罪防止条約締結のために必要な国内法が最低限具備すべき要件は何であると認識しているのか。政府の見解を示されたい。この際、条約の条文の引用ではなく、国民に分かりやすい言葉で政府の見解を具体的に示されたい。
二 安倍総理は、「現在政府が検討しているテロ等準備罪」に関し、「これを共謀罪と呼ぶのは全くの間違い」と発言したが、法務省のホームページには次の記述がある。
 「国際組織犯罪防止条約第五条は、締約国に対し、重大な犯罪(長期四年以上の罪)の共謀(共謀罪)又は組織的な犯罪集団の活動への参加(参加罪)の少なくとも一方を犯罪とすることを明確に義務付けています。(中略)この点、我が国の現行法には、一部の犯罪を除いて、犯罪の共謀を処罰する規定はありませんし、組織的な犯罪集団の活動への参加を一般的に処罰する規定もありません。したがって、我が国の現行法は、条約第五条が定める義務を充たしておらず、「組織的な犯罪の共謀罪」を設けることなくこの義務を充たすことはできないと考えています。」(「法務省HP記述」という。)
 こうした法務省HP記述から判断すれば、安倍総理の指摘する共謀罪ではないテロ等準備罪を設けても、国際組織犯罪防止条約第五条の義務を充たすことにはならないと解すべきだが、このような認識で良いか。
三 安倍総理は「現在政府が検討しているテロ等準備罪」に関し、「これを共謀罪と呼ぶのは全くの間違い」と答弁し、国際組織犯罪防止条約の締結にテロ等準備罪が必要との指摘と、法務省HP記述は矛盾していると考えるが、このような認識で良いか。
四 安倍総理の答弁と法務省HP記述に矛盾がないとすれば、どのような根拠に基づくのか。法務省HP記述では、明確に、「「組織的な犯罪の共謀罪」を設けることなくこの義務を充たすことはできないと考えています」と記述されている。政府の見解を示されたい。
五 二において、安倍総理の言うところのテロ等準備罪であっても、国際組織犯罪防止条約第五条の義務を充たすのであれば、テロ等準備罪を「共謀罪」と呼称すべきだと思われるが、このような認識で良いか。
六 五において、かかるテロ等準備罪が「共謀罪」ではないとすれば、どのような根拠に拠るのか。両者は法的効果において同じものであろう。政府の見解を示されたい。
七 現在、国際組織犯罪防止条約締結国のうち、共謀罪のみを制定している国数、参加罪のみを制定している国数、共謀罪と参加罪の両方を制定している国数を明らかにされたい。
八 安倍総理の発言から判断すれば、「国際組織犯罪防止条約を締結するために国内法を整備し、当該条約の締結をすること」が、東京五輪・パラリンピック開催の必要条件と考えているように推測されるが、このような認識で良いか。政府の見解を明らかにされたい。

 右質問する。



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